2012年10月26日金曜日
あの作品の誕生秘話
偉大なる作品は、必ずしも偉大なる構想の果てに生まれる、とは限りません。
……中世イタリアの、とある街。
一人の家政婦が、とある画家のもとで働いていました。
彼女にとっての気がかりは、主人の仕事が遅く、はかどらないこと。
締め切りは明日。
それなのに、絵はほとんどできあがっていません。
必死の思いで、明日が締め切りだと訴える家政婦に対して、画家は、
「分かった分かった分かった。明日だろ。わかってるよ。明日だろ」
と答えるばかりで、まるで必死さが伝わって来ません。
いい加減な時間管理。
この画家、本当にプロなのでしょうか?
その腕、果たして信用していいものやら。
それとも落ちぶれたどうしようもない画家なのか……。
とうとう翌日になります。
絵を受け取りに、注文主が、画家の家へとやってきました。
家政婦は、慌ててアトリエへと走ります。
そこで彼女が見たものは……
眠りこける画家と……
まったく出来上がっていない、絵でした。
もう、間に合いません。
呆然とするしかない、家政婦。
締め切りを守らないクリエイターほど、始末におえないものはありませんね?!
締め切りを守らないクリエイターほど、始末におえないものはありませんよ!!
……大切なことなので、二度言いました。
家政婦は、意を決します。
ナイフを取り上げて……
まさか、まさか?
それで画家を?!
殺意のこもった目で彼女が見た先には?!
……さて、外では注文主が、画家がなかなか出てこないので、待ちくたびれています。
ドアを開けて現われたのは、画家ではなく家政婦でした。
彼女が持っていたものは、一枚の絵。
そう。
彼女は、画家が大きなキャンバスに描いた、絵の中から完成した部分だけを切り取って、
「これがご注文の絵ですよ」
と差し出したのです。
彼女がナイフを取り出しのは、画家へ怒りをぶつけるためではなく、
壁一面のキャンパスから、一部分を切り抜くためだったからなのですね。
……よかった。
「小さすぎるよ」
とボヤく注文主。
そりゃそうですよ。
本来ならば、壁一面のキャンバスに描かれた絵が、注文主のもとへ届けられるはずだったのですから。
でも、家政婦が持っていたのは……
そう。
あの、謎の微笑みで有名な、「モナ・リザ」だったのです。
いくら小さいとはいえ、これにケチを付けられる人がいるわけ、ありません。
もちろん、注文主は満足。
家政婦は、ドヤ顔。
でも、心臓はバクバクしていたはずです。
ものごとは複雑だけれども、問題解決のための解答は、案外シンプルなものなのです。
……という、面白CMのご紹介でした。
http://blog.veryfunnyads.com/2012/09/do-it-yourself.html
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