2012年9月29日土曜日

「イスラム教徒のデモ」が日本を変える?

このところ、世界の人気ブログを紹介してきましたが、ここで少し一休み。
昨日見かけた、イスラム教徒のデモの様子をご紹介します。

たまたま霞が関の官公庁の建物が立ち並んでいる辺りを歩いていたときのこと。
時刻は午後4時頃でしょうか。
デモ隊が特許庁の近く、JTビルの前で、大声を上げているところに出くわしました。

最初は遠目でしたので、どのような団体なのかわかりません。
官公庁の周辺をデモ隊が練り歩くのは、珍しくはありません。
労働組合などの団体だろうと思ったのですが、どうも様子が変です。

……雰囲気が遠目にも、異なるのが分かりました。

気迫が違います。
立ち姿が違います。
そして何より声が違います。

何を言っているのかまだ分かりませんでしたが、煽動者が大声を上げると、それに間髪を入れずに周囲の人々が大勢で唱和します。
統制が非常に取れていて、野卑な感じがせず、遠目にも参加者の体格がいいのが分かります。

なんだなんだ? 雰囲気からすると体育会系、右翼に似ているが、それにしては必死さや真面目さが漂っていて、街宣車でがなりたてるあのバカっぽい集団とは全然雰囲気が違う……いったい何の集団だろう? 武道団体のデモか何かだろうか?

近づくに連れて、彼らが何者なのかすぐに分かりました。
白い服にムスリム帽をかぶった多数のイスラム教徒が、数百人も集結していたからです。

(ああ、イスラム教徒のデモか……)
そこから数百メートル歩くと、アメリカ大使館があります。
彼らはそこにこれからデモ行進で向かおうとしていたのです。

彼らが怒ってデモをすることにしたのは、この動画がキッカケでした。
『Innocence of Muslims』という、預言者ムハンマドを題材にした映画が、ムハンマドを冒涜しているとして、世界中のイスラム教徒の怒りを買ったのです。

原論の自由を守ろうとする西洋人と、それに反発するイスラム教徒との対立は、日本にまで波及。
デモがこれからアメリカ大使館へ乗り込もうとする瞬間に、居合わせたのです。
あまりの迫力に、鳥肌が立ちそうになりました。

これだけの数のイスラム教徒を日本で見るのはとても珍しいことです。
それが数百人も集まってシュプレヒコールを上げているのは、大変な迫力です。
彼らからもらったチラシがこちらです。

彼らの主張をもっと知りたければ、来月14日に東京大学で講演会があるようですので、足を運んでみるのも面白いかもしれません。


イスラム教徒には、朝夕にモスクの周囲に立つ塔の上から、美声の持ち主が朝夕コーランを朗唱するという習慣があるといいます。
そのため、デモでも煽動者には、美声の持ち主が選ばれるのでしょうか。
とにかく、その声は大変よく通り、街角でも四方に声が伸びるため、いつもはデモなどに目もくれない霞が関の人々が大勢集まってくるのが印象的でした。

これまでの日本の抗議集会は、雑然としていて、今ひとつ迫力に欠けていたように思います。
しかし、イスラム教徒のデモを見れば、どちらが周囲に強い印象を与えるか、明らかです。
毅然として、迫力に満ちた態度によるデモ……これに日本人が接することで、日本のデモの雰囲気が変わり、日本の政治が変わる……そんなことがあるかもしれません。

時間がなかったので数分してその場を去ったため、その後のことが気にかかっていたところ、ニュースの報道で、続報を知ることができました。

★ 東京の米大使館に抗議文 イスラム教徒ら300人

アメリカ大使館にデモの代表者3名が抗議文を手渡して、終了となったようです。
まあ、そんなもんでしょ。

さて、このデモ自体もすごかったのですが、それ以上にすごいと思ったのが、下記の人々です。
イスラム教徒の言論弾圧に屈するな、と主張するプラカードを5人の精鋭です。
ほんの5メートル先には、犯罪を犯してでもイスラムの尊厳を守ろうとする人々がいるというのに、それに対して、たった数名で抗議をしているのです。

この人たちからもチラシをもらいました。

彼らの背景にはどのような思想があるのでしょうか?
やはり、どこぞの宗教団体なのでしょうか?
背景がわからないのでなんともいえません。
統一教会のような宗教団体だとしたら、単なる売名行為で虫唾が走ります。

ただ、その可能性を割り引いたとしても、言論の自由を守ろうと立ち上がった、彼らの勇気は素晴らしいのではないでしょうか?

なお「イスラム教を考える会」をGoogleで調べると、彼らのサイトを発見。
Islam Study Group Japan イスラム教を考える会
記事が今月の分しかありませんので、少々怪しい団体かもしれません……。


それにしても、週末の霞が関は、次第に騒がしくなってきました。
政治の時代へと、日本が変化しようとしているのかもしれません。


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