春は名のみと 呟きつつも
心浮き立つ 弥生の日
風は寒いが、日差しはすっかり春となったこの日。
ほんの数日前には雪が降っていたとも思えぬ陽気に背中を後押しされるように、裕作は友人である、カナタを昼食に誘った。
食事が終わり、コーヒーを飲みながら、裕作はスマートフォンを彼女に差し出す。
裕作「ほら見て。ネットゲリラがここ数日、閲覧できなくなってるんだ」
カナタ「ネットゲリラって、2ちゃんねるのまとめサイトでしょ?」
裕作「そう。記事のアップ数は少ないけれど、毎回ブログ主が書いているエッセイが面白かった」
カナタ「ほかと比べると、政治的な記事が多かったんだよね。……もしかして、政治的圧力?!」
裕作「きっつい批評が多かったからなぁ。右翼も左翼どちらにもケンカをふっかけてたし……」
カナタ「ネトウヨに批判的だったけれど、本人は右寄りっぽいんだよね」
裕作「それが面白かったんだけど」
カナタは、コーヒーカップに角砂糖を入れ始めた。5個目になったときに、天はかなたの手を押しとどめた。
裕作「入れすぎだろ」
カナタ「いいじゃない。私、太りにくいし。ちょっと、いきなり触んないでよ」
裕作「あ、ゴメン」
カナタ「……ネットゲリラさん、色々なお仕事をしていたんだよね?」
裕作「あ、ゴメン」
カナタ「……ネットゲリラさん、色々なお仕事をしていたんだよね?」
裕作「アダルト関係の仕事していたから、人脈も広かったみたい」
カナタ「ヤバイことに巻き込まれて、拉致監禁でもされてたら、怖いな……」
裕作は、首を振った。
裕作「どうやら違うみたい。本人がYahoo!のブログにサイトを新設してたし、二階堂氏が事情を説明してた」
カナタ「その前の『ネットゲリラさん、電話がつながらないけど』という記事に貼られているのが『電話応対のルールとマナー』になってて、そこはかとない悪意を感じる(笑)』
裕作「そりゃ、二階堂氏の責任じゃないでしょ」
カナタ「OCNにいろんな方面から批判が殺到してて、OCNが面倒になってサイトごとつぶしちゃったんだね」
裕作「NTT系列だから信用していたのに……」
カナタは、ふと、空を見上げた。空に広がっていた雲は自由に見えるが、時がたてば形が変わり、やがて消えてしまう。自由と永続とは、両立しがたいものなのだ。
オウム事件は、大きな衝撃を日本中に与えた訳ですが、なぜあのような宗教団体が、あれだけの大きな事件を引き起こすことに成功したのか、未だによくわからない部分があります。
山形浩生氏の書評によれば、宗教学者である太田氏がオウム真理教という存在に真正面からとりくみ、
オウムがどんな宗教・思想的な系譜につながるのかを明確に述べ、その過程で現代社会における宗教の意味を位置づけることで、オウムが決して偶発的なものではなく、ある必然性をもっていたことをきわめてすっきりと述べる。内容となっているそうです。
オウム真理教と日本赤軍は、よく似ていたと思うのですよね。
どちらも、当時の社会思想を反映していました。かたや、世界中を席巻した共産主義を先鋭化させたものだとしたら、もう片方も、世界を席巻したニューエイジブームの果てに出現した、究極のカルト。どちらも反資本主義という点で共通しています。
日本赤軍が引き起こした数々の事件は、学生運動をしていた団塊の世代の多くに衝撃を与え、社会主義への幻想を打ち砕く役割を果たしましたが、オウム真理教が引き起こした事件も、当時新・新宗教と称される宗教団体に所属する人々に冷水を浴びせました。
オウム真理教とは単なるインチキカルトかと思っていましたが、世界の宗教同士の相克の中から生み出された、思想の最先端を走る先鋭的な団体だったようです。
面白そうですが、怪物のいる穴をのぞき込んでいるつもりでも、怪物からものぞかれていることを忘れないようにしなくては。
バーンアウトって、鬱病のことじゃないでしょうか。
なんにせよ、嫌なことをしていると、やる気もなくなり健康にも悪いです。
早めに対策をとることをお勧めします。
KONYの存在を、この記事で初めて知りました。
こういう大変な犯罪を暴き出し、ムーブメントを起こして、行動へとつなげる……素晴らしい試みだと思います。
ただ、趣旨はわかるのですけれど、独裁者の名前を書いたブレスレットを身につける行為って、ヒトラーの名前の書いたものを身につけているようなもので、気味が悪いです。
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