2013年4月30日火曜日

ハーレムを作る方法 あるいはその魔の手から逃れる方法 上

2006年1月、東京都大和市で「ハーレム男」と呼ばれる男が逮捕されたのを、まだ覚えている人はいるでしょうか。

逮捕されたのは渋谷博仁氏。容疑は脅迫。11人の美女に囲まれながら、12人目の美女を迎え入れるために20歳の女性を脅迫したのです。

「私は自衛隊幹部だが、あなたの周りにはスパイがいることが分かった。ここにいればあなたを助けてあげられる」
と言って自宅に誘い込み、女性が帰ろうとすると、こんなことを言って脅迫しました。
怖くなった女性が帰ろうとすると、「ここを出ていけば、肉を割かれ、ミンチにされる」「ここでの事を人に話せば殺されたり事故に遭ったり、病気になったりする」などと脅した疑い。渋谷は、「女性に対し、夢の中で出た話しをしただけ」などと供述し、容疑を否認している。
バカですね。ヤクザかと。ところが、逮捕されたあと執行猶予となって釈放され、今でも10人の美女と同棲生活を送っているのですから、羨ましい話です。

彼がどのようにしてハーレム生活を営むまでに至ったのか。その秘密を探りました。


1.催眠術を勉強

渋谷の特徴は、口がうまく、顔がごつく、威圧感のある風貌です。実際のところは小心者で、暴力を振るうタイプではないようですが、写真を見ますと確かにゴツい。

彼が身につけたのは、通俗心理学。50歳から勉強し始めたというので、遅咲きです。しかし一生懸命にやれば身につくものなのですね。そして翌年には、複数女性との同棲生活を始めます。彼にはよほど、天分があったのでしょう。

彼の自宅には、催眠術の本が大量にありました。中でも役に立ったネタ本が、ダーク広和氏の書いた『催眠術師になりたい』だと、当時のメディアで放送されていました。

現在はプレミアが付いてしまって、1万円近くもします。上記の事件のお陰です。それで売れるのですから、このニュースが人々に与えた衝撃の大きさがわかるというもの。でも、本当でしょうか? 内容を調べると、それほど危険なことは書いていないことが判明。

いかにもな題名ですから、マスコミにとっても報道しやすかったからこの本が選ばれただけで、本当はもっと別のタイトルのものではなかったのだろうかと、推測します。マインドコントロールについて詳しくかかれた本は、また別の機会に紹介しましょう。

2.ターゲットの選定

もてない人間の間違いが、自分のことを決して振り向きそうにない女性に、なんとか振り向いてもらおうとするところでしょうか。

金持ちなのに、お金に興味のない(あまりいませんが)女性をゲットしようとしても、口説ける確率は低いもの。イケメンなのに、男性の見てくれに興味のない女性を口説いてもムダです。

渋谷被告は自分に興味を持ちそうな女性のタイプを分析し、その女性をどうやったら手に入れられるか……彼は逆算で考えていきました。

どうやってターゲットを選んだのか。簡単な話です。求人誌に、
「占い師募集」
の広告を出したのです。

これを見てやってくる女性は、大抵の場合、占いのようなスピリチュアルなものに興味を持っているために、精神性を重視する人が多く、男の見てくれよりも中身に興味を持つ人が多いので、顔が多少まずくとも関係ありません。そして、被暗示性が強い。彼はこの手を使い、自分でも興味をもってくれそうなターゲットを大量にかき集め、たくさんの応募者の中から、さらに被暗示性の高い女性を選ぶのです。

実際のところ、彼女を探すために求人広告を出すという手口は、上級ナンパ師がよく利用する手でもあります。

明日に続く

2013年4月29日月曜日

今週号の週刊文春がスゴイ

スクープ、スクープ、アンドスクープ。
今週号の『週刊文春』の中吊り広告を見た時に思い浮かんだ言葉がそれでした。


素晴らしい記事を書くメディアを、なんとかして応援しなくてはいけない、と思いまして、コンビニで迷わず買いました。棚にはほとんど残っておらず、私が買ったのが最後の1冊でした。ゴールデン・ウィーク特大号のため、一週間はお休みのようです。そのためか、売れ足も早い模様です。

まずは、あの「コンクリート殺人事件」主犯が、振り込め詐欺で捕まったというニュース。彼のような残虐な人間は、更生などせず、ひたすらみじめな人生を歩んで欲しいと願っていました。あれだけの残虐な行為を犯しながら10数年でシャバに出てくるのが、他人ごとながら耐えられませんでした。

結局は黙秘を貫き、不起訴処分となって釈放されたようですが、余罪は本当になかったのでしょうか? 警察にはもう少し、頑張って欲しかったところです。

その次には、「マクドナルドの中国産鶏肉が危ない」という記事。マクドナルドの鶏肉に、基準値以上の薬剤がぶちこまれていることは、以前アマカナタの記事でも紹介しましたが、いよいよ全国誌で報道される事態となりました。最近マックに行っても、鶏の代わりに閑古鳥が鳴いています。ひたすらコスト削減に努めて原産地を隠してきた大手外食産業の成れの果てですよ。みなさん、モスで食事しましょう。

最後に、「中国人“イケメン留学生”に籠絡された防衛省情報本部女性職員」という記事です。御年62歳の防衛省情報本部の職員が、5年前に立ち寄った赤坂のスーパーで、アルバイトをしていた中国人留学生と仲良くなって、
「彼に中国やアメリカの最高の分析を届けたい」
とまで思いつめた、というものでした。

防衛省内では、情報本部長陸将の木野村謙一が事態のもみ消しをはかったものの、週刊文春の今回の取材によってそのことがバレてしまい、現在大きな問題となっています。
東北大震災では陸上自衛隊第4師団長として、復興支援を担当した木野村氏
昔は、女性は男性と違ってハニートラップには遭わないから情報秘匿に向いているなどと言われていましたが、これからは信用出来ませんね。なにしろ60歳を過ぎた亭主のある女性が、20歳近く下の中国人男性のために、「彼のために綺麗になりたい」「肌の手入れをしなければいけない」などと言い始める時代なのですから。

他にも「ナウシカは日本を変えたのか」などというスタジオジブリの特集も面白いです。現在発売中の週刊文春の一読を、お勧めします。

2013年4月28日日曜日

MKタクシーの社長の暴力行為

「思考のジャイロスコープ」に投稿しました。

★ http://gyroscope.hatenablog.com/entry/2013/04/28/070000

2013年4月27日土曜日

最近気になった記事 4/27

最近気になった記事のご紹介です。

★ 世界唯一の「猫劇場」がモスクワで再開
ネコが好きな人にとっては嬉しいお知らせ。モスクワにはネコ劇場があり、ネコの芸を楽しむことができるのだそうです。ネコはイヌと異なり、芸はしないと思っていましたが、かなりの芸達者ですね。


★ これまでの常識覆す片頭痛の本当の原因を発見!!
神経線維の感度が上がることが、偏頭痛の本当の原因なのだとか。神経自体をどうにかしなくちゃならないということですが、では、どうすればいいのかは書いていません。それが知りたいのに!

★ 救急車運転手が心臓発作、搬送中の末期がん患者が運転交代し命救う
冗談のような本当の話です。末期がんの男性は、これをきっかけに病気が全快したら、嬉しいのですが……映画だったら、そんな流れになりますよね。

★ 東銀座に地下広場出現 現役最古の地下街は閉鎖
現役最古の地下街とは、先日記事に書いた、銀座シネパトスのある三原橋地下街のこと。古きはさりて、新しいものが生まれ、そして歴史は移り変わっていきます。

★ 無重力状態で浮遊するような椅子「Gravity balans」
この椅子が欲しい! 33万円のお金を、椅子に払うことができる余裕ができたら、急ぎ買いたい商品の一つです。

★ 夫婦仲がうまくいかないのは言葉足らずが原因
 美味しい、ありがとう。いろいろ言うと思うんですけどね、これ、ご夫婦で一番よくあることなんですけど、もっと具体的に言わないと、実は相手はわからないんですよ。何が嬉しいのか、何がありがたいなと思ったのか。
 子供たちにも同じことが言えて、“こういうことをしたら、こういうことをしてはいけない”とか、子供たちは概念がないんですね。だから色々なことを探求しまくっているわけですよ。例えば、「できたね」「良かったね」「すごい! いぇい!」なんて言われてもですね、子供たちは、自分の何が認められているのかがわかりません。
 実は大人も同じですよね。
よく分かります。人間は、自分を基準に、「自分だったら高いってもらえれば理解できるから、相手だってそうだ」と考えてしまいますが、そうではありません。気をつけねば。

★ 最も危険な検索エンジン? 「Shodan」
 ニューヨーク(CNNMoney) 「グーグル検索で見つからないものは誰にも見つけられないと思われがちだが、それは真実ではない」――。インターネットの「闇グーグル」とも呼べる検索エンジン「Shodan」を開発したジョン・マザリー氏はそう話す。
ウェブサイトを巡回して情報を収集するグーグルに対し、Shodanはサーバー、ウェブカメラ、プリンター、ルーターなど、インターネットに接続された機器5億台あまりを巡回して情報を収集する。
 ごく単純な検索でも、Shodanに表示される結果には息をのむ。インターネットに接続された無数の信号機、防犯カメラ、ホームオートメーション機器などが簡単に見つかるほか、親水公園やガソリンスタンド、ホテルのワインクーラー、火葬場などの制御システムも検索できる。
いろいろなことを考える人間がいるものです。情報を制するものは、人を制す。

2013年4月26日金曜日

なぜ、再婚、再々婚はうまくいかないのか

再婚をした女性が、同僚にいます。

彼女から、
「今の夫を愛している!」
という惚気(のろけ)話を聞くことがありません。
むしろ、愚痴ばかり。

「前の夫よりはマシだけれども、今の夫にはイライラする」
「2度目だから新鮮さはないよ。生活のために一緒にいるだけ」

彼女の発言を聞くたびに旦那がかわいそうになります。

「離婚は結婚の数倍のエネルギーがいる」
と聞きます。それだけの苦痛を乗り越えて、それでも再婚した相手なのだから、もっと大切にすればいいのに! と思うのですが……。恋人同士がむつみごとを言いながら気持ちを盛り上げるのと同様に、愚痴を毎日言っていれば気持ちも冷めてしまいます。

離婚したことが後ろめたい彼女は、再び離婚して周囲を裏切ることが怖いため、周囲に期待をもたせないように、予防線を張っているのかもしれないという邪推さえしてしまいます。

初婚に比べて、再婚や再々婚の離婚率が高いのは統計的にも明らかです。アメリカのマーク・バンスキック医学博士によれば、
米国の統計によれば、初婚者が離婚する割合は全体の50%にのぼる。だが、それが再婚の場合は67%、再々婚が破局を迎える割合は、全体の73%の高さにのぼる。
のだそうです。

何故でしょう? 原因の一つとして、離婚することに慣れたことが、まず挙げられるでしょう。一度も経験したことのない悲劇を体験するのは願い下げですが、一度経験すれば、人間変な度胸がついてしまいます。「このままつらい経験をするよりも、離婚して再出発した方がいい」と考えるのは人間の思考の自然の流れといえるでしょう。

バンスキック博士は、2度目以降の結婚が破綻しやすい原因として、人間には同じ過ちを繰り返しやすい特性があることや、女性の生活力の向上により、離婚した後でも女性が生活に困らなくなったことなども挙げています。でも、一番の要因としては、子供の不存在がネックとなっているそうです。
子供は結婚の安定化要因として作用するため、子供がいないことは結婚の不安定要因となる。ほとんどの子供は35歳まで、初婚で生まれるため、再婚では結婚をつなぎとめるための役目を果たすものがないことが多い。
当然といえば当然過ぎる分析ですが、子はカスガイ、とよく言われていることが、大学での研究によって統計的に示された、という事実が大切です。

上記の同僚も、愚痴を言いながら、再婚生活の方が長く、20年以上続いています。それは、再婚してすぐに子供が出来たことが原因だと、彼女も認めています。

再婚相手の愚痴ばかりを言う彼女を見ていると、バツイチの女性、あるいは男性と結婚することにためらいを感じます。統計的に再婚、再々婚者の離婚が多い、ということは、離婚予備軍もまた多いということ。つまり、再婚、再々婚者がパートナーの愚痴を言う割合も多いということになり、周囲に私の同僚と同じような知人がいて、同じような危惧を持つ人もいるかもしれません。

その中には、バツイチの方、あるいはそれ以上の離婚歴のある相手を愛して、これから結婚しようと決めた方々もいるでしょう。

そうと決めたのならば、パートナーに同じ過ちを踏ませないためにも、
「子供を作るのはしんどいから、再婚したら子供はいらない」
などと言う相手をねじ伏せて、子供を作ってしまう方がいいのでしょうね。
再婚の達人―今度は必ずうまくいく!


