「選択と集中」という言葉が一躍有名になったのは、名経営者と言われるGEのジャック・ウェルチがこの経営手法を実践したからでした。大胆なリストラ戦略が次々に当たり、老舗電機メーカーであるGEを、立て直した彼の手法が、「シックスシグマ」と呼ばれる品質管理手法であり、「選択と集中」と呼ばれるリストラ戦略でした。
「シックスシグマ」は、日本の経営をモデルにした品質管理手法です。「シックス・シグマ=100万回の作業を実施しても不良品の発生率を3.4回に抑える」ことを目標とした徹底した品質管理は、日本ではそれほど目新しいものではなかったために注目されませんでした。しかし、「選択と集中」は、大胆なリストラが必要であり、それまでの日本式経営とは真逆の、それまでの日本ではほとんど見られない戦略でした。そのため逆に日本では、驚きをもって迎えられ、日本企業が業績を悪化させる中で、アメリカ式の最新経営として模倣者を次々に生むことになりました。
ところが、テレビ製造に選択と集中を行う電機メーカーが続出した結果、選択と集中の恩恵をそれほど得ることができませんでした。しかも韓国や台湾、中国のメーカーがテレビ製造分野に相次いで浸出、値崩れが起こり、戦略は大失敗に陥りました。「選択と集中」を成功させるためには、最初の選択が大変重要なのです。しかし、日本では経験に学び、先例を重んじすぎて、大局的な要素(韓国や中国などの新興国の台頭)を考慮することができずに、業績が地に落ちてしまったのです。
そして、今、様々な解決策を、多くの識者が提唱していますが、その中でこのような記事をみつけました。
ムーアの法則が「家電」を破壊する日本企業に必要なのは「約束を破るメカニズム」
なるほど、なるほど、と思いながら読みました。ムーアの法則のために、コンピューターの開発速度が指数関数的に進んでいるのだから、従業員の数もそれに伴い減らしていくべきだ、という指摘。人員削減と、ムーアの法則を無理やり結びつけて強引にまとめる論文手法にうまいものだと思いながら読み進めてみると、最後の最後になって、
守るべきなのは企業ではなく、そこに働く個人である。と書かれていてぶっ飛びました。そんなこと、文中のどこにも書かれていないじゃないですか。日本の「雇用を守る」という約束を破れ、と声高に主張しながら、それによって失職した従業員をどうやって救うかを明示せずに、リストラによって個人が守れると意味不明の主張をするとはどういう了見なのでしょうね。
結局のところ、この論文を書いた池田信夫さんも、アメリカ発の戦略手法を無闇にありがたがった電機メーカーと同じように、戦略の模倣に陥った学者のように思えます。リストラさえすれば、業績がよくなるのだから、急いで行え、というのは、選択と集中さえすれば不採算部門に気を取られずに成長だけに意識を集中できると信じて、誤った選択を行った電機メーカーのこれまでの経営者と、思考回路は同じのように思えるのです。
リストラすることによる不確定要素を、彼はまったく考慮していません。リストラすることで、多くの人材の流出が起こるでしょう。それによって、海外メーカーの力を一層強くすることになったとしたら? 忠誠心で会社に残っていた研究者が、製造部にいた従業員が次々に辞めていく中でも同じような忠誠心を保ち続けると思うのでしょうか。この学者、そういったメンタルな部分を全く考慮していないように感じられます。
彼のいうことを選択すると、あとで手痛いしっぺ返しを食らうのではないでしょうか。
さて、そうはいっても我々庶民には、リストラされたらどうしようもありませんから、自分の身は自分で守る必要があります。家の安全を守るのも、そのひとつ。いざというときのために、家のスペアキーを、誰にもばれない場所に保管しておきたいのですが、なかなかいい方法がみつからない、という人に朗報です。
石の中に、鍵が隠されているなんて、誰が想像するでしょうか。部屋の敷石にでも紛れ込ませていれば、まずはばれません。土の奥深くに埋め込めば、税務署が来てもまずばれないでしょう。
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アスペルガー症の人物で、かつ同性愛者であり、1952年にイギリスにまだ残っていた同性愛罪で逮捕され、ホルモン治療を受けた後、青酸カリによって1954年に42歳で自殺したのだそうです。痛ましいですね。
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