2012年7月22日日曜日

来年は、ネットメディアが話題になるだろう



今収監中のホリエモンは、来年の2013年下旬には懲役を終える予定です。
長いようですが短いですね。あっという間でした。

彼が2006年に証券取引法違反の容疑で逮捕され、収監されるまでの間に、サブプライム・ローンがはじけ、リーマン・ショックがおき、株式市場は大きく冷え込みました。

彼の経営手法は、会社の業績を上げることよりも話題を振りまいて期待値を上げることで株価を引き上げ、実体よりも評価の上がった株価を担保として借り入れた資金で、業績に比べて低い株価の企業を次々に買収していく、というものでした。

それは、株式市場が活況を呈しているからこそ使える手法。しかし、今の株価低迷の環境下では使えない手法です。ホリエモンが逮捕されないままだったとしたら、もしかしたら彼の会社は今頃、立ちゆかずに、潰れてしまっていたかもしれません。

それを考えると、彼自身の「起業家としての才能」の評価を傷つけずに、ここ数年の荒波を乗り切ることができたという点では、大変運が良かったといえます。

「人生万事塞翁が馬」を体現する彼が長野刑務所で取材を受けたという記事、「いま求められているネットメディアについてホリエモンと話した」を読みました。

筆者の佐々木俊尚は、毎日新聞社出身のフリージャーナリストであり、経済産業省の主催する情報通信業に関する委員会で委員を務めている人物です。

低俗なライターにはそれ向けの話題を振りまくホリエモンも、取材者が教養あるジャーナリストだったからなのかもしれませんが、本音を話していました。すなわち、今後はネットメディアをたちあげたい、という野望です。

なぜにネットメディア? 宇宙事業に彼は熱中していたのではなかったのか? 結局、フジテレビ買収が不首尾に終わったことに、彼自身がまだこだわっているのか?

いくつかの未消化な疑問が生じて数日後、同じくジャーナリストの上杉隆がまったく異なる文脈で、今、新しいメディアづくりを立ち上げているという内容の記事を書いていました。

4年後、日本の言論空間に テレビ・新聞の居場所はあるか

これには、ピンと来ました。いろいろな情報を追いかけていて、2つの全くことなる情報が、あるとき化学反応を起こしたようにうまく結合し、新しい情報となるのは、何者にもまさる快感です。

もともと、上杉隆と堀江貴文は既存のメディアに反感を持つ者同士で同盟関係を結んでおり、このような共著も出しているほどです。



この二人が、ほとんど同じ時期に、新しいネットメディアを立ち上げることについて熱く語っている以上、双方が無関係ということはないでしょう。上杉氏が進めているミドル・メディアには、堀江氏が深く関与することになるでしょう。今、上杉氏は、獄中のホリエモンなどと連携しながら、新しいメディアの構築に勤しんでいるのでしょう。

上杉氏が今進めているという「NO BODER」こそ、堀江氏が
言論が流れこんでくる場というか、情報をプッシュで出していくような場所
と語っている場所となるのか、それともこの「NO BODER」は、堀江氏がいずれ大々的に発表するはずのネットメディアのプロトタイプ、あるいは隠れ蓑となるのか、それは今のところわかりません。

今、大手のメディアは生き残りをかけて、もがいています。ネット発のデモは起きても、新聞発のデモ、テレビが煽動する暴動など考えられなくなりました。国民、あるいは消費者を動かすことのできないメディアには、企業はお金を払いませんし、政府もその声に耳を傾けることはありません。

段々と影響力が低下し、あるときソニーやシャープのように、にっちもさっちもいかなくなるまで構造改革を先送りするか、それともアップルのように、革命家を取り込んで会社自体を大きく変えていくか。

ホリエモンは、出所してどのような自分の売り出し方をするか、いろいろと考えているところでしょう。アップルを追われたジョブズが、ピクサーを成功に導き、アップルに舞い戻ったように、もしもホリエモンが新しいネットメディアを立ち上げて成功に導くことができたならば、人々の見方はあきらかに変わるでしょう。

その実績を引っさげてフジテレビに経営陣として参画する、というウルトラCも、あり得ないことではないと思うのです。

来年、果たしてどうなるか。見守りたいものです。

それにしても、上杉氏は、しぶといですね。一時期のインチキジャーナリストというバッシングでも、公的に謝罪をせずに、乗り切ってしまいました。



本日読んで、気になった記事はこちら。↓

★ 「神の粒子」、実はニセモノだったかも...と研究者ら
神の粒子が発見された、というニュースのあとに、それは街台だった、という発表が最近多いですね。ヒ素を取り込んだ生物発見、と騒がれながら、実はそうではなかったり、ニュートリノは光を超えるかもしれない、と騒がれながら、実は計測機器の初期設定のミスだったり。検証を欠いた報道が相次ぐと、科学に対する信頼感が揺らぎます。


★ 庵野秀明の特撮博物館で「巨神兵東京に現わる」が上映
特撮に夢中になった人には、気になるニュースです。


★ 経産省内部メールが指し示す 大臣・事務方の国会軽視と組織の弛み
メールに書いていることが最初理解できませんでした。ようやく理解したあとは、国会討論の資料のふりをして、読めるものが欲しい、ということを臆面もなく頼む議員と、それに応じる官僚に呆れました。とはいえ、自分とはまったく関係ない議題に連日集中するというのは大変難しく、私にはムリです。内職に励みたい、という気持ちには共感します。

すべて夏の暑さが悪いんや。

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