参考:The High Failure Rate of Second and Third Marriages

2013年4月25日木曜日

閉塞した時代に生きる

半分の月がのぼる空〈上〉
少子高齢化、国際化、IT革命などによって、市場環境が大きく変わり、右肩上がりの時代に波に乗った人々は、自分を時代に合わせることができないことに戸惑いを隠せません。

ライトノベル業界は、つい先日まで、大躍進時代に酔っていました。出版不況の中の数少ないドル箱として、各社が次々に新しいレーベルを立ち上げ、出版社を支えてきていましたが、そのバブルも潰えたようです。

今では大衆文学へと歩を進めた作家が、次のような述懐をしていました。
 五年前、十万部売れていた作品があったとしよう。今なら、よくて五万部くらいかな。三万部かもしれない。来年はもっと減る。再来年もね。三年後は……本になるかどうか、僕には確信が持てない。
 今の日本では、ほぼすべての分野において、市場が縮んでいる。当たり前の話だ。人口が減っているのだから。若い人がどんどん少なくなっている。小説もまた、その宿命から逃れることはできない。
橋本紡氏の『半分の月がのぼる空』は、アニメなどのライトノベルの枠を超えて、テレビドラマ、映画にもなりました。映画には大泉洋が重要な役で出ています。その彼が、「断筆宣言」をしたことで、業界に大きな波紋が広がっているようです。

もっとも、
>>家族を描いた小説は今、まったく売れなくなった。大人を描いた小説は今、まったく売れなくなった。
という後半部分が、彼の述べたい部分でしょうが、本日私が述べるのは、前半の閉塞した時代への彼の諦観についての感想です。

現代は、社会システムが強固です。高齢者が引退せず(ナベツネを見ていれば分かります!)上層部でガッチリと権力を握り、持たざるもの、貧しい者が上へ這い上がる夢を見るのが難しい時代です。こんな時代に反発して戦争を望む者さえ、中にはいます。

★ 「丸山眞男」をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。

戦争、あるいは革命、大きく環境が変化すれば、強固な社会システムから漏れでた人間にも出世する機会がありそうですが、そうでなければ、定められたレールの上をうまく走れればよし、脱輪したり、そもそも機関車の機能が劣っていたりすれば、成功することは叶わない時代にも思えます。

それでも、少しずつ前に進んでいるのならば、成長していることが実感できるのならば、努力を続けられますが、市場が縮小して年々売上が右肩下がりの中では、それも叶わないように思えます。

だからこそ、冒頭の橋下氏のような述懐に共感する人々が多いのでしょう。彼の言葉はたくさんの人にシェアされ、拡散しています。

ただ、私はそうは思いません。ゆるやかに停滞する経済環境の中では、その時代にあった成功の形があるだけだと思うからです。

大躍進、市場が急激に拡大する時代には、岩崎弥太郎や松下幸之助、あるいは孫正義のような大金持ちが現れ、人々はそれを夢見ながら日々を送ります。出版業界ではW村上のような若きスターが突然現れ、数百万部を売り上げたりします。頂上が高ければ、裾野も広いもの。たくさんの山がそびえ立っていれば、さらに裾野が広がります。しかし、今は頂上が下がり、山も崩れゆく時代です。

成長時代の波に乗った人が、停滞時代に
「同じ方法でうまくいかない」
「私よりも年齢の高い世代がうまくいっていた方法が、私がその年になった時にうまくいかない」
と言うのに、共感の溜息をつきそうになります。

でも、歴史を紐解いてみてください。日本史を見るだけでも、同じような停滞した時代はこれまでも何度も訪れています。その中で生きることは坂の上の雲を望むような明るさこそありませんし、偉人がキラ星のように活躍することもないでしょう。

ですが、イブシ銀のような人々が工夫をしながらどん底から這い上がり、破滅的な環境を改善しながら、停滞したほの暗い中で無数の灯台となって、落ちていく人々を地道に救い上げていく姿を観ることができるものです。

たとえば江戸時代末期など、どうでしょうか。農産物の生産高はあまり上がらず、飢饉がいくども発生し、人口は増えたり減ったりを繰り返していました。幕府の支配は絶対的であり、封建制度は打ち崩せず、黒船がやってくるまでは、未来永劫徳川幕府が続くことを、疑う者はいませんでした。

この時代に活躍した人に、二宮尊徳という人がいます。停滞した時代の彼の生き方が、とても参考になります。

彼の出発は悲惨です。天明7年(1787)に今の小田原市に生まれた彼は、5歳でその地を襲った大洪水のために土地も家屋も失い、困窮の中で幼少期を送ります。父は病弱で酒に溺れていましたが、やがて亡くなりました。二宮尊徳が14歳の時です。

一家はさらに困窮の底に沈みました。時代も悪い。生まれた時の天明の大飢饉の余波がいつまでも彼を苦しめました。

が、尊徳はひたすら、できることを始めます。努力と工夫を重ねて日々の糧を稼ぎながら副業に手を染めます。そこには大向うをうならせるような派手さはありません。日々のエピソードを聞いても、公有地に麦を蒔いて収穫しただとか、自分ですべてを行おうとせずに開拓した土地を少しずつ他人に貸して少しずつ地所を広げていったとか、そんな地味な努力ばかり。

彼は地味なのです。だから、名前が知られているわりにはドラマや映画になることもほとんどありませんでした。当たり前のこと、彼にできることをひたすらやり続けるだけです。でも、20歳になるまでには失った土地や家屋を取り戻し、一家を再興しました。

その手腕が見込まれて、彼は関東一円を経済コンサルタントとして、指導して回ります。歴史的に検証しても、彼の手腕にケレン味はありません。でも、その成果が甚大なることは、彼が指導をして復興を果たした神奈川から静岡にかけて、今でも彼の業績を語り継いでいることからも分かります。

尊徳の手法は理にかなった方法でした。その土地で収穫可能な生産高を10年間の年貢記録をもとに割り出し、それをもとに年貢高を定め、領主と交渉します。その一方で住民には開拓を勧めて増収を奨励。結果、領主は確実な年貢収入を徴収でき、農民の生活にも余裕ができます。

人のモチベーションの上げ方もうまいのです。監視者の眼の行き届かないところでサボる人間を叱責する一方で、眼の届かない所でも骨惜しみをしないで働く人間ならば、たとえ生産量が少なくとも褒めあげます。何を褒めて何を叱るのか、明確な指導方針が人々を変えていくのです。

橋本紡氏の半生を読みますと、女性のヒモとして生きながら暇にあかせて書いた作品が賞を取り、その後出した本が次々に売れた結果成功したようです。確かにそのような飛躍は、停滞した市場では難しいかもしれません。でも、当たり前のことを当たり前にやりつつ、創意工夫を凝らしていくことで、人生はいくらでも切り開けるものでしょう。

市場が拡大した時代、あるいはバブル時代を懐かしむ人々の慨嘆に共感するよりも、市場が縮小した時代に活躍した人々の歩みをたどりながら、己のなすべき道を模索することの方が、より建設的です。


2013年4月24日水曜日

最近気になった記事 4/24

最近ネットを散策していて気になった記事のご紹介です。

★ 寝ても寝ても眠い人の6つの特徴と対策!
【1】寝る直前にテレビを見たり、PCや携帯をいじっている
【2】「あと5分、10分・・・」と二度寝する
【3】夕食のとり方が悪い(食事の時間が遅い、食べすぎ等)
【4】運動不足で全身の筋肉が固くなりがち
【5】「とにかくやらなきゃ!」という頑張り屋・向上心が強い
【6】寝ても寝ても眠いからと睡眠時間をとりすぎている
のだそうです。二度目は明日からやめます。

★ 「模倣」を忘れて凋落した日本の電機産業
「これからは日本人が創造する時代」というフレーズはよく聞きましたが、筆者によれば……というよりも、筆者が紹介しているシェンカーの著書によれば、それは大きな間違いであるとのこと。むしろ成功者とは大いなる模倣者のことなのだそうです。ところが彼らが後発組を非難する時に「模倣者」を非難するうちに、模倣をすることができなくなり、それが凋落の一因となるのだとか。

著者の湯之上隆氏は、シェンカーがまとめた、模倣で成功した企業の5つの共通点とプロセスを紹介しています。
(1)模倣の心構えを万全とする
 模倣は悪いことだという考えを改め、模倣にしっかり向き合う。「かつて日本は世界一だった」という奢りは百害あって一利なし。学ぶ態度は謙虚に。
(2)模倣対象を参照する
 意外なお手本を探すことが大切。米国のスーパーマーケットの仕組みにヒントを得たトヨタの「ジャストインタイム」、牛丼の吉野家を見て「取り扱う荷物の絞り込み」のアイデアを得たクロネコヤマトの宅急便など。
(3)情報を探索し、標定し、選択する
 過去の自分の経験で判断すると失敗する。最初は完全な模倣(デッドコピー)から。ニトリ創業者の似鳥氏は、良いと思ったものはすべて丸呑みにして徹底的に模倣することが大切と言ったとか。
(4)対象の脈絡を理解して深く潜り込む
 模倣した製品の設計思想や脈絡を理解する。さまざまな部品と全体システムの関係、構造、目に見えない相互作用まで解読すれば猿真似に終わらない。似鳥氏曰く「まず山があって森がある。森をつくって木をつくって枝と葉っぱとなる。そういう順序を心得ないと成功しない」。
(5)自らに適用し、実践する
 以上のプロセスをもとにして、自らの技術、製品、ビジネスモデルへと発展させることが必要。
メモメモ。今日本人が真似するとしたら、Googleでしょうか。たった一人で「日本版Googleを作る」というプロジェクトを始めていただければ、このブログでも紹介しますので、是非お知らせください。

★ 第2回 柔道事故勉強会 ~軽視される子どもたちの《命》~ (前)
柔道界もどうしようもありませんね。体育教師といえば、昔から運動しかできない頭の悪い人間がなるものと相場が決まっていますが、彼らのいい加減な指導のせいで、これまで100人以上の生徒が生命を落としています。体育教師に、もっともっと研修を受けさせねば。その日の部活は一時中止でいいではありませんか。

★ ダラダラ、ゴロゴロ大好き 怠惰は遺伝すると判明
ダラダラすることが日常となっているみなさん、それはいでんしのせいです。仕方ないんです……などと言い訳に使えそうです。

★ 胸が垂れる原因はブラジャーだった!?
仏フランシュ=コンテ大学の科学者Jean-Denis Rouillon氏によれば、ブラジャーは女性のカラダを美しくするどころか、かなり悪影響を与えているそう。15年に渡りさまざまなバストサイズの女性130人にノーブラ体験をしてもらった同氏の調査では、ブラジャーを着けていようがいまいが日常生活に支障はなく、むしろノーブラの方がバストの形をキレイに保て、腰痛も防げることが判明。
腰痛で苦しむ女性が多いのは、ブラジャーのせいかもしれません。トリンプやワコールの反論を待ちたいところです。

★ これが、どんなに努力しても埋めまられない差か…
でかいです。子供のころ、相撲取りの手を見たことがありますが、父の手に比べてもはるかに巨大な大きさに目を丸くしました。この手はさらにその上をいきますね。指の一本一本がとんでもなく太いです。

★ 公園の除草はヤギにお任せ…費用は人の半分
合鴨農法と似た取り組みですね。下草が繁殖して困っている地域がたくさんあるので、そういう場所にヤギを放牧して、その後ヤギ肉を頂くというのは、試みとしてありだと思います。問題は、ヤギを逃がさないようにすることだけです。ヤギの跳躍力は馬鹿になりませんからね。

★ プロ論! 林修編
これはいい記事です。旬の人は語る内容が違います。東大を出た後、めちゃくちゃな人生を歩んでいるところがいいですね。

2013年4月23日火曜日

お知らせ ブログの増設

このブログをiPhoneで表示させた際、YouTubeが表示されない不具合に最近、気づきました。

調べたところ、もともとiPhoneやiPadのOSであるSafariでは、<iframe>というタグを使うと不具合が生じていたそうですが、その対策をアップルがとった結果、今度は<object>というタグがデフォルトではなくなり、これまでの方法ではYouTubeがiPhoneでは見られなくなったのだそうです(意味が分からない人はスルーしてください)。

