2012年12月13日木曜日

来年度の流行色は、エメラルドグリーン

世界の流行色に、ある企業が大きな影響力を与えているのをご存知でしょうか?

アメリカ合衆国のニュージャージー州(ニューヨーク州の南にある州です)に本社のあるパントン社という会社があります。この会社は色見本帳を販売しています。

色見本帳とは、このようなもの。↓
見たことのある方もいるかもしれません。

世の中には数えきれないほどの色が存在するため、この色見本帳を使ってマッチングを行うわけです。デザイナーと印刷所が打ち合わせを行う際などに、この色見本帳が大活躍します。昔はデータのやり取りを簡単にネットでやり取りするわけにはいきませんでしたしね。

それに、現代においてすら、たとえば同じ色をデータでやり取りしても、あるモニターと別のモニターでは微妙に色が異なるようなミスマッチングがあります。

この色見帳をお互いに所持していれば、そのような意思の疎通ミスがなくなるわけです。

さて、この色見帳を発売しているパントン社は、毎年"カラー・オブ・ザ・イヤー"というものを発表しています。その色を、世界中のファッション業界や化粧品メーカー、広告業界などがいっせいに作品にとりいれているのです。

流行色といえば、2年前から流行色を決定して、ファンション業界に提案しているインターカラー(国際流行色委員会)という団体の選ぶ「トレンドカラー」が有名です。

流行というものは、ある程度作っていくものです。別に毎年どの色を使おうと構わないわけですが、業界全体で歩調を合わせることで大きな流れとなり、多くの人がそれに影響を受け、その影響が圧力を産みます。周囲からの圧力ないと、人間は購買意欲をそそられません。

周りの人々の服がオレンジ色が多くなり、自分一人だけ黒い服だと「オレンジの服を買ってみようかな」という気になるでしょう。人間は(個性を大切にするという欧米でさえ)群れを作るものでして、周りから浮き立つことを嫌います。

また、毎年新しいデサインの服が発売されますが、そこにこの流行色を取り入れることで、新しいデザインに統一感が出ます。パッと見ただけで、その色とデザインに、新ししさを感じるようになるのです。

こんなことでもないと、みなさん服を毎年新しく新調しませんからね。一昔前と事なり、今は安い服でも丈夫であり、数年買わなくても糸がほつれてダメになる事はありません。しかし、長持ちするからといって、人々がものを買わないと、内需は拡大せずお金が回りません。流行を作り出すことは必要なことなのです。


インターカラーが選ぶトレンドカラーに比べ、パントン社の選ぶカラーオブ・ザ・イヤーは一企業のものなのですが、世界のトレンドに与える影響力はなみなみならぬものがあるそうです。2013年のカラーオブザイヤーは、エメラルドグリーン。冬になると皆、暗い色調の色ばかりを着るものですが、春先には一斉に彩りある服装に変わります。その時に、エメラルドグリーンの服が多数現れるのでしょう。


とはいえ、昔はかなり影響力があったカラーオブザイヤー、近年の世界的不況の影響を受けてか、今ひとつ盛り上がりませんね。不景気になると服のような奢侈品にかける費用は一番に切られます。

それに、最近は携帯にかける費用が多いため、あまり身なりにカネをかけないのかもしれません。
ちなみに今年の流行色は、オレンジだったんですって。オレンジ、今年流行りましたっけ?

……ま、そんなもんです。


0 件のコメント:

コメントを投稿