Company Sells Pork-Laced Bullets To Fight Islamic Terroristsより |
米国の「South Fork Industries」社は、豚肉を使用した塗料でコーティングされた銃弾の販売に着手した。同社の説明では、イスラムの教えにおいて豚肉は不浄なものとされているため、この弾丸で銃殺されたイスラム過激派戦闘員の身体は「汚された」ものであり、聖戦士たちは自らの基本的な天国に入るという目的を達する事ができなくなる。
この発想はなかった。ネタ元がThe Voice of Rusiaなので少々怪しいけれども、記事としては面白い。
タリバンだのアブ・サヤフだのアルカイダだのは、千年以上前のコーランの教えを現代に蘇らせようと考えている一種の狂信者。当時の迷信に満ちたイスラム教の説く物語を信じている。そこにつけこみ、心理的にいたぶるという手法は巧みだ。
現実的な話、天国も地獄もないのだから、銃弾に禁忌といわれるものが塗られようと呪詛が埋め込まれようと撃たれた人間があの世で苦しむことは、ありえないのだが、それを言い出すならば、そもそもお互いに死を賭してまで戦う意味がない。形而上の価値を信じているという点では、アメリカ人もイスラム教徒と変わらない。
誰だって死ぬのは怖い。宗教は死の恐怖に打ち勝つための方法であり、どの国の兵士も大抵、迷信深くなる。そうすると、こういった魔術系の武器が精神的にダメージを与えられるのは、イスラム教徒だけじゃなさそうだ。
今後は、お互いに魔術的テクニックを利用した兵器開発が進められるかもしれない。たとえばエノク語で書かれた、必ず地獄に相手を送る呪文を銃弾に刻む、とかね。物理的に効果があるかどうかが問題ではなく、人間がそれを信じるかどうかだ。
「信じる者は救われる」
という言葉があるが、逆に、
「信じるばかりに苦しめられる」
ということだってあるだろう。信じる人がいる限り、歴史の彼方に葬ったはずのオールドテクノロジーは何度でも蘇る。
怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化していく。近代社会とイスラム社会の戦いが世界中で頻発する内に、近代社会にも様々な迷信が蔓延していくのだろう。お互いに魔術道具を実装して闘う風景が日常的になるかもしれない。数年以内に、銀の弾丸が発売されても、可笑しくはない。もともと笑えない話だが。
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