★ ブログを始めたばかりの方へ、YouTube の動画をブログに貼り付ける方法

このブログを書いているBloggerのサービスには、上記のような不具合がたびたび発生し、その対策が遅いので、いい加減うんざりしています。

たぶん、Googleにとってはそれほど重要なサービスではないのかも。数多くのブログサービスがある中で、自分のところのサービスばかりかわいがっていては、公平性という点で問題があり、Googleへの鬱憤が貯まる遠因となります。そこで、Googleの戦略のなかでも重要度の低いサービスには、あまり手をかけない方針なのかもしれません。

他のサービスはお互いにトラックバックやコメント、ブックマークをやり取りすることで、認知度を高めることができますが、BloggerはGoogle+に入っていないと、それができません。私のように、ブログは匿名で更新していきたい人間にとっては、Google+という実名本位のサービスへの加入はためらいがあります。

もっとも、いい点も多いのです。SEO対策していないのに、検索でいつも上位に表示していただいているとか、シンプルで堅牢なシステムだとか……。他のシステムを使っていないのでなんともいえませんが、1年も経ち、情も湧いているので、とりあえずBloggerを辞めるつもりはありません。

ただ、現在のブログの記事の内容が雑多なため、まとまりがつかなくなってきました。
「これを読みたいから、このサイトに立ち寄る!」
という意欲を、読者にお渡しできていないのではない懸念があります。それに、毎日更新する文章があまりに長いと、読むのが面倒になってしまいますよね。

そこで、ちょいと方向転換。

こちらのブログは、あくまで気軽に読める面白ニュースなどのネタを中心とした記事を書くことにして、ニュースに対する感想や雑感などは、別のブログへまとめることにしました。


今日一つ、記事を上げました。今後は、「思考のジャイロスコープ」を更新した日は、アマカナタでもご紹介しまして、その日はこのブログをお休みしようと思っています。

2013年4月22日月曜日

回転(下) 高速で回るものは安定する

私がこの精密コマのことを知ったのは、一年ほど前です。


★ コマ大戦で優勝した由紀精密製のコマは3分以上も静かに高速回転可能

ギガジンの記事で知りまして早速欲しくなり、購入しました。アマゾンでは4,000円近くするのに、会社のサイトを経由して購入すれば、送料込みでも千円ほど。圧倒的にお得です。

久々に見たコマ販売サイトでは、新しい商品も登場、風変わりなコマが販売されています。これも面白そうですね。
回してみますと分かりますが、3分間のうち調子の乗ってきた中盤以降、微動だにしなくなります。滑らかな床の上では音もなく、動きもなく、まるで静止しているかのようです。

昨日、コマには精神をトランス状態へと誘うことができるのではないか、という記事を書きましたけれども、このコマは、瞑想の導入にも使えます。

コマを見つめていると、精神がおちついて来ます。かすかに聞こえる接地面との摩擦音(床が凸凹している場合にかぎります)に耳を澄ませ、コマを見つめていく内に、心は穏やかになっていくことでしょう。

「コマが回っているのはたった3分間でしょ。そんな瞑想に意味があるの?」

と思われた方もいるかもしれませんが、瞑想というものは何分間しなくてはいけない、というものではなく、短いならば短いなりにそれなりの効果があります。
なまけ者の3分間瞑想法

忙しい現代人にとっては、毎日数時間、禅僧や修道僧のように瞑想のための時間を取ることはできないでしょう。

それに、効果がわからない初めのうちは、に数時間も座るのはムダに思えます。

まずは3分間の瞑想にチャレンジすればいいと思うのです。それを毎日続けた時に、瞑想の素晴らしさを感じることでしょう。その導入として、この精密コマが助けになるかもしれません。

それに、コマのあり方自体が、瞑想をする上でのイメージに役立ちます。これを例える上で、なにかいい言葉はないだろうか、と検索してみたところ、まさに、そのものズバリ、の言葉がありました。
思考はまるで動き回っている独楽(こま)のようなものだ。
「独楽を止めなさい」と言われても、独楽の回転をとめて独楽を倒してはいけない。
それでは睡眠になってしまう。
確かに思考は消えるが、それを見守る自分も消えてしまう。
自分は覚めていなければならない。
独楽の動きを正しく止めるには、独楽の回転を速くして、あたかも一点で静止しているような止め方をしなければならない。
独楽は一点で立ったまま止まる。(宝彩有菜の「瞑想の真髄」より
「高速に回転するものは安定する」
というのは、ジャイロ効果のような物理法則みならず、人生の何かを指し示しているようにも思います。同じ所を回っていて、前に進まないように見えても、それは決して動かないことではありません。高速回転をすることで、安定し、人々の注意を引き寄せ、決して倒れることがない……。

今、同じところで堂々巡りをしている焦燥感に囚われている人がいたとしたら、いかがでしょう? 自分はその場で唸りをあげて回るコマなのだ、という自己イメージを持たれては?

人生に悩んでいる人に、コマのあり方は様々な示唆を与えてくれます。

2013年4月21日日曜日

回転(中) 女性を口説く、知られていない方法

映画「インセプション」をまだ御覧になっていない方は、内容に少し触れているため、本日の記事を読むのは少しご注意ください。「インセプション」という映画は大変面白いものでして、世界中で大ヒットしました。渡辺謙やレオナルド・デカプリオが出演したために、日本でも大きく話題になりましたね。

ただ、単なるCGがスゴイ映画かといえば、さにあらず。ハラハラワクワクする面白さだけではなく、深く考えさせる映画でした。記憶にいつまでも引っかかる、印象的な映画でもあります。
自分自身の「存在」についての映画です。我々個人が認識している世界は果たして現実なのだろうか。もしかしたら、別次元のなにかに見せられているだけなのかもしれない。このテーマについて問う映画は「バニラスカイ」「マトリックス」を代表にはたくさんあります。物語中盤から主人公の心情も理解できるようになり、そうなるとインセプションの世界に吸い込まれていきます。非常によくできた作品だと思います。(Amazonレビューより)
私にとってもこの映画は、深く記憶に残りました。日常の中で、時々この映画のことをふと思い出すことがあります。人間の深層心理に分け入って、そこに潜む記憶、トラウマを探っていくことで見えるもの、他者の介入によって書き換えられる記憶……人間の心理とは何か、記憶とは何か、その曖昧さ、美しさ、脆さなどについて、思いを馳せます。

不思議な雰囲気を持つ、最後に深い感動を与えてくれる映画です。

この映画は日本の「パプリカ」から影響を受けたそうですが、私はまだ観ていません。


ところで「インセプション」の中では、コマの回るシーンがとても印象的でした。

ややネタバレになります。

他人の潜在意識に入るサイコ・ダイバーたちは、夢の中へ侵入するうちに、次第に今いるのが夢なのか現実なのか分からなくなります。それを防ぐための小さな道具を、一人ひとりが持つように義務付けられています。それはサイコロだったり、チェスの駒だったりします。

主人公のドム・コブ(デカプリオ)のそれは、コマでした。

夢の中では、コマはいつまでも回り続けますが、現実では必ず倒れます。

思えばコマというものは面白いものです。地上に一点のみで接し、微動だにしないその姿は、回転している間は現実からかけはなれていて、つかの間の白昼夢を見ているようです。ところが、やがて重力という現実にとらわれて、コマは倒れます。夢はいつか醒めるものという現実がそこにあるkのようです。

「インセプション」監督は、このような寓意をコマに見出したのかもしれません。

ところで、映画の小道具として使われたこのコマを、以前バーで回していた人がいました。

映画好きだというカウンターレディーに、客の1人が、「インセプション」の話を始めました。お互いにあの映画は面白かった、という会話で盛り上がった後、やおらその客はポケットからこのコマを取り出しました。

「僕は、あの映画を観て、気になってさ。このコマを買ったんだ。そして、ときおりこうして回す。(テーブルの上で回し始める)。不安定なはずなのに、奇跡的にバランスをとって回る姿が面白くてね……。回すうちに、ストレスを忘れるんだ」

カッコいいなぁと思いながら横目でその客を眺めていましたが。ふと目を上げると、カウンターレディーの客を見る目が、違うのです。まるで、何かに陶酔したような、トロンとした目つき。そのあと、2人はやけに親密になり、2人でどこか別の場所で会おうよ、という密談を始めたのです。

数日後に再訪した時、2人はできたらしい、という噂を他の店員から聞きました。この日のことが、2人を結んだキッカケになったのかもしれません。

コマには、観る人を催眠状態にする効果があるのではないでしょうか。コマのような回転するものを見つめると、人は催眠状態(トランス状態)へと容易に導かれて、そして、その時に言われた言葉は、被催眠者の心の奥底へと吸い込まれていく……。

ありえないことではありません。催眠術をかけるとき、術者は被催眠者の目の前で指を回すじゃありませんか。回るものを見つめると、人は簡単なトランス状態へ導かれてしまうのは、みなさんご存知でしょう。
人間は催眠状態になると、お酒に酔ったような状態となります。陶酔へと導かれ、判断力が弱まり、心の壁が取り除かれるのです。回るコマを見てもらいながら意中の女性を口説く、という方法は、大変理にかなったものといえるでしょう。

ちなみに、催眠状態に導かれて意志力が弱まるのは、女性に限りません。男性だって同じですし、口説くためではなく、お子さんを叱るときにもこの方法が有効かもしれません。コマを回し、一緒に見つめつつ、子供を叱るのです。普段は反抗ばかりするお子さんが、素直に親の言うことを聞いてくれるかもしれません。

こんなことを書いているのは、ここのブログしかないと思いますよ。あまり知られていない今がチャンス。映画の話に持ち込んで、「インセプション」の話をしながら、コマを回して、そして口説く。この方法を、是非、試してみてください。

……さて、どうせ回すならば、すぐに倒れるコマではいけません。上記のコマは、映画の小道具と同じ、という点が長所ですが、もしもコマ自体の催眠効果で何かを成そうというのならば、もう少し長く回せるコマの方がいいでしょう。

そんな時にお勧めするのが、この「精密コマ」です。


(明日に続く)

2013年4月20日土曜日

回転(上) ジャイロスコープというもの

ジャイロスコープという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
漢語で書くと「陀螺儀」(ダラギ)。高速で回転するものは安定する、という科学的法則を使った道具のことです。

百聞は一見に如かず。ジャイロスコープの不思議な動きがよく分かる映像をご覧ください。
★ オランダの物理学者によるわかりやすい「ジャイロ効果」の説明

高速で回転する車輪は非常に安定しているため、車軸の一端だけを紐で吊り下げているにも関わらず、バランスを崩さずに空中の同じ場所にあり続けようとします。

ジャイロ効果と呼ばれているこの不思議な法則を利用して、撮影者の手ブレが撮影に影響を与えないハンディビデオカメラなどが作られています。

不思議だ、不思議だ、と思いながら関連動画を観るうちに、ジャイロ効果を応用したおもちゃが欲しくなりました。
 
「地球ゴマ」という玩具は、なんと大正10年(1921)からあるおもちゃだそうです。精密で頑丈なところが評価を受け、世界中に輸出されています。

ネットで手軽にこの玩具を手に入れられます。便利な時代です。

【地球ゴマAタイプ】


Amazonには同じ商品名、「タイガー商会」のものでありながら、もっと安いものもあります。ところが、安い商品の評価はあまりよろしくありません。

【地球ゴマA】

懐かしい商品、子供に見せたくて買いましたが昔持っていた頃のものより回っている時間が短いように思います。回転中に軸の横揺れが大きいようなので調整してみようと思います。もう少し小さいサイズを選んでもよかったかも。付属品の地球ごまを乗せるプタスチックの台は古くなっていて崩壊寸前。重さに耐えるかどうか。。。
タイガー商会の地球ゴマは、以前TVコマーシャルの効果もあり、子どもたちの間で大ブームとなったそうです。もしかするとその頃に出回ってた粗悪な模倣品が、いま、中古品として出回っているのかもしれませんね。箱もなんだか安っぽそうですし。買うのならば、多少値が張ってもいいものを選びたいです。

そういえば、昔ハイパーヨーヨーというものがありました。あれもまた、ジャイロ効果を利用したものなのでしょう。ハイパーヨーヨーはヨーヨーを空回りさせることで、普通のヨーヨーには出来ない動きが可能となります。

高速で回転するものは安定するという原理は昔から知られていました。普通のコマが、そもそもこの法則を応用したものなのですね。

私はコマが回っているのを見るのが好きです。魅力を感じるようになったのは、映画「インセプション」を観たのがきっかけでした。

(明日に続く)

2013年4月19日金曜日

富士通研究所の発表したインターフェイスがまるでSF

タッチパネル操作に慣れると、紙の資料を使うことにイライラすること、ありませんか。

「この部分をコピペして……あ、紙だから無理か」

iPhoneやiPad、あるいはその他スマートフォンのようなタッチパネルでは当たり前のようにできる操作が、紙ではできません。こうして、人々が次第に紙無用論へと傾くのも無理はありません。便利なものに慣れると、不便に満足出来なくなるのが人間の性だからです。

そんな皆様にとっての朗報です。すべての人類が驚くような製品が富士通研究所から発表されました。

大袈裟? いえ、下の動画を観れば、決して大袈裟ではないことが分かってもらえるはずです。

凄い!!

