2012年6月19日火曜日

名誉毀損が民主主義をしばる

名誉毀損罪という罪があります。辞書によれば、公然と事実を指摘して人の名誉、すなわち社会的評価を傷つけること、とされます。

虚偽、真実に関わらず、事実を示すことで犯罪が成立するというこの法律は、結構害悪も大きいのではないでしょうか。この存在のために、今の日本では、罪を告発することが大変困難になっています。マスコミの報道は、常に名誉毀損だと騒ぐ芸能人、政治家、公務員、司法関係者との戦いとなります。権力者には権利を濫用しようとする人々が一定数いるので、マスメディアによって彼らの罪をあぶり出す作業が必要不可欠ですが、名誉毀損罪が大きな足枷になっています。

★ ゴビンダさん釈放の陰で報じられない、“灰色受刑者”たち

医師が警官から銃を奪って発砲した、という事件で、一人の内科医が無実の罪で懲役刑を課せられたのではないか、ということを告発する記事です。本来ならば、この記事で、関係者の実名を一人一人挙げて、糾弾してもおかしくなかったはず。ところが、このジャーナリストはそれができませんでした。名誉毀損の罪に問われる事を恐れたためでしょう。

しかし、もしもこのジャーナリストの推測が本当だとしたら?

警察の腐敗のせいで、一人の人間が事実無根の罪で刑務所暮らしを強いられたという、あまりにひどい話になります。恐ろしい。これは見過ごしては、決していけない事件です。

ところが、その糾弾が困難を極めている状況があります。これではこのまま、腐敗が温存されていくことになるでしょう。

「腐ったみかんの方程式」ではありませんが、放置された警察の内部腐敗(報道が事実だとしたら)は、やがて、指数関数的に進むでしょう。警察が、無実の人間を追いこんで、罪人に仕立て挙げる・・・・・・この手の事件を最近よく聞くようになりました。もしかすると、日本の警察はかなりの深度で、腐敗が進行しているのかもしれませんよ?

世論を盛り上げて、悪を追求したいのならば、悪の実体を具体化しなくてはなりません。人間は、抽象的なものを憎むことが困難です。名前をさらし、人物像をえぐりだし、糾弾するという行為は、彼らの罪を暴くために大変効果的です。しかし、現代では公権力者の犯罪追求が難しくなっています。

名誉毀損によって困難な目にあった人々の苦痛は分かりますが、名誉毀損罪を恐れる報道機関やジャーナリストのために、公権力の腐敗が進むことは、それ以上の大きな問題です。これは民主主義を損ない、弱者の基本的人権がないがしろにされることを意味しているからです。



本日読んで、気になった記事はこちら。


★ 「フィリピン英会話はアメリカで通用しない!」
フィリピン英会話が、最近隆盛を誇っています。これを貶めることで、自分たちのシステムを勧めるというやり方は、いかにもアメリカ的だなと思います。それにしても、25分9ドル(約720円)は少々高くないでしょうか? それがアメリカ名門校の学生だとしても。……いや、英会話の勉強にことよせて、英会話で受験勉強を教えてもらう、などの利用法もあるか……。だとしたら、日本で家庭教師を雇うよりもお勧めかも。



★ 小沢一郎夫人が支援者に「離婚しました」
これが事実なら、大事件ですよね。還暦を超えて離婚されたくはありません。小沢一郎は私の嫌いな政治家の一人で、尊大で理想を語らない人間がリーダーとして崇められているところに、民主党の限界を感じていました。身近な妻に向かって、「お前とはいつでも離婚してもいいんだ」と吐き捨て、愛人を抱えていたとしたら、化けの皮がはがれたな、というところでしょう。



★ 取材に「あ」とだけ答えた町議長、辞任正式表明
周りを馬鹿にしたような、妙な人間でしたね。何度か映像で観ましたけれども、政治家というより、年をとったホスト、と言った風情の男性でした。取材に「あ」としか答えないのは、ジョークとしては面白いとおもいましたけれども、それ以外の政治運営に問題がある人物でした。辞任して正解だったのでは?!


★ 会員数1万9,000人にのぼる都内最大規模の高級売春クラブ摘発
会員を公表してもらいたいですが、そうはならないでしょう。多分、警察の内部資料となり、やがて警察からの脅迫の材料となるのでしょう。情報化の波は、警察にも及んでいます。彼らが保存している国民の犯罪情報を含む個人情報の量たるや、凄まじいものがありますよ。



★ 「著作権の保護に自覚を」中国がアップル社に苦言
お前が言うな、の大合唱が聞こえてきそう。



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