ただ、単なるCGがスゴイ映画かといえば、さにあらず。ハラハラワクワクする面白さだけではなく、深く考えさせる映画でした。記憶にいつまでも引っかかる、印象的な映画でもあります。
自分自身の「存在」についての映画です。我々個人が認識している世界は果たして現実なのだろうか。もしかしたら、別次元のなにかに見せられているだけなのかもしれない。このテーマについて問う映画は「バニラスカイ」「マトリックス」を代表にはたくさんあります。物語中盤から主人公の心情も理解できるようになり、そうなるとインセプションの世界に吸い込まれていきます。非常によくできた作品だと思います。(Amazonレビューより)私にとってもこの映画は、深く記憶に残りました。日常の中で、時々この映画のことをふと思い出すことがあります。人間の深層心理に分け入って、そこに潜む記憶、トラウマを探っていくことで見えるもの、他者の介入によって書き換えられる記憶……人間の心理とは何か、記憶とは何か、その曖昧さ、美しさ、脆さなどについて、思いを馳せます。
不思議な雰囲気を持つ、最後に深い感動を与えてくれる映画です。
この映画は日本の「パプリカ」から影響を受けたそうですが、私はまだ観ていません。
ところで「インセプション」の中では、コマの回るシーンがとても印象的でした。
ややネタバレになります。
他人の潜在意識に入るサイコ・ダイバーたちは、夢の中へ侵入するうちに、次第に今いるのが夢なのか現実なのか分からなくなります。それを防ぐための小さな道具を、一人ひとりが持つように義務付けられています。それはサイコロだったり、チェスの駒だったりします。
主人公のドム・コブ(デカプリオ)のそれは、コマでした。
夢の中では、コマはいつまでも回り続けますが、現実では必ず倒れます。
思えばコマというものは面白いものです。地上に一点のみで接し、微動だにしないその姿は、回転している間は現実からかけはなれていて、つかの間の白昼夢を見ているようです。ところが、やがて重力という現実にとらわれて、コマは倒れます。夢はいつか醒めるものという現実がそこにあるkのようです。
「インセプション」監督は、このような寓意をコマに見出したのかもしれません。
ところで、映画の小道具として使われたこのコマを、以前バーで回していた人がいました。
映画好きだというカウンターレディーに、客の1人が、「インセプション」の話を始めました。お互いにあの映画は面白かった、という会話で盛り上がった後、やおらその客はポケットからこのコマを取り出しました。
「僕は、あの映画を観て、気になってさ。このコマを買ったんだ。そして、ときおりこうして回す。(テーブルの上で回し始める)。不安定なはずなのに、奇跡的にバランスをとって回る姿が面白くてね……。回すうちに、ストレスを忘れるんだ」
カッコいいなぁと思いながら横目でその客を眺めていましたが。ふと目を上げると、カウンターレディーの客を見る目が、違うのです。まるで、何かに陶酔したような、トロンとした目つき。そのあと、2人はやけに親密になり、2人でどこか別の場所で会おうよ、という密談を始めたのです。
数日後に再訪した時、2人はできたらしい、という噂を他の店員から聞きました。この日のことが、2人を結んだキッカケになったのかもしれません。
コマには、観る人を催眠状態にする効果があるのではないでしょうか。コマのような回転するものを見つめると、人は催眠状態(トランス状態)へと容易に導かれて、そして、その時に言われた言葉は、被催眠者の心の奥底へと吸い込まれていく……。
ありえないことではありません。催眠術をかけるとき、術者は被催眠者の目の前で指を回すじゃありませんか。回るものを見つめると、人は簡単なトランス状態へ導かれてしまうのは、みなさんご存知でしょう。
人間は催眠状態になると、お酒に酔ったような状態となります。陶酔へと導かれ、判断力が弱まり、心の壁が取り除かれるのです。回るコマを見てもらいながら意中の女性を口説く、という方法は、大変理にかなったものといえるでしょう。
ちなみに、催眠状態に導かれて意志力が弱まるのは、女性に限りません。男性だって同じですし、口説くためではなく、お子さんを叱るときにもこの方法が有効かもしれません。コマを回し、一緒に見つめつつ、子供を叱るのです。普段は反抗ばかりするお子さんが、素直に親の言うことを聞いてくれるかもしれません。
こんなことを書いているのは、ここのブログしかないと思いますよ。あまり知られていない今がチャンス。映画の話に持ち込んで、「インセプション」の話をしながら、コマを回して、そして口説く。この方法を、是非、試してみてください。
……さて、どうせ回すならば、すぐに倒れるコマではいけません。上記のコマは、映画の小道具と同じ、という点が長所ですが、もしもコマ自体の催眠効果で何かを成そうというのならば、もう少し長く回せるコマの方がいいでしょう。
そんな時にお勧めするのが、この「精密コマ」です。
(明日に続く)
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