まさに夢の技術です。SFの世界では、現実とインターネットとの融合はメジャーなテーマですが、まだ時代はそこまで進んでいません。現実の世界とインターネット上のデータとは、まだ隔絶しているのが現状です。

でも、このユーザーインターフェイスは時代を飛び越えています。人類が求めてやまなかった未来が現実化しています。紙のデータがすぐにネット上に移動し、ネット上のデータがすぐに台の上へ投影されます。

私がこの動画の中で最も感動したのは、取り込まれた画像が台に貼り付けられているシーン。現実を疑いそうな、画像です。このような夢のような技術が来年には製品化して、これからオフィスに当たり前のように並ぶのです。

私たちは今、夢のような時代にいます。この時代に生きることが出来たことに、感謝。

ただ、科学技術がいくら進歩しても、社会システムはあまり進歩しませんね。ボストン爆破テロ事件などなど、むごたらしい事故を見るにつけ、この矛盾を痛感します。ただ、これもまた、昔からSFが予言しているとおりです。

★ 指で直観的に操作可能な次世代ユーザーインターフェースを開発

2013年4月18日木曜日

あまり知られていない世界の名所10

たとえば、青ヶ島という島があります。
山の中に山がある、という珍しい形状をしています。まるでおとぎ話の舞台のような珍しい島が、首都行政下にあるのをご存知ない方も多いはずです。

世界にはまだまだ知られていない美しい場所、建造物があるものです。本日ご紹介するのは、上記の青ヶ島にも勝るとも劣らない、あまり知られていない驚くべき10の観光スポットです。


10 バナウエ(フィリピン)
棚田は、見ているだけでため息が出るほど美しいものです。特にフィリピンのバナウエの棚田は、山頂までいくつもの田んぼが連なり、その数は2000にものぼるため、まさに圧巻です。

9 シギリヤ(スリ·ランカ)
スリランカの中央、マータレーにあるシギリヤは、「ライオンの岩」の意味を持つ巨大な岩を要塞化した王宮跡です。この岩を水路や庭園、貯蔵施設などの都市遺構が取り囲んでいます。シギリヤのカッサパ王(AD 477~495)の治世中に建設されました。

8 ヘラクレスの塔(スペイン)
ヘラクレスの塔は、スペイン西北部のガリシア州のア・コルーニャ県の県都から2.4キロメートル離れた場所にあります。55メートルの高さで、スペイン北部の大西洋岸ににらみをきかせており、その殺風景な場所から「世界の終わりの地」などと称されることもあります。
ローマ時代から使用されており、約1900年間、この地で活躍してきました。1791年に修復され、いまだに現役です。当時のローマの建築技術の高さを物語っています。




7 トルン(ポーランド)
トルンはポーランド中北部にある工業都市で、ヴィスワ川のほとりに位置しています。交通の要所にあったため、ドイツ騎士団によって、つづいてフランシスコ会やドミニコ会によって治められてきました。ハンザ同盟に加わり、中世の貿易の中心地として栄えました。ポーランドの宝石と呼ばれることもあります。

6 アジャンタ石窟群(インド)
2世紀から5世紀にかけて精緻にきざまれた彫刻が連なるこの石窟寺院のことを、世界史で習った人は多いでしょう。1300年もの間人が立ち入らなくなったために、ジャングルの奥深くで眠っていた寺院をイギリス人が発見されたのは、1819年の春のことでした。彼の名は、スミス大尉。壁に鉛筆で書いた名前と「1819年4月」という文字が、今も石窟の入り口の残っています。

5 花の谷(インド)
ヒマラヤの渓谷にある「花の谷」は息を呑むほど美しく、1982年に国立公園となった「ナンダ・デヴィ国立公園」の中でもっとも人気のあるスポットです。数百の異なる美しい花で彩られた花の谷は、世界遺産に登録されています。地元の人はそこに妖精が住んでいると噂していました。

4 メテオラ(ギリシャ)
メテオラとは "浮遊石"の意味であり、砂岩の岩の柱の上に構築されたギリシャ東方正教会の中でも最大規模を誇る修道院群です。人里離れ、よほどの覚悟がないと到達できない地形は、俗世間から離れた場所で祈りと瞑想に一生を費やしたいと願う修道士にとって理想の環境でした。ところが近年は観光地化が進み、修道士が次々にこの地を離脱しているというのは歴史の皮肉でしょう。

3 バガン(ミャンマー)
バガンは、ミャンマーのマンダレー管区にある古代都市です。歴史上の重要な建築物群であるにもかかわらず、ユネスコはバガンを世界遺産として認めていません。なぜならミャンマーを支配する軍事政権(SPDC)が、現代の粗雑な素材で古代の仏塔、寺院や建物を復元したり、近くにゴルフコースを建設するなどの暴挙に出ているためです。それでも、この地が美しい場所であることに変わりはありません。

2 レプティス·マグナ(リビア)
レプティス·マグナは、リビアの首都であるトリポリの東130キロに位置しています。ローマ帝国中でも有数の規模を誇る都市であり、本家ローマに勝るとも劣らない遺跡の宝庫です。ローマのかつてのライバル・カルタゴの都市として栄え、のちにローマに編入されましたが、やがて侵入したゲルマン族の王・ガイセリックによって、都市機構の多くを破壊されてしまい、その後往年の輝きを取り戻すことはありませんでした。





1 ケルスス図書館(トルコ)
トルコにあるケルスス図書館跡は、セルシウス図書館とも呼ばれており、ローマ時代に12,000巻もの本を収納していた巨大な建築物でした。正面の門には「知恵」「運命」「学問」「美徳」を表す彫像が置かれていました。今はレプリカがそこに置かれており、本物はウィーン美術館に鎮座しています。遺跡はいわば巨大な廃墟であり、想像力、知識、興味がなければそこに何の意味も見いだせません。しかし、知識への敬意があるならば、古代ローマ人が、どれだけの情熱を知識の収集にかけていたのかを、この場所で感じることができるに違いありません。



参考:10 Wonders of the World You Don’t Know

2013年4月17日水曜日

イタズラ写真

友達同士、ポーズを決めて写真を撮って、現像してみると思いもかけないものが写っていて呆気にとられるなんてこと、ありますよね。

後で現像して、思わず舌打ちをするハメになります。
オーランド・ブルームとミランダ・カーの写真を取ろうとしたら、後ろで邪魔するジェシー・タイラー・ファーガソンです。
("ポーズを決めたミランダ・カーとオーランド・ブルームの後ろに邪魔者侵入で写真が台無しに"より)

ところが子どもや動物には、罪はありません。例えばこんな写真。
決めポーズが、後ろのインパクトのある子供のせいで台無しになっています。でも、これは子供のせいではありません。子供はそこにいるだけですから。

子どもや動物には責任はないはずなのですが……でも……こんな態度を取られた時に、果たして彼に責任がないと、言えるでしょうか。

あ、後ろに!

(俺、なんにもしていないもんね)

女性にどことなく似たサルと、気配を察知して振り向く女性、そしてとぼけるサル。

こんな写真を見ていると、サルに人間並みの知能がないとは思えませんね。

★ "Cum a putut sa-si bata joc de mine." Aparitia din fotografia facuta de aceasta femeie la Zoo より


2013年4月16日火曜日

臭い食べ物(動画) トップ10

時々テレビで「臭い食べ物ランキング トップ10」という特集が組まれることがあります。だいたいその元ネタは、小泉武夫の『発酵は力なり―食と人類の知恵』(NHKライブラリー)です。

これをもとに作られたテレビの影響もあってか、世の中で一番臭い食べ物はノルウェーの缶詰「シュール・ストレミング」ということをご存知の人も多いはずです。

ただ「臭い食べ物を食べてみたい」という興味本位の人は多くとも、愛好者を生むまでにはいたっておらず、海外の臭い食べ物がスーパーの商品棚に並ぶことは滅多になく、まだまだ、世界でも有数の臭い食べ物は、想像の域にあります。

ただ、今はインターネットで簡単に海外の食材が手に入るようになりました。挑戦者たちは、今も日本各地のどこかで、この臭い食べ物を実際に食べています。彼らがどのように臭い食べ物を受容しているのかを、ご紹介したいと思います。

2013年4月15日月曜日

英語の勉強はしない方がいいとか

日本人の9割に英語はいらない
マイクロソフト株式会社日本法人の元社長に成毛眞(なるけまこと)という人物がいます。Windowsの黎明期を支えた立志伝中の人物です。

その彼が『日本人の9割に英語はいらない』という刺激的なタイトルの本を出しています。帯には、
「英語ができてもバカはバカ」
という人を喰った煽り文句が書かれていました。

その主張を端的に言えば、
「英語はコミュニケーションの手段であり、道具である。それなのに日本人は、英語でコミュニケーションをとる必要がない人まで、多大な時間とお金をかけて学ぼうとする。これはムダであり、意味がない」
というものです。

本当にそうでしょうか。

英語自体を日常生活で使う必要はないでしょうが、今では「英語を使える」かどうかが、就職活動などで人材を選別する一つの手段となっています。それに、海外との取引も年々増えていきます。英語が必要と思ってもいなかった企業で、ある時を境に英語を社員が使えることを求められるようになります。その流れは今後強まることはあっても弱まることはないように思います。その時に、
「年をとっているから英語がわかりません」
と言っても、使い物とならなりません。

似たようなことが以前ありました。キーボードを見ずに両手で操作するタッチタイピング。ワープロ黎明期にワープロを使いこなしていたのは女性が主だったので、
「あんなのは女性がやることだ」
といって全く興味を示さなかった人が、今の50代以上の男性にはたくさんいます。

彼らがもしもあの時にタッチタイピングを習っていたら、年齢を超越してチャットを楽しみ、今のIT社会の恩恵を十分に享受していたはずなのに、iPadの操作すら苦手意識を持つ人が大勢いるのが事実。定年後の余暇を費やすのに最適なシステムを使いこなせないのはもったいないと思うのですが、どうでしょうか。

英語に話を戻します。そもそも世界が狭くなったのはインターネットのお陰です。世界中の人々がいつでもどこでもコミュニケーションを取れるように世界を変えた責任の一端を担っている成毛眞からそんなことを言われてもねえ、と戸惑うばかりですが、それを狙ってのタイトルなのでしょう。
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かつて谷本真由美という経営コンサルタントが「キャリアポルノ」という概念を提唱しました。成功者の語る自分のキャリアは、ポルノと一緒で、それを見て興奮してもしょうがない、絵空事だ、という意味でしょうが、成毛眞という人物は、まさにこのキャリアポルノの体現者です。金持ちとなった彼には、歯車たちが何を必要としているのか、わからなくなっているのでしょう。

幸運の持ち主は、えてしてその幸運を、自分の判断力の結果だとおもいたがります。自分の能力のせいで幸運を引き寄せたのだと思いたがるのです。でも、マイクロソフトという超優良企業に、まだ知名度の薄いころに入社してその発展とともに歩み、社長へと駆け上がるなんてごくごく稀なケースです。宝くじに当たるよりも難しいことかもしれません。そんな幸運児の主張を聞いてもあまり意味はないように思えます。

彼のような「素晴らしい」人物の御託宣に惑わされると、人生を損することが、案外あるものです。

2013年4月14日日曜日

2012年ベストセラーになった実用書トップ10(5~1)

