2012年6月22日金曜日

戦争だって、起こりうる

先日街角で、脱原発を訴える署名運動をしているのを見ました。

原発の爆発によって、ここまで影響がるとは思ってもいませんでした。今、日本の食品が軒並み輸出不振に陥っているそうです。放射能の汚染は予想以上に進み、思ってもいなかった作物に放射性物質が大量に付着しているのが発見された、というニュースが連日、マスコミで報道されています。

そのような報道だけをみると、脱原発に偏りそうになりますが、私はそれでも、原子力発電所はある程度は必要だろうと考えています。それは、戦争になった時のことを考えるからです。

「千年に一度の大地震」によって、東北の太平洋沿岸では大きな損壊を受けてしまいました。いつ大地震が起きるかわからないのだから、それに備えて原発の稼働を停止するべきだ、という気持ちも分からなくはありませんが、地震と同様、戦争だって、起こる確率は決してゼロではありません。いや、むしろ千年に一度の大地震よりも、起こる確率は高いでしょう。

原発がこれだけ日本で稼働することになった理由の一つに、戦中派のエネルギー政策のトラウマがあったことはよく知られています。15年戦争を中国と行なっていた時に、アメリカ、イギリス、中国、オランダは「ABCD包囲網」を作り、日本への石油輸出を事実上ストップしてしまいました。このままでは中国と戦えなくなり、日本はアメリカと先端を開かざるを得ませんでした。

戦後になって、そのトラウマがあった戦中派は、エネルギーの供給先が偏らないように、石油発電以外の発電の方法を探り、原子力発電に望みをつなぎます。日本に原発がやたらと多いのは、エネルギー源の多様化を狙ったものです。

それを考えた時に、原発を単純になくしてしまえばいいとは思えません。石油以外に、これほど確実に電力を得ることの出来る発電システムはそうそうないのですから。



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