「なに、それ? 居酒屋でお見合いパーティーするの?」
「違うよ。パーティーがあるわけじゃない。居酒屋の店主が、来店した若い男女に声をかけて、お見合いさせるらしいんだよ」
なにそれ、面白い・・・・・・。
面白いものには目がない。婚活に情熱を傾けている訳ではないが、なにしろ今の私は独身。「婚活居酒屋」とやらに潜入する資格は十分ある。
結婚後にも参加可能だろうが、店の他の客に対して、
「私、独身なんですよ」
と言えるのと言えないのとでは、行ったときに受ける待遇は随分変わるだろう。
行くのならば、今でしょ?!
……という訳で、私と友人は、二人で品川駅の近くにあるという「四万十」に向かったのである。
※この体験談は、3回ほどに分けて記事にする予定なので、先が気になる方は後でまとめて読む方がいいかもしれない。さて、品川駅の近くにあるという友人情報は、その後訂正され、当日の集合場所は、店の最寄り駅である「青物横丁駅」という耳慣れない名前の駅の改札前になった。京急本線で品川駅から浦賀行へと向かうとすぐの駅である。
「お待たせ!
「遅い~♡」
などという会話で盛り上がるカップルを横目でにらみながら、それでも期待に(何の?!)胸膨らませて待つこと10分(その日は何故か、10分前に到着したのだ)。友人が時間通りに現れ、二人で照れながらイソイソとお店に向かう。改札を抜けて、正面の道を右へと曲がって数十メートルで店へ着いた。
店の前には大きな看板で「四万十」の文字。これで見逃すことはないだろう。
2階へと上がる。金曜日の夜のためか、店内は大変混んでいた。7時から開店すると聞いていたが、まだ8時なのにこの混みようは何なのだ?!
店の入り口には坂本龍馬の写真がいくつも張られている。「四万十」という店名の由来は土佐の四万十川であり、土佐料理が一応、この店のメインなので、店主も竜馬ファンなのだろう。
事前に予想していたような、婚活に勤しむ年配の女性が多いのではないか、という予想は外れ、私の前に立っていたのはうら若き20代の女性。
(特定を避けるために、カバンを塗り潰しています) |
「案外、若い女性が多いね」
「意外だよな」
友人と語りあいながら待つこと15分、2階への大広間には通されず、
「3階へお上がりください」
と指示されて階段を上った。
どうみてもマンションの一室が上にはあり、ドアが開いている。
「おいおい、ここ、従業員の部屋かなにかだろ? 別のフロアがあるんじゃないか。訊きなおそうぜ?」
慌てる友人に、すでにネットでこの店の変わったシステムをあらかた調べていた私は、
「これだよ! この個人の住居での宅飲みのような雰囲気こそが、この店の売りなんだ!!(ドヤァ)」
と自慢した。
そう。このお店では、婚活という、見ず知らずの男女が話すという心理的なハードルを下げるために、敢えて自宅のような間取りの空間を用意、まるで自宅で飲むような雰囲気を演出しているのだ!!
「ええ!!」
という予想通りの友人の感嘆の声。店の雰囲気について綴ったブログを読んでなければ、私も信じられないよ、と心の中でつぶやきながら室内へ入った。
(「婚活居酒屋「四万十」に行ってきた! 中」に続く)
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