さて、紀伊国屋書店が発表した2012年のベストセラーランキングから、実用書を抜き出して、紹介する昨日の記事の続きです。

5位『実はスゴイ!大人のラジオ体操』
(著者:中村格子 秋山エリカ/出版社:講談社)
DVD付き 実はスゴイ! 大人のラジオ体操 (講談社の実用BOOK)   
一時期、ラジオ体操がかなり批判されていたことがあります。
「あんなに弾みをつけて動いていると、筋を痛めるだけ!」
「あんな運動量じゃ、時間の無駄。運動しない方がマシ」
などなど。こういった批判にめげずに、何十年もラジオ体操を推し進めてきたNHKに、どうやら春がきた模様です。
ラジオ体操を行っている両親のために購入したのですが、一緒に試してみたら、コレが意外と良かった!
ラジオ体操なんて生ぬるいと思っていましたが意識して動かす事で、なるほど、健康維持にはとてもいい体操だと思いました。
時間を取られるものだと続きませんが、これなら朝3分で出来ますし、子供の時から馴染みのある音楽だけに、ちょっぴり癒されますね。(Amazonカスタマーレビューより
ラジオ体操は1925年、アメリカのメトロポリタン生命保険が顧客の健康促進(それによって保険料の支払額を減らそうという遠謀深慮)のために開発されたラジオ放送による徒手体操がもととなっていますが、なぜそれが日本に取り入れられたかというと、この番組の聴取地域の死亡率が激減したという結果が報告されたからです。実際に効果があるから、これだけ長く続いているのです。


4位『大往生したけりゃ医療とかかわるな―「自然死」のすすめ』
(著者:中村仁一/出版社:幻冬舎)
大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)   
昨今、「ガンを治療するな!」という声が医療関係者の声が、よく上がるようになりました。ガン治療は苦痛の程度がはなはだしい上に、手術しても失敗する可能性が高く、その上治療費が膨大なものとなるために、患者、家族すべてに苦痛を強いられるものです。

それでも患者が「生きたい!」と考えるならば手術をうけさせるべきですが、患者の声は、医者によってうまく誘導された、なかば強制されたものであることが多いのも、また事実なのです。

病院という閉鎖空間で、医者以外に頼るものもなく、医者の倫理観を述べられたら、肯定せざるをえません。特に医者などは、普段から崇め奉られる人々が多いため、患者からの異議申立てをされると途端に感情的になって治療への情熱を失うようなバカも多いのです。

しかも、医療倫理は医者の都合に合わせた価値観で塗り固められており、「医者不要論」とは整合性がありません。

そこに風穴を開けようとする著者の心意気や、よし。Amazonのカスタマーレビューでも、
<食べないから死ぬのではなく死ぬ時」が来たから食べないのだ>
そうか、そうだったのか!
この言葉を3年前に聞きたかった
それまで食欲旺盛だった97歳の母が徐々に食事が取れなくなりました
私は
食べないと元気にならない、食べないと病気も治らない
そう思って母の口をこじ開けて、スプーンを押し込んでいました
母の為に・・と思ってしたことが実は母には拷問だったのですね
私が犯した行為は、母が亡くなって3年たた今でもトゲのように胸に刺さっています
などの、遺族たちの慟哭が数多く寄せられています。


3位『寝るだけ!骨盤枕ダイエット』
(著者:福辻鋭記/出版社:学研パブリッシング)
寝るだけ! 骨盤枕ダイエット (ヒットムックダイエットカロリーシリーズ)  
内容に関しては大変よい、というものが多いのですが、付属で付いている空気でふくらませる枕の質の悪さが悪評を買っている模様です。
本自体の内容はすごくよくて、枕もバスタオル2枚を重ねて50cmくらいの幅でキツめに巻いて10cmくらいの直径にして荷造りヒモでぐるぐる巻いて作ればいいだけなんだけどこれだけ付録の枕がもろいんだから、タオルでの枕の作り方も本の中に併記しておいてほしかったなと思いました。(Amazonカスタマーレビューより
という読者の恨みつらみを読むにつけ、もう少しなんとかならんもんだろうかと思っいますね。


2位『置かれた場所で咲きなさい』
(著者:渡辺和子/出版社:幻冬舎)
置かれた場所で咲きなさい   
岡山県にあるノートルダム清心女子大学の元大学学長。現在はノートルダム清心学園理事長を勤める著者の書いた本が、ベストセラーとなっていました。

彼女の父である日本陸軍中将の渡辺錠太郎は、二・二六事件で、43発の銃弾を受けて絶命したのですが、9歳の著者は、それを目の前で見るという異常な体験をしました。

それが遠因となり、洗礼を受けてシスターとなった彼女は、諦観に似た覚悟で数十年の間生き続け、ようやくたどり着いた境地を、本へとしたためました。マザー・テレサ来日時には通訳も勤めた才媛です。
「どうして咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんなに無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。」私はこの本に書かれた素敵な多くの言葉に涙し、自分自身を見失っていた事に気づくことが出来ました。(Amazonカスタマーレビューより
ただ、どうも著者自身、修道院という狭い世界で活躍した方のために、根本的なところが抜けているようです。
自分は学長だから生徒には自分からは絶対に挨拶しなかったという。しかも生徒の1人が自殺した時も学長である自分を責めることなど皆目なく、ただ悲しかったとしか書いていない。シスターであるよりも人間として最低。挨拶は改めてたらしいがそんな事は当たり前。 (Amazonカスタマーレビューより
修道女や坊主などをむやみにありがたがる人も多いですが、彼らも人間、よほど悟った人以外は一般人と変わりありません。哲学や宗教に精通しているために「生き方」という点では博識で、人格者のように思いがちですが、長年接してみると、ステレオタイプな見方にこりかたまった頑固者でしかなかった、というケースはよくあることです。

86歳なりの含蓄のある言葉を語れるようですが、批判的に読む方がよいかもしれません。


1位『聞く力―心をひらく35のヒント』
(著者:阿川佐和子/出版社:文藝春秋)
聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)  
阿川佐和子といえば「TVタックル」の司会でお馴染みの才媛です。58歳の独身でありながら未だに可愛らしく、その上「椅子」が初体験の相手だったことをテレビで堂々とカミングアウトするような、気さくな人柄です。
 まだ両親と一緒に暮らしていた頃、2段ベッドの上段が寝場所だった阿川は、はしごを使うのが面倒で、まずイスの上に飛び移ってから下に降りていたそう。ところがある日、いつものようにベットからイスに飛び移った瞬間、足を踏み外してしまいイスがひっくり返ってしまったという。
 その時、イスの脚が股間を直撃。あまりの痛さに「どうしよう」とうろたえつつも患部を確認すると・・・
「こっそり見たら出血してたんですよ。それで私、初体験がイス・・・」
その上、本も売れるというマルチタレントぶりが羨ましいです。ただこの本は、タイトルと中身との整合性がない、という指摘が読者から多く寄せられています。
ほとんど著者のインタビュー思い出話で、タイトルと内容のギャップが大きいです。
エピソードには、「たまたまうまくいった好例」も多く登場するのですが、なぜうまくいったのか掘り下げられていないので、ヒントとして参考にしづらく、「ああ、よかったのね」という感想になってしまいがち。(Amazonカスタマーレビューより
ベストセラーということで、聞く力、タイトルの通りのものを求めて買いましたが、誤解を恐れずに言うならば、ハズレでした。 他の方も書かれておりますが、これはあくまでも阿川さんの今までのインタビューの体験談であり、しかもそれらは名のしれた芸能人ばかりです。 純粋に『聞く力』を求めている方は別の書籍を買うことをオススメいたします。(Amazonカスタマーレビューより
もっとも、タイトルと内容が合っていないとしても、中身は面白かった! というものが多いようです。
阿川さんの(1)過去のエピソードと(2)そこから体得した心得から構成されています。相槌の極意、素朴な質問を大切にする事、安易に「わかります」とは、言わない等インタビューのノウハウに限定されない本物の会話力の真髄が紹介されており肝に銘じたく思いました。(読書メーターより)
彼女は「週刊文春」の連載対談『阿川佐和子のこの人に会いたい』や、トーク番組『サワコの朝』(TBS午前7:30)などで、面白いインタビューを繰り広げています。彼女の他人の懐に入る方法を盗めるものなら盗みたいものです。

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さて、いろいろと面白そうだなと思いながら見ていましたが、私が買おうと思ったのは実は上記の本ではなく、トップ10圏外となっていたこの作品でした。

『心を上手に透視する方法』
(著書:トルステン・ハ-フェナ-/福原美穂子訳/サンマ-ク出版)
心を上手に透視する方法
相手のちょっとした仕草で、相手の考えていることが分かるのだそうです。経験上、こういう心理系の本に、外れはありませんからね。本屋に行ったら、手にとってみます。

2013年4月13日土曜日

2012年ベストセラーになった実用書トップ10(10~6)

30代になってから、小説やコミックよりも、実用書を読む割合が多くなって来ました。
10代、20代の頃には知らないことが当たり前でしたが、30代になると、解決できることが当たり前となってきます。もう、先輩に聞けば全てを教えてくれる年でもありません。

頼りになる先輩との出会いがなかった人々にとって、代わりになるのが実用書の知識。よく売れるために、書店では売り場面積に占める割合が年々多くなってきているのだとか。

最近ネットで情報収集をことたれリとすることが多いのですが、優れた情報は書籍として売られることが多いもの。ふと気になって、2012年にベストセラーになった本のランキングを確認したところ、書店に昨年はあまり行かなかったためか、初めて見かけるものばかりでした(泣)。

紀伊国屋のベストセラーランキングの中から、実用書のみをピックアップし、同じ著者のものをひとまとめにして1冊と数えて並べ直したトップ10を皆様にご紹介しようと思います。

それぞれの内容や評判を、さらにネットで確かめたりするのが面倒な皆様の、琴線に触れるものがあればよいのですが……。

とりあえず、本日は10位から6位までをご紹介しましょう。



10位『采配』
(著者:落合博満/出版社:ダイヤモンド社)
采配    
2011年、中日監督を辞任した名将・落合博満の著書がベストセラー入りしています。
落合氏は そんなことあり得ないと普通の日本人が一笑に付すような極論を真剣に考えるところがある。極論にこだわることこそ、「想定外」を生まないリスク・マネジメントの基本的手法だが、一般の日本人には嫌われる発想である。本書では日本シリーズの優勝条件について、監督会議で持ち出したが、可能性としての極端な状況を展開してみせて、案の定、日本や旧機構のスタッフに相手にされなかった一件を書いている。このあたりが論理的には正しいにもかかわらず、異端とも見られがちな落合氏の面目躍如たる由縁なのだろう。(落合博満の“采配”を読んで―私のサラリーマン人生を省みつつ」より)
“情”を免罪符に不合理を許す他監督と異なり、徹底的に目的を追求する落合監督のスタイルは、賛否両論あります。私も彼のスタイルの良さが今ひとつわかりませんでした。でも、彼が体罰について問われた時に、体罰を即座に否定してみせたのを知って、彼を尊敬するようになりました。


9位『美木良介のロングブレスダイエット必やせ最強ブレスプログラム』
(著者:美木良介/出版社:徳間書店)
DVDで完璧にわかる! 美木良介のロングブレスダイエット 必やせ最強ブレスプログラム   
ダイエット本、根強い人気ですね。彼の本は、他に
『美木良介のロングブレスダイエット―1週間即効ブレスプログラム』『美木良介のロングブレスダイエット―1週間即効ブレスプログラム』などの2冊がベストセラー入りしていました。

動画を見ますと、著者のキャラが松岡修造に被りますね。

この力強いメッセージが、ダイエットにめげがちな意思弱気人々の琴線に触れるのでしょうか。


8位『50歳を超えても30代に見える生き方―「人生100年計画」の行程表』
(著者:南雲吉則/出版社:講談社)
50歳を超えても30代に見える生き方 「人生100年計画」の行程表 (講談社プラスアルファ新書)   
これ、タイトルが良かったのでしょう。私の友人にこの本を紹介したところ、
「56歳には見えないけれども、30代は言い過ぎ。今は若く見える人が多いので、せいぜい40代くらいかな」
と言っていました。表紙の写真はフォトショットを使用しているのでしょうが、中身に載っている著者近影を見ると、「うーん、30代ではないな」というところでしょうか。

それでも若々しいのは確かです。

南雲氏の著書は、ほかに、『「空腹」が人を健康にする―「一日一食」で20歳若返る!』(出版社:サンマ-ク出版)もベストセラーになっています。


7位『樫木裕実カ-ヴィ-ダンスで楽やせ!』
 (著者:樫木裕実/出版社:学研パブリッシング)
DVD付き 樫木裕実カーヴィーダンスで楽やせ!  (ヒットムックダイエットカロリーシリーズ)   
以前「ビリーズブートキャンプ」というダイエット法が大ブームとなりましたが、カーヴィーダンスが今、来ているようです。
同じ作者の『樫木式カ-ヴィ-ダンスで即やせる!』もベストセラーに入っているので、著者は大忙しでしょう。49歳の年齢にはとても見えないボディライン、羨ましいですね。
今までは『ヨガ』『ピラティス』をやっていましたが 簡単ながらも仕事から帰って来てからだとかなり辛くて、どっちも止めてしまいました。そこでカーヴィーダンスに挑戦!楽やせから今日、即やせに切り替えましたが めっちゃ汗だく(・ω・;A)フキフキ まだまだ成果は出ていませんが、楽しいので絶対に続けてやって行けます。(@niftyダイエットより)
写真はフォトショップを使用しているでしょうから信用はできないとしても、動画を見る限り、本当にスタイルがよいのでしょうね。
この年令でこの胸の谷間は販促……じゃなかった、反則です!

