この『スタンフォードの自分を変える教室』を書いたケリーマクゴニガル女史は、上記写真のとおりのうら若き女性ながら、すでに博士号を持ち、名門のスタンフォード大学で教鞭をとっています。
彼女のテーマは「意志力」であり、心理学の実験などの科学的根拠を基に、人間の意志力とはどのような仕組みを持ち、どのような特徴があり、どのように利用していけばいいのかを詳細に語っています。
その中の一節に、たとえばこんな実験がありました(ここからはうろ覚えです)。
ネズミの脳に電極を差し込み、実験用の檻に設置されたボタンを押せば、電極に微弱な電流が流れ、脳のある部位を刺激することができるようにします。
するとネズミは、何度も何度も飽きることなく、それこそ寝食を忘れてボタンを押すことに夢中になったのだそうです。
そこはドーパミンの放出を活性化させる部位出会ったために、ドーパミンは人間の快楽欲求を満たす効果がある……と、従来は考えられていました。
ところが、現在は異なる見解となっているそうです。
というのは、その後、人間の脳に、ネズミと同じように電極を埋め込んで同じような実験が行われたのだそうです。
実験体となった人々は、同じように、夢中になってドーパミンが流れるボタンを押し続け、中には実験を終えようとしても、激しく抗議する人々が続出したのでした。
人間はネズミと異なり、心を言葉で表現できます。
科学者達は、ボタンを押した時の多幸感について、尋ねたところ、驚くべき答えが返って来ました。
「それほど気持よくなく、むしろ不快だった。確かに一瞬は幸せな気持ちを味わえるのだが、私の心のなかのほとんどを占めていたのは、次はもっと気持ちがいいのではないか、という焦燥感だった」
つまり、実験動物や被験者たちを夢中にさせるもの、欲求をかりたてるものは、多幸感のような満足感ではなく、
「次にはもっと気持ちよくなれるのではないか」
という期待感と、焦燥感だった、ということなのです。
これは、現代の携帯電話事情と同じではないでしょうか。
私たちの多くは、毎日、何時間も携帯電話を触らずにはいられません。
彼らは、その間幸せでしょうか。
いや、そうではありません。
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そんな期待感が、中毒を生んでいるのではないでしょうか。
考えてみれば、本当に充実した人は、さらに飽くなき欲求に駆り立てられることはないはずです。
手に入れた現実に満足できないから、次へ、次へと人々は駆り立てられるのです。
……ということを意識するだけで、行動が変わります。
いつも携帯をいじらずにはいられない人は、自分が満足のためではなく、期待感に駆り立てられていることを意識してください。
それだけで、携帯の吸引力から離れられるはずです。
……などのさまざまな意志力に関する目からウロコの話が、この本には満載されています。
とにかく、読むべし。
超お勧めです。
予約しました。
返信削除楽しみです。
おお!!
返信削除ありがとうございます。
自分の意志力を強くしていくことを意識するために、ときどきこの本の著者について、これからもとりあげていく予定です。