犯罪を主導したのは、角田美代子という女性。
保険金詐欺や殺人など様々な違法行為をおこない、他人の財産を手に入れていきました。その異常な手口を聞いてゾッとしたものです。
そのときに思い出したのは、16世紀にスコットランドにいた殺人鬼、ソニー・ビーンとその一族のことでした。
長期間にわたって一族で犯罪を犯しながら生きながらえてきた、伝説的な猟奇犯罪集団です。
ソニー・ビーンの話を初めて知った時、あまりに薄気味悪く、その日一日眠れなかったほど。
このブログではこれまで、グロい話はあまり取り上げていません。
普段のハートフルなブログをお楽しみな方は、これから以降はお読みにならないほうがいいでしょう。
ソニー・ビーンの本名は、アレクサンダー・ビーンといいます。「ソニー」とは、アレクサンダーの略称です。
イングランドでは、アレキサンダーの短縮形は「アレックス」になりますが、スコットランドでは「サンディー」や「ソニー」と呼ばれます。
アレクサンダーからは大きくかけ離れているように思えますが、アレクサンダー⇛サンダー⇛サンディー⇛ソニーへと変化すると考えればわかりやすいのではないでしょうか。日本で、えり子さんのことを「リコ」と呼んだりするのと似ています。
スコットランド人には大変ポピュラーな名前であり、彼らをバカにする時に呼ばれる名前でもあります。
ソニー・ビーンの話に戻りましょう。彼は16世紀頃、エディンバラの近くで生まれました。
若い頃より働くのが嫌いで、実家の稼業を嫌って家出をし、同じように怠惰な女性、アグネス・ダグラスと知り合い、故郷を離れました。
各地を転々としながら南西へ向かい、着いた先がサウス・エア-シャーの海岸です。
北にスコットランドの西の玄関口と言われるエアという街があり、南に文化の玄関口と言われるウィットホーンという街があるため、その2つを結ぶ街道として、それなりの交通量がありました。
しかし、普段は人気のない辺鄙な場所です。
その2つの街を結ぶ海岸沿いの道は、通常はこのように見晴らしがいいのですが、
ところどころに岩山が点在しており、洞窟がいくつも開いていました。ビーン夫婦は、その内の一つを住居として選びます。
奥行きが深く、満潮になると入り口が海面で塞がれるために、外側から容易に発見されない天然の要塞のような場所でした。
(2人が住んでいたという洞穴) |
しかし、人口も少なく獲物も限られており、盗賊稼業だけでは暮らしていくことができません。
加えてこの場所は、緯度的には北海道の最北端よりもさらに北にあります。
農産物は大変高く、食料を手に入れるのもままなりません。
そこで、2人は禁忌を犯しました。
いつの頃からか、殺した旅人の死肉を食べて、飢えを凌ぐことにしたのです。
一度外れたタガは、二度と、戻りませんでした。
強盗、殺人、食人、というおぞましい犯行を生業とする生活を送りながら、彼らは男8人、女6人の子供を産み、育てます。
生まれた子どもたちは、25年の間に近親相姦を重ね、最終的には48人の大世帯となったといいます。
……ということになっていますが、私は、このメンバーには、ビーン夫婦の子孫だけではなく、殺した旅人たちの子供も含まれていると思うのですね。
あまりに増え方が異常じゃないですか。
尼崎連続変死事件でも、主犯の角田美代子は乗っ取った家族の一員を取り込みながら、勢力を増やしていきました。
子どもたちは学問は全く受けていなかったようですが、殺人のための教育は徹底的に仕込まれており、犯行は大変機能的だったといいます。
それぞれに役割分担が定められていました。
馬車の動きを止める者、人間の抵抗を封じる者、殺害する者、見張り役の者。
また、5人以上の旅人には手を出さない、などのルールを決して破ることはなかったそうです。
1人の敵に対して、必ず3人で囲んで殺す、という掟のあった新選組を彷彿とさせますね。
殺した人肉や馬肉は海水に漬け込んで保存し、洞窟の中には燻製工場まであったといいます。
大変用心深く行動したため、25年間、誰一人、捕まったことがありませんでした。
たぶん、家長のソニー・ビーンは犯罪者として優秀だったのでしょう。
この間のこの地方の行方不明者は、約1000人。
1年間で40人の死体だけでは、食べていけるとは思いませんから、普段は漁をしたり、盗品を市場で食料と交換したりして生活していたのかもしれません。
人肉は、彼らにとってはご馳走だったのでしょう。
大昔のニューギニアやアフリカでは、部族同士の戦争で殺した敵の肉を食べるのは当たり前だったといいますし、有史以前では人肉食は、普遍的な行動でした。
そう考えますと、ビーン一族の行動は、ある意味異常ではなく、先祖返りのようなものだったのかもしれません。
ところが、あるときのこと。
1頭の馬に乗った夫婦を襲った際に、妻は仕留めたものの、夫を逃してしまいました。
馬に乗ったまま半死半生でグラスゴーまで逃げ込んだ夫は、役所に事実を告げます。
