2013年6月23日日曜日

フランスの子供にはADHDが少ない

「発達障害」という脳の障害の存在が、日本でもここ数年、大勢の人の知るところとなった。テレビや雑誌で、異常な犯罪を犯す原因として挙げられたり、片付けられない人々の理由として紹介されたり……教育現場ではある程度知られた概念だったようだが、それがここ数年、一気に日常の中へ浸透していったのではないか。

その手の診断では先進国であるアメリカでは、現在小学生の9%がADHDと判断されて、その多くが投薬治療の対象となっている。

ところがアメリカと同じく心理学が発達し、先進的な幼児教育が多く行われているフランスでは、ADHDと診断される子供の数が圧倒的に少なく、小学生全体の0.5%に過ぎないらしい。

その理由はいくつかある。たとえば、アメリカとフランスのADHDの捉え方の違い。アメリカでは発達障害は生来的なもので、肉体的な障害であるから、薬を飲ませて治療するのが当たり前だというもの。

ところがフランスでは状況が異なり、今でもADHDは生活環境などの影響によってその症状が出ていると考える研究者が多く、投薬に頼らず環境整備やカウンセリングによって治療するのが一般的なのだという。

一方はADHDを生来的なものだとみなし、もう一方は環境によるものだとみなした場合、前者はある一瞬を切り取ってADHDであると判断するのに比べて、後者はそれよりも長い期間をかけて、よくよく観察しながら最終的な判断を下そうとする。結果、フランスでは子供を安易にはADHDとして判断しないようだ。

またフランスでは、食品添加物をあまり取らせないとか、夜泣する幼児は泣かせっぱなしにする、というしつけ方法が取られるという。それが子供の脳の発達にかなりいいらしい。

また、子供をアメリカよりも厳しくしつけるため、フランスの子どもたちは、ADHDの症状をあまり起こさないという。

教育で子供の有り様が大きく変わるというのならば、ADHDとして投薬の対象となるアメリカ人の子どもたちは、実は不必要な治療の対象となっているのではないか、という気がしてならない。

ADHDは作られた病であることを『ADHDの父』が死ぬ前に認める」という記事が指摘する通り、アメリカでは製薬会社が裏で専門家と手を組み、金の成る木を量産しているということだろう。


参考 Why French Kids Don't Have ADHD

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