勧める理由は 言いはせぬ
裕作は、喫茶店にいた。
友人の田中と、携帯で同じニュース記事を観ている。
裕作「AIJ投資顧問の損失が大きくなったのは、逆張りのせいなんだってね」
田中「バカだな」
裕作「そうなの?」
裕作は田中に一目置いている。学生時代からのつきあいで、今はコンサルタント会社に勤めている田中は、いつも冷静沈着、論理的で、穏やかな性格をしていた。
ひところ裕作は、それではあまりに面白みがないのではないか、と感じられて敬遠していた。
最近になって、ちょっとしたことがきっかけで再び連絡をとりあうようになる。
そうすると、改めて客観的に判断できるものだ。
以前は詰まらなく感じていた彼の考え方は、実のところ大変バランスの取れた、頼もしいものだと思えるようになった。
以来、交友は以前にも増して活発となって今にいたる。
このように印象の変化が起こったことは、裕作にとって不思議だった。田中は大学時代から、ほとんど変わっていない。とすれば、自分の考え方が、いつのまにやら変化したということになる。それも不思議な話だ。
裕作「投資の格言でもあるじゃない。『人の行く 裏に道あり 花の山』ってさ。値下がりした株を買っておいて、上がったら売り抜けるのは、投資の王道なんじゃないの?」
田中「そうだね。下がればさらに買い増すナンピン買いという手法もあるし、他人と同じことをしていては、大儲けするチャンスが少ないのは確かだけれど」
そう言って、彼はコーヒーを一口すすり、
「逆張りは『いつか流れが変わる』ことに賭けることだが、最近は情報技術が発達して、周期が見つかった途端に大勢が乱入して周期自体がつぶされる。そうすると、巻き戻しが生じずに、トレンドがいつまでもダラダラと長続きすることが多いんだ」
裕作「なるほど」
田中は、シナモンロールを切り分けながら、
「それにさ、俺の尊敬するジョージ・ソロス御大も」
「ああ、お前の好きなノマドの元祖のような人」
田中は笑い、
「そう。その彼は、『逆張り投資家は、トレンド追従者の群れに押し潰される』と言っている。長期的に待てば、上がった株はいつか下がる時が来るし、下がった株は上がるだろうが、そのいつかはいつ来るか、分からないんだ。順張りで小さく儲け、損失が出たら早めに損切りして、コツコツと稼ぐことができないなら、プロとは言えない」
裕作は、彼の言葉が正しいのだろうと思いつつも、
(順張り人生なんて、なんかつまらんな……)
と考えながら、向かいの女性の口元をやるせない思いで見つめた。
本日気になった記事はこちら↓
>始めることではなく、終わらせることが大事なのだと気がつく
ってのはいいですね。終わりを念頭に置きながら、始める。自分で決めた締切は守る。
意識することは大切だと思います。
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あやうく信じるところでした(泣
ウェブでは真実を装ってウソをつくことが簡単にできます。
だからこそ、ウソをつくならば、それがウソであることが分かるようなヒントを入れて欲しいものです。
ネットのサイトの一つ一つを「これはウソかな」「これは本当かな」と吟味しながら読まされるのは労力の無駄。イライラします。
ゴールドマン・サックスが断トツの一位だと思っていましたが、そうではないようです。
彼らの給料が、売上の4割以上を占めているのも新鮮な驚きでした。
そりゃ、高給取りになるはずだ。
それにしても、ウィリアム・ライトって、誰なんでしょ? いくら調べても、わかりませんでした。
そりゃ、高給取りになるはずだ。
それにしても、ウィリアム・ライトって、誰なんでしょ? いくら調べても、わかりませんでした。
堕ちるところまで落ちてしまった設立者の姿。
どうしてこうなってしまったのでしょうか。
大勢の人々から注目を浴びながら、なおかつ精神を正常に保つことは、大変なんでしょうね。
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