時給760円の主婦パートから3年で店長昇格、売上を3倍にした中昌子さんの本『社員もパートもみずから動き出すこころの報酬の与え方』を読みました。
この本のコンセプトを知った時に興味を持ったのは、パートから始まり今では経営コンサルタントとして日本中を飛び回るという女性の改革法とはどのようなものなのかということ。
主婦と何千万円も稼ぐ経営コンサルタントの間はあまりにかけ離れています。経歴を持っているのではないだろうか、と疑いながら本を読み始めましたが、書かれていることは極めてまっとうでした。
正直言いますと、ここに書かれていることは、私がすでに知っていることでして、敢えて買わなくても良かったかもしれません。
でも、よくまとまっています。おカネもなく、人材にも恵まれない中小企業の経営者、とても小さな組織のマネージャーができること、こういったことが極めてコンパクトに、必要最低限のことが書かれているのです。小さな組織にできることはたかが知れていまして、著者が勧めるこの方法くらいしか、実行できることはないと思うのですね。逆に言えば、この方法だけに行動を絞ればいいため、考えずに実行出来ます。その点で、1冊の虎の巻と言えそうです。
彼女が推奨する「わくわくリーダー」について、紹介しましょう。
- 笑顔が素敵で目力があり、生き生きとしてパワフル
- 熱い思いがあり、軸がぶれない
- 自分の仕事に誇りを持ち、天職と思っている
- 自分の会社、自分の上司・部下に誇りを持っている
- 部下に対する愛がある
- 自分大好き
- 思いを伝える&思いを形にする力がある
- 行動が早い
- 巻き込み力を持っている&のりが良い
- 人を大切にする。おもてなし力がある
- 謙虚で「ありがとう」をたくさん言う
- 自己管理ができている
- 言行一致、約束を守る
- ユーモア感覚や遊びココロがある
- オシャレで清潔感がある
- 学び続けている
- 常に問題意識を持っている
- 何事も「自分原因論」で。自分を客観視できる
- 自分の可能性を追求し続けている
- 世のため人のためにという夢を持っている
こんな共通点を持っているのが、小さな組織の中で部下のモチベーションを上げることができるリーダー。軍隊で言えば、小隊長クラスに求められる人物像といったところでしょうか。
小隊は、概ね2個から4個の分隊で編成され、30人から50人程度の兵員を有する。
大手の組織となるとまた別ですが、中小企業のリーダーにとって役だつのは、元官僚やMBAホルダーの語る高度な理論よりも、こういう愚直なリーダー論ではないでしょうか。
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