6位『人生がときめく片づけの魔法』
(著者:近藤麻理恵/出版社:サンマーク出版)
人生がときめく片づけの魔法    
このタイトルを読んだ時は、カレン・キングストンの『ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門』 (小学館文庫)の二番煎じだろうなと思いました。思えばキングストンの本を買ったお陰で、私の今の部屋は整理されたようなものです。

ところが『人生がときめく片づけの魔法』は、ただのパクリ本ではないようです。
最初は、「断捨離ブームに乗っかったありがちな本かなあ」と思ってあまり期待していなかったのですが、中を読んだら、もうものすごい本でした。
子どもの頃から片付け研究をしていただけあって、普通の人が陥りがちな片付けの罠はすでに研究済み。
おかたづけコンサルタントのお仕事の中でさらにそれに磨きをかけ、普通の人ができる片付けの極意を編み出しています。(Amazonカスタマーレビューより
片付けが下手な人は、この本を読むと少しはマシになるかもしれません。

さて、続きは明日です。

2013年4月12日金曜日

個人保証制度は必要かも

借金の個人保証制度なくならない理由を、「ニュースの教科書」というサイトで平成25年2月9日に記載された「日本ではなぜ借金の個人保証がなくならないのか?」という記事が解説していた。

アメリカと異なって、日本の金融機関は、それほど財務状態がよくない事業者にも、親戚の個人保証をとることで、お金を貸す。ところがアメリカでは個人保証の習慣がないので、財務状態の悪い事業者には融資をしない。そこで、不健全な事業者は淘汰され、健全な事業者だけが残ることになる。

市場の健全性という観点から言えばアメリカに理がある。でも、雇用という面で言えば、日本に理がある。

日本の完全失業率は4.2%、アメリカが7.9%(平成25年1月時点)。大雑把に言えば、その差の約4%の人々が、不健全な事業者のお陰でその日の糧を得ている計算になる。

健全な事業者とその関係者にとっては、保証をつけてもつけなくても、潰れないのだからどうでもいい問題だし、金融機関にとっても、健全な事業者の個人保証などつけなくても融資できるし、融資したいものである。

だが、融資の際には個人保証が必要、という建前をとることで、肝心要の一番保証が必要な不健全な事業者に個人保証をつけてもらえる。彼らが親戚などへ個人保証を依頼しやすくしている。

「事業をするなら、必ず個人保証が必要なんだよ。うちは健全な企業だよ。(粉飾決算書を渡しながら)でも、どこもこういうことをしなくちゃならないんだ。俺が特別じゃないんだからしょうがないじゃないか」
「それならいいよ。ハンコ押そう」
という会話が、日本中のいたるところで行われているに違いない。

財務状態が悪い企業で働かざるを得ないような、どうしようもない人間は犯罪を犯す可能性が高いだろう。破産企業の連帯保証人が財産を失って苦しむ人々がいたとしても、犯罪が増えて犯罪被害者を生み出す社会よりはマシ、という考え方もある。

日本社会の安定度合い、安全度は、世界でも際立っている。それを「民度」のような社会道徳に求める人が多いけれども、実は、様々に張り巡らせた独自の「システム」が寄与する面が大きいのかもしれない。個人保証制度は雇用の安定装置の一つなのかもしれない。お互いに持ちつ持たれつ、相互依存の関係をシステムとして制度化する最たるものだ。

目の前で苦しむ1人の人間を救うために、10人の無辜の民を殺す選択をする選択を否定するのならば、個人保証制度も、なくしてはいけないものなのかもしれない。

2013年4月11日木曜日

松田聖子は歌がうまい

松田聖子といえば伝説のアイドルとして未だにファンを増やし続けている(いい意味で)化け物なのだが、彼女のことを、先日福山雅治とタモリが番組の中で誉めそやしたそうだ。
今回のSP(3月29日の『ミュージックステーション 3時間スペシャル』のこと)では「タモリさんと見ながら話したんだけど」と、「松田聖子さんはやっぱり歌がうまい」という話題で盛り上がったことを明かした。司会のタモリも松田聖子を全盛期から見ている。福山の言葉に共感して「この人は本当にうまいんだよ」と評価したのである。

私が子供の頃に、ある教師が松田聖子のことを、
「あんなに歌が下手な人間でも歌手になれるんだから、君たちもなろうと思えば歌手になんて簡単になれるよ」
と言った。それを聞いて子供だった私は、バカだったから、
「そうかぁ。松田聖子は歌が下手なんだ」
としばらくの間信じ込んでいた。

今になったら、当時40代の教師がどんなことを考えながら松田聖子の悪口を言っていたのかが、分かる。子供の前で威張ってみせ、小学生にとって憧れの的のアイドルをけなせる俺って、カッコいいだろ? という子供じみた主張をしていた。思えば彼は、小さなミスをいつまでもねちっこく責め立て、子供が泣き出すまでやめないような男だった。彼は教育力に欠けていて、周囲の評価も高くなかったのだろう。自分の意のままになる子供を相手に、輝いている他人をけなすことで鬱憤を晴らしていたのだろう。

松田聖子は歌がうまい。当時の映像を今観れば、単純にそう思える。たとえばこの動画を見れば一目瞭然ではないか。1982年の武道館コンサートのラストシーン。「Only My Love」を歌う彼女の声を聞いてほしい。
(動画が見られない人は、こちらをクリック)
最近のコンサートのような、派手な演出もなく、バックダンサーもおらず、ただ、ゴンドラに乗って彼女1人が歌う、というシンプルな構成だ。それにも関わらず、なんと感動的なワンシーンだろうか。まるで劇の中の一幕のように見える。

劇的といえば、彼女のデビューもまた、相当に劇的である。

16歳でミス・セブンティーン九州地区大会で優勝したものの、父親の反対で1年半地元でくすぶり、熱心なプロデューサーの説得もあってようやく高校を中退して上京したのが18歳の頃。

だが事務所は、とうの立ってしまった彼女に期待をしていなかったようだ。もっと若い新人アイドルを売りだすことに躍起になっていた。事務所期待の星の祖父は映画監督、父は俳優であり、芸能一家に生まれたサラブレットに対して、松田聖子の勝ち目はないはずだった。

聖子自身も、18歳で歌手を目指す遅咲きの自分が、アイドルとして売れるとは考えていなかったようで、歌手として地道に活動する心づもりだったようである。

ところが、そこから彼女の強運が始まる。「おだいじに」というドラマに、本来は香坂みゆきという先輩タレントが出演するはずだったのが出られなくなり、代役として出演が決まった。そのときの役名が「松田聖子」で、それが、以後の彼女の芸名となった。

それに続いて、サン・ミュージックが売り出すはずだった期待の新人アイドル出演予定のシャンプーCMが、薬事法違反で販売中止となってしまう。その埋め合わせのために、サン・ミュージックの営業舞台がとってきた仕事が、資生堂の「エクボ」のCM。ところがクライアントには、画面に映えるタレントを使用したいという意向があり、モデルの人選も済んでいた。

サン・ミュージックに要求されたのは「歌だけ」のタレント。そこで、ルックスは評価されていなくても(バカな……でも本当の話)、歌は事務所スタッフから評価されていた松田聖子が急遽、抜擢されることとなった。それがこのCMだ。
ところが、CMに顔出しをした山田由紀子は売れず、松田聖子の声が、人々に強烈な印象を与えることとなった。

「あの声の女性は誰だ?」
「あの伸びやかな歌声の主は?」

そんな街の声に手応えを感じたソニーのプロデューサーとサン・ミュージックの上層部が、ようやく彼女を期待の新人として売り込むことを決意した。

上記CMとのタイアップであり、デビュー曲でもあった「裸足の季節」のレコードの売上が28万枚ほどもあり、新人としては大きなヒットを飛ばしたのも大きい。

彼女を売り出すために、テレビ局も、ソニー・ミュージックも、サン・ミュージックも頑張った。

なにしろ、7月1日にリリースした彼女の2曲目を鮮烈に世間に売り込むために、お盆の8月14日という国民の多くがテレビに釘付けになる日に、空港の一角を借りきって、飛行機を10分近く上空で待機させ、テレビの出演時刻に間に合わせるという荒行を成し遂げたのだ。

「ベストテン」の8位にランクインし、その発表ととともにテレビカメラは羽田空港を映し出す。しばらくして札幌からやってきた飛行機が羽田空港に到着して、カメラは搭乗口を映しだす。

ドアが開き、軽やかに階段を駆け下りてきた純白のドレスを着た少女が、松田聖子だった。彼女は少しだけスタジオの久米宏らと会話した後、ヘッドフォンをつけて、そして大きく腕を回し、歌いはじめた。

それが「青い珊瑚礁」である。その伸びやかな歌声に日本中が魅了され……そして彼女の伝説が始まった。
彼女の歌が、下手なはずがないのだ。

2013年4月10日水曜日

「ここで頑張ればどこでも頑張れる」は間違い

4月となり、フレッシュな新入社員の姿を街で見かけることが多くなった。彼らを見かけて、頑張って欲しいと思うと同時に、ブラック企業などに間違って入ってしまった人がいたら、急いで逃げてほしい、と切に願う自分がいる。

ブラック企業に勤めていたことがある。

不動産の飛込営業という典型的なブラック業界で、まず人間関係が悪かった。5歳上の上司は猛烈営業マンで、もしも部下が気に食わなかったら暴力も辞さないという男。同僚にはボクサー崩れや元チーマーなどがいて、彼らの会話のほとんどはパチンコやスロット、そして風俗だった。

仕事もきつかった。朝は7時半には出社して事務所を掃除しなくてはならない。夜の20時まで営業回り、帰社したらその日に名刺交換した相手などにメールや礼状を書き、最後に日報を書いて帰宅する。終電で帰る毎日で、週休は一日。請負制のため、保険の類に一切入っていなかった。

他の課の課長が日報をまとめている我々に、時々、
「がんばってるな」
と声をかけてくれた。そして、
「ここで頑張れる人間は、どんな環境でだってやっていけるよ」
と、いつか辞めることを前提とした励ましの言葉を、よくかけてくれた。

実際、人の入れ替わりが激しかった。私も、
「ここは俺のいる場所じゃない」
と思い4ヶ月で辞めた。辞める際には2時間罵倒され続け、最後の給料をもらえないまま。幼かったその時は、とりあえず辞められたことでホッとし、給料を取り返すことを考えられなかった。

いつの間にやら連絡も途絶えた元同僚に、先日ふと思い立って連絡をとった。3年後にその職場を辞めた後、今では広告の折込営業をしているそうだ。売り上げが上がらず毎日つらい日々だ、という話を聞く。

当時の同僚だった人々の後日談を聞いた。彼らは勤続年数が長ければ長いほど、その後、よりひどい生活を送っていた。

確信を持ったことがある。
「ここで耐えられれば、他のどんな仕事でも耐えられる」
ということを様々な場所で聞くが、あれは嘘だ。

逆に、ブラック企業にいる時間が長ければ長いほど、非効率的で非人間的なやり方が身に染みつく。能力を伸ばす機会に恵まれず、一番能力の伸びる若い時期をあたら無駄にすることになる。それどころか、人格まで歪む。

いい例がワタミフーズ社長の渡邊美樹氏だ。一時期起業家の教祖としてもてはやされていたけれども、彼の非人間的な性格はよく知られている。道徳を口にしながらブラック企業を作り上げ、人間をないがしろにして恥じないあの畜生ぶりは、異常である。

彼がことあるごとに自慢をする、佐川急便勤務時代の激務。
「あの経験があったからこそ、その後どんなことだって耐えられた」
と語るが、むしろブラック企業で働いたがために、不可塑的な癖がつき、人格が歪んでしまったのだろう。

