プロム(Prom)とは、プロムナード(米:promenade、舞踏会)の略称で、アメリカやカナダの高校で学年の最後に開かれるフォーマルなダンスパーティーのことである。アメリカのドラマではお馴染みのイベントです。日本で言えば、バレンタインに似たところがあり、素敵な異性のパートナーを捕まえられるかどうかは、アメリカの高校生にとっての一番の関心事。そして、投票によってプロム・クイーンに選ばれることは、女子高生にとって最高の栄誉と目されています。
高校最後の学年(日本の高3に該当)に開かれるものをシニア・プロム(Senior prom)、最後から2番目の学年(日本の高2に該当)に開かれるものをジュニア・プロム(Junior prom)という。特に卒業時に開かれるプロムはアメリカやカナダの高校生にとってとても重要なイベントとなっている。 (Wikipedia「プロム」)
ケイトリンはプロムに参加できませんでした。大病を患い、集中治療室(ICU)で治療を続ける彼女には、外出許可がおりなかったからです。
そんな彼女のために、友達がとった行動は、集中治療室の隣の病室に会場を設置して、彼女のためにプロムを開くというものでした。
ICUの横の病室を飾るところから、始まりました。本日の主役であるケイトリンには、すべては内緒で粛々と準備は進められました。
本日のもう一人の主役、ジェイコブ。彼はケイトリンの相手役として、本日彼女をエスコートします。やや甘いマスクで優しげな彼は、たぶん、人望がある男なのでしょう。
プロムは父母や高校の全面的な協力で開催されます。そのため、裕福な家庭の子息が通う高校では、このような儀仗兵役のコンパニオンを雇って会場を盛り上げます。病室のプロムでも、それは再現されました。
会場へ、ベッドで運ばれるケイトリン。
会場は手狭ではありますが、一生懸命に飾り付けられています。日本の文化祭を彷彿とさせますね。豪華さとチープさが同居したイベント、それがプロムです。
ジェイコブはケイトリンにコサージュをプレゼントしました。
コサージュとは、布で作った花飾りであり、プロムではパートナーと選んだ男女が、お互いに贈り合うものとなります。女性は左手首につけるのが慣例となっていますが、ケイトリンはそれをはめず、傍らへと置きました。
彼女へ、人々が窓の外を見るようにうながしました。うながされたケイトリンが、身を起こして窓の外を見下ろしたところ……、
病室に入りきれなかった彼女の仲間たちが、ハートの輪を囲み、彼女を祝福していました。多分、高校のクラスメートたちなのでしょう。
そしてハイライト。彼女がプロム・クイーンに選ばれたのです。高校では満場一致で決まったのだといいます。アメリカの高校生たちの、仲間への思いが伝わってきます。
彼女は、再びICUへと運ばれていきました。闘病生活が、また始まります。彼女が気力を失いそうになった時に、このときの思い出が彼女を支えることでしょう。
病床のプロム・クイーンが、再び元気を取り戻しますように。
★ "Katelyn's Hospital Prom" より
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