日本ではマラソン人口が大変多く、特に秋から冬にかけては運動に最適な季節でもあることから、この季節になると、皇居の周りをジョギングする人々が数多く見られます。
その中には、少なからず、東京マラソンに向けて練習を開始した人もいることでしょう。
普段運動をしていない人が、これから運動をしようとする場合に、間違ったことをして、せっかく身体を鍛えるための運動で逆に身体を痛めては元も子もありません。
身体は一生つきあっていくべき道具です。
些細な過ちで壊してしまわないように、以下のことに気を配りながら、正しいジョギングを心がけましょう。
1. 適切な栄養補給ならびに水分補給
ジョギングで効率的に筋肉をつけるためには、筋肉の破壊と再生をバランスよく行うことが必要です。筋肉を再生する際に必要なのが、適切な栄養と、適度な水分補給。昔の部活では、運動中に水分を補給することを禁止されており、今でもそれが時代遅れな"常識"であることを知らない人がいまだにいるので、気をつけましょう。
果物、野菜、タンパク質、穀物を、水分と同時に十分取るようにしましょう。
2. 正しいジョギングシューズを履く
自分に合わないままのジョギングシューズを履く人があまりに多いので、驚きます。安いものではありませんから、何度かジョギングして違和感を感じても、新しく買い直すのはもったいないと思って履き続ける人が多いようですが、足首、膝、関節をサポートするのに良いジョギングシューズを履くことは絶対に必要です。そもそも道具の少ないスポーツ、靴にかける費用くらい、サイフの紐をゆるめましょう。
3. 適度な準備運動を行う
走ること――このことだけが目的になって、十分な準備運動を行うことを怠りがちですが、本来の目的は走ることではなく、身体を鍛えることであることをお忘れなく。筋を伸ばし、激しい運動の前に身体を温めて血液の流れをよくすることは、ケガしないためだけではなく、筋肉を効率的に鍛えるためにも必ず必要であることを忘れないでください。
4. 二日酔いで運動しない
二日酔いを覚ますために運動をする人がいるようですが、これは止めたほうが無難です。過度の飲酒によって、身体には乳酸が貯まり、筋肉痛を覚える人もいるでしょう。その解消にまず必要なのは、運動ではなく睡眠と急速、それからポカリスエットなどのスポーツドリンクです。走ることよりも、まず脳と身体を休めましょう。
一流の運動選手は、ムリをしません。野球では、好投している投手でも、肩に違和感を感じたらすぐにマウンドを降りるのをご存知でしょう。これを、
「昔の投手は多少の傷みがあろうとも投げていた、誰もそれで負傷などしなかった」
などとバカなことをいう人がいますが、ケガをして肩をダメにして、マウンドを去った人々のことを覚えていない人でなしの戯言ですから、ほっといていたほうが無難です。ジョギングも同じ。膝が痛い、足がつる、肩が痛い、などの異常を感じたら、即刻運動を止めてください。そして、痛みがひかないならば、医者に行きましょう。
6. よく知らない場所を走らない。
毎日同じ道を走っていると、段々飽きてきて、ついつい見知らぬルートをジョギングしたくなった経験、ありませんでしょうか。日本の道路ならばそれほどの危険はないでしょうが、田舎でトレーニングをしている人々は、要注意。たとえば見知らぬ山道や畔道などをジョギングしていて、見知らぬ場所を走っていると、うっかりと見過ごしたぬかるみで足を滑らせて負傷する、といういこともあるはずです。公道以外を走るならば、できる限り、よく知っているルートでジョギングすることをお勧めします。
7. 走ることを楽しむこと
楽しくなければ続きません。走ることはつらいことではなく、美しい自然を眺め、風を感じながら、自分を鍛え上げるとても楽しい作業であることをお忘れなく。走ることが楽しくなければ、たとえば同好の士をみつけて一緒に走るなど、いろいろな工夫をして、楽しむことをまずは考えましょう。なによりも、続けることが大切です。
8. 最初から飛ばしてはいけない
ジョギングを始める人が陥りがちなのは、はりきって最初から飛ばしてしまう愚を犯すことです。身体が温まらないのに、いきなり猛スピードで長距離走り、疲労困憊して、運動した気になってしまうのは、愚の骨頂といえましょう。目的は、疲れて、運動した気になることでしょうか? そうではないはずです。まずは、10〜15分間軽く走って、身体を温め、あるい程度身体に負荷を加えたのちに、少しずつスピードを上げて行きましょう。目的は、心肺機能を向上させ、筋肉をつけること。一瞬の充実感だけで満足するのは、単なる自己満足です。……まあ、たいていのトレーニングなんて自己満足なんですけれどね。
9. 日焼け止めクリームを使用すること
夏に比べると、秋や冬は涼しいために、ついつい日焼け止めなどの処方を怠りがちです。でも、時々テレビに出る女性マラソンランナーの皮膚に、長年の日焼けのために細かなシワがビッシリと浮いているのを見たことがある人も多いはずです。方法がないならばともかく、今ではよい日焼け止めクリームは手軽に手に入る時代です。日焼け防止に、運動する時だからこそ、気をつけましょう。
ちなみに、このクリームはAmazonで51人中41人が四つ星以上をつけているので、よいものかもしれません。
10. 迷わない
いろいろなコースをジョギングをしていると、見知らぬルートを走っているうちに、帰り道がわからなくなった、という経験のある人は多いのではないでしょうか。住宅街で迷うと、目印となる建造物がなかなか見当たらずに、同じ場所をうろうろハメに陥ります。
今では幸いなことに、携帯電話には大抵GPS機能がついています。無駄なことに時間を費やして、ジョギング自体への意欲を失わないように心がけたいものです。
そして、なにより続けることが大切。「やっぱり走るの、やめようかな」などと迷わないように、一度決めたことは、できるだけ続けていきましょう。