どんなに残業が続こうと、顧客に怒鳴られようと、仕事自体が難しく高度だろうと、従業員のことを気遣う職場では、従業員の疲労をねぎらい、気持よく働けるように、様々な取り組みが行われている。
「つらい」
と感じるよりも、
「楽しい」
「充実している」
と誰もが感じるようになっている。たとえばどのような職場にもある人間関係の悪化も、優良企業では早めに周囲がフォローをし、同僚が潰れるのを防ぐ仕組みを整えている。それは、大手企業で働いたときに、私自身、痛感した。

時々優良企業と呼ばれる企業でパワハラが明らかになることもあるものの、ブラック企業のパワハラの発生率に比べれば、なにほどのことがあろう。

健康に例えれば分かりやすいかもしれない。若い頃に夜更かしをし、飲酒にふけり、ジャンクフードのようなものばかりをとっている少年に、
「こんな不健康な生活に耐えているのだから、耐久力がついているはず。将来病気にかかることはない」
とその生活を続けさせるだろうか? 免疫系は、健康な生活を継続していくことで強化されるものであり、不健康な生活を続けても免疫力はアップしない。

仕事自体が自分にとって無価値であり、そのためにやり甲斐を持てずに毎日つらいと感じることはあるだろう。しかし、職場の人間関係だとか、上司の無理解だとか、限度を超えた就業時間だとか、外的要因で苦痛を感じるのだとしたら、その職場でいくら耐えても意味はないどころか、人生を棒に振る。

そこにいることは努力ではなく、単なる「不健康な生活」でしかない。そのような職場からは、早く離れるが吉、である。


2013年4月9日火曜日

努力には信念が必要

先日のブログで、ディスレクシアという概念を紹介し、その上で、英語を努力するのはあなたにとってムダかもしれない、という疑念を示したところ、ある人から、
「努力をやめろ、ということか?」
と質問された。

そうではない。努力をしてもムダかもしれないけれどもそれでも努力はするべきだ。この矛盾するような考え方の参考になるのが、フランスの神学者であるカルヴァンの唱えた「予定説」だ。

聖書が書かれて数百年。西洋人は、聖書を基本とした形而上の空論を繰り広げ、ああでもない、こうでもないと議論を続けてきた。聖書に書かれていることは真実だ。だが、聖書に書かれていることを真実だとすると、様々な矛盾が、そこに現れてくる。
キリスト教によれば、神は全知全能であるはずだ――然り。

全知全能の神ならば、すべてを事前に決めているはずだ。そこには人間のちっぽけな意思なぞが介入する余地はない――然り。

人間は、死後に神の前に引き出され、天国に行くか地獄に行くかを決められる。そこには救われる人と、救われない人がいる――然り。

全知全能の神は、事前にすべて決めている。それならば、救うべき人間も救わない人間も、生まれる前から決めているのではないか?――ううん……そうなるかな。

そうだとしたら、私たちが救われるかどうかは、あらかじめ決められているということじゃないか? それならば、人間は努力する意味はないのではないか? 「良き人間になろう」として努力する意味はないのか? ――ええと、考えさせてください。
こういった門外漢からみれば無意味な応答が繰り返される内に、西洋では論理学が発達したのだが、それはさておく。上記の問答のように、全知全能の神が定めた運命の前では、人間の努力に意味はない、と考える人々に対して、
「それでも努力が必要だ」
と主張したのが、16世紀フランスで活躍して、プロテスタントの教義の基礎を築いた、カルヴァンだ。

彼は説く。

神は全てを事前に決めている。だが、それを人間が知る術はない。けれどもそれを証明する方法が一つある。あなたが努力するという行為、そのものが、あなたが神に救われていることを示す証しなのだ。
「自分は神に救われる人間のはずだ」
ということをひたすら信じて、正直に生きて、一生懸命に働きなさい、その結果、あなたに富が蓄えられれば、それは天国へ近づいた証拠なのだ、と。

話を戻すと、勉強は、すべてこの種の「信念」を必要とする行為のように思う。自分は目標を達成できるという、不確かな未来を信じて、ムダかもしれない努力を行わなけ!ばならない。出口が見えるまでは、つらい冬の時代を過ごすこととなるが、信念がないと努力はできず、結果、目標は達成できない。

たしかに目標は達成できないかもしれない。だが、筋力や持久力はつく。

スティーブ・ジョブズが、かつてスタンフォード大学でのスピーチで、
「点と点をつなげろ」
と述べた。学生時代には無意味だと思われた芸術の授業が、将来のマッキントッシュという美しいパソコンの作成に役立った。将来を予測できない人間は、今の努力が将来、点と点を結ぶに違いないと信じて、できる努力を今、続けていくしかない、という彼の信念だ。

彼の言う「点」とは、目標に達成出来ずに途切れ、人生の途上に転がった、いくつもの努力の塊のことを指している。

私も英語の勉強など、ムダかもしれない努力を今でも続けていて、なかなか結果が出ないけれども、そして、自分がディスレクシアかもしれないという恐れを持っているけれども、それでも、努力すること自体に"も"意味があると信じて、やっていくしかあるまい。

あなたの努力に、神の恩寵があらんことを祈る。

――たとえこの世界に、神はいないとしても。

2013年4月8日月曜日

50歳でも若いまま

先日、
★ こんな美女の年齢が50歳とかありえん・・・
という記事を読んで驚愕しました。

これで50歳?!
さすがにこれは嘘だろ?! と思いまして、いろいろと調べてみました。
……どうやらほぼ、本当のようです。

この女性の名前は、エル・マクファーソン(Elle Macpherson)。
本当の年齢は、49歳。元祖スーパーモデルとして1980年代に大活躍。
今でも米国などのメディアで美容専門家としても活躍する現役のモデルなのでした。

これまで2回の離婚歴があり、2人の子供がいます。今年3月、10年来の恋人であり、2010年より交際が報じられていた大富豪ジェフリー・ソファー(Jeffrey Soffer)氏(43)と再婚しました

案外派手な私生活ですが、それは美貌に悪影響を与えないものなのですね。整形かとも思いましたが、新聞で、自身の整形疑惑を完全に否定しています。
英Sun紙によると、エルは「私の胸は(ブラのサイズが)34Cで正真正銘の本物だし、この顔も持って生まれたものよ。整形手術なんか受けてないわ」と言って噂を完全否定したという。
ただ、フォトショップで写真を加工している可能性はあるため、フォトショップを使えない動画で検証してみましょう。
シワや肌のたるみなどを見ますと、さすがに20代としては通用しないにしても、素晴らしいプロポーションを維持していることは間違いありません。スタイルは抜群です。

それに、彼女の話しぶりからは、飾らない人柄であることが伝わってきます。自然環境保護にも熱心で、風邪薬も含めた薬物をできるだけ取らないことを宣言しているナチュラリストなのです。整形などしない、本当にナチュラルな人なのかもしれません。

年をとってもこれほど美しい彼女が、どのようにして美を維持しているのか。
多くの人の関心を集めていると見えて、ほんの少しネットを調べただけで、彼女に美の秘訣を尋ねるインタビュー記事がいくつもみつかりました。

彼女の美の秘訣をまとめてみました。

1. 睡眠を7時間とること
2. 水分を毎日3リットル分摂ること
3. 肌を磨き、清潔なクリームで毎日マッサージし、保湿剤をしっかりつけること
4. その土地で摂れた有機栽培の野菜を摂ること
5. 肉をしっかりと摂ること
6. 運動を毎日すること
7. 泳ぐこと

いくつかについて、補足説明をしましょう。

1について。彼女は、寝るのは夜の23時、起床は朝6時と決めているそうです。

2について。3リットルは、さすがに多すぎませんか? でも、彼女はそれを実行していると、いろいろなインタビューで答えています。よくよく読みますと、お茶、レモン水、白湯などの飲みやすい形にしてもよい模様。ミネラルウォーターとして、それだけの水分を摂るのは大変なので、そこはほっとしました。

ただ、水毒症という漢方の言葉もあるように、水の飲み過ぎは逆にトラブルの原因ともなります。もっとも、現代人には、水分不足で毒素が身体からうまく排出されずに自家中毒を起こしている人が圧倒的に多いのも事実。

身体と相談しながら、できるだけ多めの水分を摂り、そして、6で述べているように、汗をかく運動をしてください。彼女は毎日1時間ほどのトレーニングをしているそうですよ! 3リットルの水は、1時間の運動で失った水分を補給するためのものも含まれていることを、お忘れなく。

3について。肌を磨くのは、風呂場でスクラブをつけながら、力を入れずに行うのだそうです (こすりすぎてはいけません。未熟な角質まで落とすため、肌が身を守ろうとして、逆に角質が分厚くなる危険性がありますので!)。また、風呂あがりなどにはクリームをつけて念入りに肌をマッサージするのだそうです。そのときは、肌に負担をかけず傷めないような、ナチュラルな保湿剤(下記に詳細)をたっぷり使うとよいようです。

4について。彼女が特に摂るように気をつけているのは、緑黄色野菜です。

5について。彼女は昔はベジタリアンでしたが、子供ができてから、肉をよく摂るようになったといいます。
「子供達が残した物を、ついついつまんじゃうクセがあるのよ。水曜の夕飯の鶏肉と、木曜の夕飯のステーキと、金曜の夕飯のお魚と、みたいにね」
そういえば、先日80歳を越えても陸上競技で活躍する女性を紹介しましたが、彼女も年をとってから、毎日肉を食べるようになったといいます。ある程度の肉の摂取は、若さを保つ秘訣なのでしょう。

7について。彼女はサーフィンをよくするそうです。60代でありながら未だに美しい吉永小百合も、毎日プールで泳いでいると語っています。私の知り合いで50代なのに大変肌年齢が若い男性もまた、毎日5回シャワーを浴びると話していました。肌の余計な汚れを水で落とすことが、肌年齢を若く保つ秘訣なのかも。

いかがでしょうか。なにか参考になったでしょうか? 努力で可能な限り、いつまでも若々しくいたいものですね。

※参考:
http://www.elle.co.jp/culture/celebgossip/10_0816/06
http://news.aol.jp/2011/09/19/elle-macpherson-beauty-tips/
http://www.elle.co.jp/wellness/sports/09_0717/6
http://npn.co.jp/article/detail/10804691/
http://www.dailymail.co.uk/femail/article-1373035/Elle-MacPherson-makeover-Our-writers-transformation-following-The-Bodys-fitness-regime.html
……など

ところで、エル・マクファーソンの愛用する化粧品を探したのですが、彼女をCMに起用している化粧品会社は分かりましたが、彼女の使用する化粧品についての情報を得ることができませんでした。本当に利用している化粧品と、CMに起用してもらっている化粧品会社が異なっていたら、大変だからでしょうか。

そこで、乾燥肌の私が愛用しているものでも紹介しましょう。

化粧品には辛口な人が多い中で、334件の評価中、5つ星が241というのは凄まじいです。私もこのおかげで、この冬は指先の肌荒れがなくなりました。

2013年4月7日日曜日

最近気になった記事 4/7

1分で振り返る朝ドラ『純と愛』
『純と愛』はいろいろな場所で話題になっていましたが、こんな話だったのですね。話題になるだけあって、ジェットコースターのような超展開ばかりで面白いと思います。でも、朝からこんなハードな話を観たくない人も多いでしょう。まるでステーキが朝食に出るようなもんです。

赤ちゃんに牛乳はダメ!|ミルクの雑学
案外知らずに、赤ん坊に牛乳を与えてしまう人がいるようなので、注意を込めて。

頭に鳴り続けるメロディーを消す方法
頭のなかで鳴るメロディー。最近ですと、吉幾三の「おら東京さ行くだ」が頭のなかで何往復も流れて困りました。そんなときには、アナグラムがいいそうです。文字の順序を入れ替えて、まったくことなる意味へと変化させるアナグラム。今度思い出せば、やってみます。

元イギリス軍の爆発物処理班員、浮気がバレて妻の車を爆破
笑い事ではないのですが、これはタイトルで笑ってしまいます。原因と結果にギャップがありすぎませんか?

