2012年8月19日日曜日

慣れない男性の悲劇

女性とつきあい、あわよくば肉体関係にまで持ち込みたい! というのは男性諸氏が多く願うことでしょうが、相手やタイミングを間違えると、大きな打撃を受けることになってしまうために慎重な態度が必要です。

20代女性にわいせつ 大阪府職員“初デート”で逮捕

最初はどんな猥褻行為をおこなったのだろうと眉を潜めながら読み始めたのですが、読み終わって逆の意味で眉を潜めてしまいました。

男性、可哀想過ぎる……。

事件が起こったのは7月22日の未明。深夜まで一緒に過ごすことのできた男女の間で起こった悲劇は、ボタンの掛け違いに起因するとしか思えないのです。

お見合いパーティーで出会ったという男女。お見合いパーティーに行くくらいだから、男性はそれほど実生活では女性と付き合った経験がない、いわゆる"非モテ"の男性だったに違いありません。


都市整備部交通道路室の技師と言いますから、正統派の理系男子。これまで30年間、女性とまともにつきあったこともなく、いつの間にやら三十路を迎え、焦っていたのではないでしょうか。

母親はそんなF容疑者を心配しながら何も言いませんでしたが、あるときふとつぶやくのです。
「孫の顔を見て死にたかったわ……」
そういう母親の頭に、ふと気づくと白髪が増えて、親不孝を知らず知らずのうちに重ねていた自分の不甲斐なさを、F容疑者はふいに感じたのかもしれません。

職場で思い余って先輩に相談したのかもしれません。

「先輩、僕は今まで女性とつきあったことがないんですねん。どないすればええんでしょう?」
「アホやな、おまえ。お見合いパーティーに行けばええやん。出会いの場に行かへんで、女と出会える訳ないやろ?」
「……俺、しゃべれませんねん」
「バカ! しゃべれへんのは女を怖がってるからやねん。女に言葉なんていらへんねん。男らしく、好きなら好きやとガバッと抱きしめて、キスしたったらええねん。それになんで言葉がいんねん?」

先輩のアドバイスを聞いて、もしかしたらF容疑者の気持ちには、洞窟に指した一筋の光のような希望がみつかったのかもしれません。

この手のアドバイスは、本当に相手を見て相談したほうがいいですよね。先輩がこれまで相手をしてきたのは、キャバクラだとかスナックだとかの夜の酒場の女性たち。男性のあしらい方になれているので、男性が多少強引に迫っても、どうやればしのげるかが分かっているプロたちです。ところがそれと同じ感覚で普通のお嬢さんに迫れば、嫌われるのは当たり前なのに。

F容疑者、お見合いパーティーで6月末に知り合い、7月21日が初デートだというのですから、メールのやりとりも重ねてきたのでしょう。

女性にとっては、彼はキープだったのかもしれません。お見合いパーティーで好きだった本命男性ともメールのやりとりをしていたのに、結局ふられて、しかたなくキープしていた公務員の男性と、とりあえずデートで飯でもおごらせようか……そんな感覚で初めて出会ったのかもしれません。

初対面でガチガチに緊張していたF容疑者。デートも終盤に近づくにつれてようやく気持ちもほぐれてきたのでしょう。22日未明にまで一緒にいたというのですから、そんな遅くまで一緒にいてくれるということは、自分のことが嫌いじゃないと、思ったに違いありません。その時に先輩の声が蘇ったのではないでしょうか。

「す、す、す!!」
「す……酢だこ?」
「好きなんや!」
ガバッ!!
とかね。ええと、上記記事に書かれていること以外はすべて私の妄想ですが。

女性となんとか既成事実を作れば、女性はもうあきらめて自分とつきあってくれるに違いない……恋愛経験の少ない男性は、得てしてそのような妄想に支配されるのは困りものです。

昔の日活映画の悪影響だと思うのですよね。石原裕次郎のような男性が、無理やり女性と関係をもった後に、
「もう泣くなよ。こうなった以上、俺達がつきあえばいいだろ?」
なんてタバコをくゆらす男性に対して、女性が泣きながら、
「……幸せにしてくれる?」
と呟いて、ひしっと抱きしめる、みたいな。
それ、私の人生にも周囲の友人の経験にもありませんでしたから! 残念!

F容疑者は、訴えられました。これから裁判で身の潔白を証明しなければなりません。橋下行政改革のもとでは、彼の行為は致命的。特に、女性への暴行容疑ならば、罪は重いので、失職の危険性も高いでしょう。もしも女性の扱い方がわからないがゆえの悲劇だとしたら、御愁傷様だとしかいえません。
それにしても、かわいそうに。



本日読んで、気になった記事はこちら。↓


★ プロが仕事を諦める時 対談・佐久間正英×佐藤秀峰
ネットで話題の両者による対談記事です。どちらもプロとして一家言をもった方々。詳しい専門用語がたくさん出てきます。


★ 入院2年、老親の2000万がなぜ底をついたか
介護は大変ですね。昔のように、たくさんの孫が1人の老人を介護する時代ではなく、1人の孫が1人の親を育てる時代です。ぼけた老人を抱えた日には、自分の人生の半分をリセットするつもりで介護に専念しなければなりません。


これは面白い記事です。

ビジネスで使えそうな寓話を数多く集めた本が出てきました。すぐに飲み会でも使えそうです。

『インドの論理学』という本を読んだことがあります。

インドでは、三段論法に、必ず「たとえ」が入ることになっています。
犬は哺乳類である
哺乳類は体温が一定である。
よって、犬の体温は一定である。
これがインド風にアレンジされると、
犬は哺乳類である
ネコが哺乳類であるのと同じように
哺乳類は体温が一定である
太陽がいつでも温かいのと同じように
よって、犬の体温は一定である
となります。同じ論理でもはるかにわかりやすくなります。寓話にはものごとをわかりやすくする効用があるので、いろいろな場面で利用可能でしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