失踪者の異常な件数に行政機関は頭を悩ませてきたのですが、
「洞窟を根城とする強盗集団がいるらしい」
という報告を受け、さては、彼らが犯人なのではないか、と考えます。
報告はスコットランド王のジェームズ6世(1566~1625)まで伝えられ、400人の軍隊を派遣することが決められました。
なにしろ海岸は広大で、洞窟は無数にあります。
当初は、入り口が海面で塞がれていたこともあり、捜査は難航、隠れ家を発見できませんでした。
ところが、数度目の探索で、連れていった犬が入り口を発見したのです。
(彼らが潜んでいた洞穴の入り口が満潮時にふさがっている様子) |
彼らは、抵抗らしい抵抗をほとんどせずに連行されたといいます。
父親のソニー・ビーンに命じられるがままに、注意深い行動を取っていたのでしょうが、なぜ自分たちが他人の目を避けなければならないのか、理解していなかったからでしょう。
軍隊が内部で発見したのは、大量の盗品と、人骨、そして、加工された人肉でした。
その瞬間ん、彼らがどのようにして生活してきたのか、即座に判明したのでした。
男性は両手両足を切断後に、失血死するまで放置され、女性は全員火あぶりとなり、ビーン一家の犯罪は25年目にして、ピリオドを打ったのでした。
そういえば、尼崎連続変死事件も、主犯は最初の犯行から、25年目にして逮捕されたそうです。
25年目のジンクスのようなものがあるのかもしれません。
現在、彼らが隠れていた洞窟は観光名所となり、数多くの観光客が訪れています。
怖いもの見たさは人間の性です。
私も、スコットランドに行った際は、行ってみたいような、行きたくないような。
それにしても、おぞましい。
人間というものは、それが仕事だと思えば、どんなことだってできるということを示唆しています。
人間の良心を、あまり信用しないほうがいいのかもしれません。
(The Scottish Legend Of Mass Murderer Alexander "Sawney" Bean And His Cannibal Clan などを参考)
ソニービーンの話は地元の歴史研究家とやらは存在をうたがっているけどね。
返信削除そうらしいですね。安達ケ原の鬼婆などと同じような、都市伝説かもしれません。
返信削除でもなんかこう言う連中は世界中のどこにでもいる様な気がします。
返信削除最近のメキシコでも、大量殺人が当たり前のように起きてます。一度ハードルを超えたら、後は単なる作業となるのでしょう。
削除映画のワンシーンじゃないぜそれ
返信削除本物の人肉売りの写真だぜそれ
本当ですか? それはビックリ。
削除去年、オーストラリアのニューサウスウエールズ州の農場において、近親相姦で、増えた家族が、警察と地元役所によって発見されています。 ソニービーンと違い人肉は食べてないようです。 話は、変わりますが私は今、ニュージーランドへの移住を考えています。
返信削除もしくは、カナダかイギリスへの移住を目下の目標にしています。 なぜだかわかりますか、それは、こちらのサイトでも少し載せている(尼崎変死事件)によるものです。 俺は
日本の警察が犯罪より人命よりも、民事不介入という法律を尊重することを知り、この国において、なんの未練もなくなりました。 たとへ、国籍がとれないにしても、その国で暮らせば、その国の法律で自分は守られます。 このニュージーランド・カナダ・イギリスは、民事不介入ではありません。 私は、33歳になりましたが、10年後このどこかに、移住して仕事を見つけ、家庭を持ち幸せになりたいと、今現在、爪に火をともす気持ちで、貯金をし
英語の勉強をしています。 必ず幸せになります。 最後に、助けを求め来た被害者を冷たく突き放した警察の皆さん。 地獄へ落ちろ!!!!!!!!
ニュージーランドやカナダ、イギリスの警察は日本の警察よりもひどいかもしれません……現地事情、どうなんでしょう?
削除長年ドイツ周辺とアメリカに住んでいました。
削除法律云々よりも、まず治安が悪いですし警察も日本の方がはるかに有能な気がします。
一度ちゃんと調べた方がいいかもしれません。
4:14に幽霊らしきものが出てきた・・・?あと、そんなに殺してれば幽霊とかでないかな?
返信削除書かれている内容は、私が知っているのとは若干の違いがあるな。ビーン一族は盗品などは、そこから足がつくと売りさばいたりしなかったと聞いている。ビーンの一族は最初の2人以外は全て洞窟で生まれたそうだ。もし事実なら、攫った女性を孕ますようなこともやったのかも知れないな。
返信削除まあ、豪州で近親相姦を繰り返した一族の事が知られているから、2-3世代くらいなら何とかなるようだが、彼らの場合も近親同士で生まれたときに生じる異常が子供たちの大国あったそうだ。
あと、この物語はただの伝説との話もある。私は真偽の判断は出来ないが、フィクションにしては色々とよく出来ているとは思うな。