2012年11月12日月曜日

まとめサイトにご用心

2ちゃんねるまとめサイトは大変人気がありますが、それらが掲示板のまとめを装い、記事風に見せかけた出会い系サイト広告を掲載していたことがばれ、最近問題になっています。

★ 詐欺広告を掲載した2chまとめサイト一覧と驚愕の報酬額!

数ヶ月で数十万円にもなるのなら、いい商売ですよ。
クリック数に連動して広告費を得る形でしょうから、どのサイトも閲覧者数も多い事がわかります。

2ちゃんねるを読む人よりも、まとめサイトを読む人のほうが、今では多いかもしれません。
2ちゃんねるは有象無象の巣窟です。
面白い意見もありますが、意味のない役に立たないつぶやきも多いので、取捨選択しなければなりません。
それに比べると、まとめサイトでは手軽に、厳選された面白いコメントを一気に閲覧できます。
とても効率的です。

それに加えて、2ちゃんねるに比べると、まとめサイトにはネガティブな色はまだついていないので、アクセスしやすいと感じる人が多いのも利点です。
え? そんな人、いない? いえいえ、案外多いのですよ。

今までは2ちゃんねるを敬遠していた層でも、多くの人の意見に短時間で触れることができる掲示板の面白さに触れることができました。
社会につながっているという安心感を気軽に味わえるのは、この手の掲示板の利点ですね。

多数の人々の意見が、多くの人の関心を呼ぶのは、今に始まったことではありません。
たとえば、新聞の世論調査。
内閣支持率などは、時に政権すら揺るがせる原因となります。
こういった企画は、いつの世の中も、人気企画なのです。

「世間はどう考えているか」
は、常に、人々の関心事だからです。

こうして考えますと、2ちゃんねるまとめサイトという形式はとても魅力があり、今後ますます増え、その分影響力も増していくのだろうと予測できます。

これは、とても危険なことかもしれません。
日本人は同調圧力に弱い国民性を持っています。
日本人を扱った有名なジョークがあります。
船が沈没し乗客は救命ボートで逃げ延びたが、人数がオーバーしているために乗客の一部には泳いでもらわなくてはならない。
ボートに乗っているのは世界各国の人々。
彼らになんと言って命じれば、海に飛び込んでもらえるか?
・アメリカ人には、「今飛び込めば、貴方はヒーローになれる」と伝える。
・ロシア人には、「今飛び込めば、あとで酒をおごる」と伝える。
・イタリア人には、「今飛び込めば、女性にもてますよ」と伝える。
・フランス人には、「今飛び込んではいけない」と伝える。
・ドイツ人には、「規則だから飛び込んでください」と伝える。
・日本人には、「みなさんが飛び込みましたよ」と伝える。
まとめサイトの愛読者の根底には、このジョークの中の日本人のような心情が潜んでいやしないでしょうか。
「他の人は、どのように考えているのだろう?」→「俺もそれに合わせなきゃ」
周囲の声を知り、自分の考え方、思想をチューンナップしたい……そのような読者が、とても多いと思うのです。

今回の詐欺広告を掲載した2chまとめサイトの目的は単なる金儲けでしたが、今現に行われていることは、本当にそれだけでしょうか?
どこぞの広告代理店から頼まれて、思想の誘導などに利用されたりはしていないのでしょうか?
まとめサイトを装って、偏った政治思想へ人々を誘導するようなことが、電通などの手によって、すでに行われている可能性は、なきにしもあらず、です。

ネットは、権力者の支配から逃れるための道具のはずでした。
それが、権力者側に思想を操作されるために利用されるとしたら、こんな馬鹿げたことはありません。

まとめサイトを見て、ホッとする自分がいないかどうか、一度振り返ってみた方がいいかもしれません。
意識するだけで、思想が左右される危険性から、随分と自由になるものですから。
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