インターネットの海底ケーブル切断を試みた男3人を逮捕
物理的にインターネットを切断しようする試みは無謀かと思っていましたが、案外ちょろいものなのかもしれません。これだけネットで世界中が緊密にからみあっていると、そこから阻害された時の孤独感といったらないでしょう。

コミック誌の年間販売部数、ついに5億部を割り込む
コミック誌などの販売部数などの推移が細かく記されています。こういうのを見ると、出版業界に今から飛び込むのは止めたほうがいいなとヒシヒシと感じますね。

「楽に解雇したい!」 規制緩和待望論の裏で早まる企業の死期
自己都合で退職すると、3ヶ月は失業保険が出ないという規制のために、以前失業した時に大変困りました。民間で、失業保険を始めてもいいのに、なぜどこも手を出さないのでしょう。

カナダで白人が「少数民族」になる日…中華系住民激増で
カナダというと、世界で一番住み心地のいい国だといわれています。そこに中華系の住民が大量に移住しているそうです。彼らがカナダに移住して、カナダの歴史を学び、カナダの価値観をリスペクトするのならば何も問題はないのですが、そううまくいかずに、周辺住民との軋轢も増えている模様です。


2013年4月6日土曜日

毎日の筋トレ

3年間のダイエットによって容姿が激変した女性の写真が話題になっています。

いったいどうやってここまで変身できのか……。元ネタのサイト"Amazing Transformation of a Girl"へ飛んで、この女性のダイエット法を探しましたが、みつかりませんでした(泣)。

ただし元のページには、同じように短期間で変身した女性たちの写真をいくつも見つけました。それを頼りに探ってみたところ、

ダイエット法について、「らばQ」が昨年のうちにまとめていた記事をみつけました。さすがらばQ。目のつけどころがシャープです。

らばQは頻繁に閲覧しているので、掲載時に私も読んだはずです。でも、その時にはそれほど感銘を受けず、記憶にも残っていません。今読み直すと、それが大変示唆に富むものであることが分かります。

上記女性が実行したダイエット法=エキササイズ法は、次のようなものだそうです。
1. 毎日運動をつづける。
2. まったくしたくないと思っても、一日を飛ばさずに最低限の運動をする。
3. 疲労して飽きるよりも、毎日続けられる運動量を自分で決める。
4. ジムなどに行かなくても、家庭でできる小さな運動をする。
私、以前、家で筋トレを毎日していたのですが、
「筋トレを毎日するのはムダ。1日か2日おきにする方が効率的」
という説を知りまして、2日おきに筋トレをすることに考えを改めました。

でも、肝心なことを忘れていました。私の意志力はそれほど強くなく、2日おきだと面倒になってだんだんとトレーニングをしなくなってしまうのです。

習慣は崩れると、失われるのは早いものです。今では2週間に一度ほど、思い出したようにトレーニングする程度となってしまいました。

2日おきに運動するのは、筋肉を効率的に鍛えるという点では正論かもしれませんが、意志力に過度の要求をするという点ではマイナスです。

考えてみれば、普段の仕事で大きなストレスに晒されている現代人に、さらに意志力を振り絞るよう求めるのは過酷というもの。

金があるなら、精神面でバックアップしてくれるトレーナーや仲間を求めてジムに通えばいいでしょうし、ジムでは2日おきにトレーニングするように、適切に指導してくれるでしょう。

それが無理ならば、そもそも精神に無理を強いないことです。一番いい方法は習慣化してしまうことです。習慣の力が、意志力を補い、ムリムダムラを消し去ります。

今日から毎日10分間、運動することにしましょうか。

2013年4月5日金曜日

検察庁の暴走が止まらない

最近、遠隔メール冤罪事件などで評判の悪い検察庁が、またやらかしてくれた。

去年、長野県塩尻市内のコインランドリーで女性の下着を盗んだとして逮捕・起訴された39歳の男性が、先月、長野地方裁判所松本支部で無罪判決を受け、検察は控訴できる期限の2日までに控訴せず、無罪が確定しました。
この事件で問題とするべきところは、
  1. 検察庁が証拠として提出した写真は、監視カメラの動画から取り込んだものなのに、その動画自体を破棄していたこと。
  2. 容疑者を4ヶ月以上もの間拘束していたこと。
という点だろう。検察庁が動画を破棄したのは、それを観ても容疑者認定できないから、証拠を隠滅したかったからではないか。そうでもない限り、場所も取らないUSBメモリ程度の証拠資料が、そう簡単に破棄などされるものか。常識では起きてはならないことが、検察庁で最近頻繁に起こっている。

そもそも組織の中では、世間の常識と異なる論理が幅をきかせがちだ。組織の中にいる人間、いたことのある人間は日々痛感しているだろう。

特に権力側の人間は、法律や常識に反する行為、ギリギリの行為に手を染めなければならない機会が多々あるから、仕方のない面もある。公務員が犯罪を犯さないように、細かな規則が定められている。しかし、規則の量はあまりに多いので、全てを順守していては仕事にならない。内部では「これくらいいいよね」と暗黙の了解が形作られ、そのうちに、倫理や法律に違反することに鈍感となる。

検察にも必ず犯人を挙げなければならないというプレッシャーがあるが、今は「個人情報保護」などと糞なことをいう一般人が多すぎて証拠集めにも苦労する始末だ。

してはならない行為、できない行為が多く、それでも検挙率を上げるには、許される行為の中で努力するしかない。検察に許された最後の聖域が取調室だ。そこに獲物となる人間を選んで追い込んで、犯人に仕立て上げるような方法でしか、検挙率を上げることができない。

4ヶ月も1人の人間が拘束されれば、職も信用も失うだろう。その状態から脱するためならば、嘘の自白をしたくなるというもの。4ヶ月もの間、この容疑者は、よくぞ耐えた。でも、その陰には無実の罪を犯しながら自白を強要された何百人もの人々がいる可能性がある。

元衆議院議員で秘書給与詐取の判決後、懲役刑となった山本譲司氏によれば、服役囚の4分の1は知的障害者だという。

知的障害者は法律が理解できないために、遵法精神に欠けているから、犯罪を犯したのだろうか? そうではないかもしれない。本当に彼らは犯罪者だったのか?

そうではなく、知的障害だから検察に、
「こいつなら犯人になってくれそうだ」
と目をつけられて、無罪であるにも関わらず、犯罪者に仕立て上げられているのではないだろうか?

「自白率」と知的障害者の関係、彼らの残した物証がどのようなものだったかを精査して、世間に公表するだけで、検察庁の横暴が白日の下にさらされるかもしれない。

取り調べの可視化などが義務化されれば、暴力団や総連などの組織的犯罪に手を染める集団につけこまれる可能性があるにしても、そういった組織に一切所属しないフリーな人間への取り調べの場合に限り、検察の暴走を阻止するための何らかの手段を用意するべきだろう。

2013年4月4日木曜日

SNSの流行でブログが失ったのは「読者」ではなく「書き手」

FacebookやTwitter、昨今はLINEが話題となり、それに比べると影の薄くなったブログ。Web業界でブログを書いている人々の中には、そのことに忸怩(じくじ)たる思いをしている方が多いようです。Web業界の住人は時代の最先端にいることを自認しているため、その自分が関わっているサービスが、時代遅れのものとなることには耐え難い気持ちを抱くのでしょう。

長文ブログを続けるのは正直しんどいものです。TwitterやFacebookのような「見てもらう」ための仕組みがいくつも仕掛けられているサービスに比べると、ブログは不利です。

TwitterやFacebookなどのSNSが登場してから、ブログを書く人がかなり減りました。mixiでも、日記を書く人は今やまれで、つぶやきばかりです。SecondLifeと同様に、ブログもいずれ衰退するのではないか……と危惧する人は案外多いようです。

ところが、これに対して最近、このような反論記事が書かれました。

★ 「TwitterやFacebookの次は何が来るか」だって?そりゃお前、ブログに決まってんだろ!
どんなサービスにも「最初にやったもんがち」的なところがありまして、流行の前に参加した人は、いろいろな利点があるものです。たとえばTwitterならば、初期に始めた人は多くのフォロワーを抱え、自分の一言コメントに大勢の人が反応し、時には企業から、
「広告料を支払うので、我々の商品をツイッターで紹介してください」
などと頼まれることもあるそうです。これは嬉しい。

そんな先行者利益を狙う人々に対してイケダノリユキ氏は、それよりもブログを書いて中身を充実していったほうがいいよ、と指摘しているわけです。

これに対して、やまもといちろうというアルファブロガーが、
★ このブログをどっちの方向へ進めていくのがいいんだろうね会議
という記事にて、深く賛同していました。

やまもと氏といえば、mixiへの愛憎半ばする記事を書くことでも有名でして、衰退するWebサービスには人一倍敏感な御仁。彼も、思い入れのある(面白い記事をたくさん書いていますからね!)ブログサービスが、mixiのように衰退するのではないか、という一抹の不安や、ブログを書くことに意味があるのかという思いと日々戦っていたのでしょうね。だからイケダ氏の上記発言に励まされたはずです。

私もこの一連の記事を読んで、励まされたウチの1人。先日、尊敬するあるBloggerから「あなたのブログは面白い」という丁寧なメールをちょうだいしまして、本当に嬉しかったのですが、そのようなことは滅多にありません。

ブログを書く人々は、誰もが何かしら、「ムダなことをしているのではないか」という不安、やがてこのサービスも衰退するのではないか、という不安を抱えながら、それでも表現したい、という内なる欲求に導かれて書き続けています。

こういった流れを受け、徳力基彦というBloggerが、このような指摘をしていました。

★ ツイッターやFacebookの次はまたブログが流行ると考えて、ブログを今から始めるつもりなら大間違いという話。
 実はここ数年ブログがSNSに奪われていたのはトラフィックではなく、時代の注目だけだったということです。
 私が知る限り、多くのブロガーの人たちでは、実はツイッターブームの間もFacebookブームの間もトラフィックが減少したりはしてません。
 なぜかというとツイッターもFacebookも最初からブログにトラフィックをもたらしてくれるルートであり、競争相手ではないからです。
こういったグラフを援用しながら、
 実はツイッターやFacebookの登場でブログが失ったのは、「読者」ではなく「書き手」なんですよね。
 ある程度長めのコンテンツを書くことを要求するブログに比べ、ツイッターやFacebookは一言、一枚の写真から情報共有しやすく、リアクションもすぐ見えるので書き手側としては楽なメディアです。
 そのため、ツイッターブーム以降、コミュニケーションを目的にブログを活用していた人の多くがツイッターやSNSに流れ、ブログの書き手は実際減ったと感じてます。 
 でも、実はブログの書き手が減るというのは読者獲得競争という意味ではライバルが減っているので続けている人にとっては良いんですよね。
と徳力氏は結論づけています。

TwitterやLINEをする時間が増えれば、その分ブログを読む時間は減るわけですので、果たして読者が本当に減らないのかは、再考の余地はあるにしても、書き手が減っているのは間違いない事実。これも一つの淘汰の形なのかもしれません。それに、読者の総数はせだいが交代するに連れて、年々増えていきます。

★ 大学生は「Facebook・はてな」、高校生は「YouTube・FC2・Ameba」
学生は金を使いませんが、社会人となって金を落としてくれる、将来の消費者候補たちです。彼らには、もはや雑誌を買って読んだりお互いに回し読みするような習慣はありません。雑誌とほぼ同等の読書コンテンツとなったスマフォが爆発的に普及した2010年から3年。当時高校生だった彼らが社会に参入するわけですから、ますます雑誌は売れなくなります。その分、情報に飢えた人々がネットを読むようになります。

Twitterやフェイスブックで飽き足りない若者たちがブログの読者となってくれるのですから、読者は漸増(ぜんぞう)していくはずです。これからはそういう読者向けにも記事を書こうかと、今日の記事の分かりにくい単語にはフリガナをうってますw

いろいろな流行がこれからも沸き起こるはずですが、ブームに一喜一憂する必要はあないということです。

それにしても、徳力氏のこのイベント、面白そうですね。

★ blogger summit 2013
 2013年は、日本において主要なブログサービスがはじまってから、ちょうど10年の節目となります。昨今はTwitter・Facebookにはじまるソーシャルメディアの台頭などがありましたが、結果としてアーカイブとしてのブログの立ち位置は、より明確になったように思えます。
 このブロガーサミットでは、さまざまなジャンルのブロガーさんに登壇いただき、ブログの過去・現在・未来についての話をしていただく予定です。8月24日(土)にはみなさんとお会いできることを楽しみにしています。
またブロガーサミットに向け、全国で前夜祭的なブロガーイベントを開催していく予定です。こちらもよろしくお願いします。
早速サポーターとして登録し、コメント欄には、
「日本珍スポット100景」の五十嵐麻理さんから、おもしろい珍スポットやブログには書けないウラ話などを聞いてみたいです。
などと書いて申し込んでみました。

★ 日本珍スポット100景

このサイトは面白くて、日常に飽きている人には必見です。ご本人は東京在住ではないようなので、上記イベントへの参加は無理だと思いますが(ダメ元でコメントしてみました)、やまもと氏やイケダハヤト氏、まなめ氏などのいろいろなBloggerに会えたらいいですね。

ワクワク。