世の中には、異性にモテない人が数多くいる。
彼らに尋ねると、
「イケメンじゃないから」
「美人じゃないから」
とか、
「収入が低いから」
などなど、いろいろな条件を理由に挙げることが多いのだが、そのほとんどは、あまり理由とならない。なぜなら、まったく同じ条件でありながらモテている人が確実にいるからだ。
なぜモテないのか。よくよく話を聞いてみると、彼らの「考え方」に問題があるケースが多い。
その一つに、
「ありのままの自分を見て欲しい。初対面では自分を飾りたくない」
という信念の持ち主がいる。
好きな人の前では自分を多少なりとも飾り、演技をして、選んでもらおうとすることを「欺瞞だ」ととらえる人々だ。
友人としてつきあうならば、信頼のおける相手だ。嘘や気取ることが嫌いで、自分をさらけ出し、その結果、自分が損をしてもかまわないと思う人間たち。彼らからは裏切られる可能性も少ない。
ところが、このような人が憧れの異性の前に出るとどうなるか。
「誠実でありたい」
という気持ちが邪魔をして、普段の自分の欠点を、時には誇張してでも相手に見せてしまうのだ。
服装のセンスに自信がないならば、デートの際に敢えて普段着で現れる。
収入が少ないならば、デートの際にあえて割り勘をする。
自分の失敗談ばかりを話してしまう。
……これを「相手に対して誠実な行動だ」と考えてしまう。
それをおかしい、と指摘しても、なかなか治らない。
ただ、それも仕方がない一面がある。
なぜなら、「誠実である」かどうかは、普段の選択の積み重ねだからだ。
日々生活をして入れば、
「嘘をついた方が楽だな」
と思うことが多々ある。そして、バレない嘘は世の中にはたくさんあり、それが自分の利益になることもたくさんあるもの。
友達同士で、「◯◯は嫌な人間だよね」という話が出た時に、◯◯のことを嫌いでなくても、「そうだよね」と相槌を打つこと。
仕事でミスを必ず報告するように指摘されていても、バレない些細なミスは報告しないこと。
「お味はどうでしたか?」と問われて、マズいと思っていても「まあまあです」と答えること。
こういった小さな「嘘」をつく人は多いはずだ。でも、それは悪いことではない。バカ正直にすべてを告げても、損をするのは自分だけ。いや、時には周りを不愉快にすることだってあるからだ。
正直であるように求められ、それをほめられるのは小学生の頃までだ。大人になるとはうまく現実と折り合うことでもある。
(明日に続きます)
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