当時、パソコンに詳しい友人によれば、
「IBMを買っておけば間違いない」
ということだった。値段の割には高スペック、ということらしい。その友人も、さすがに中国のメーカーに買収された後は不安がっていた。
その後、レノボの品質に問題があるという話も出なかったものだから、再び、
「これほどコストパフォーマンスがいいものはないよ」
とレノボを彼は推していたのだか、下記のニュースを聞いた彼は、どう考えるのだろうと、ふと思った。敢えて尋ねるのも意地悪なので、訊かないが。
レノボの作ったパソコンには、外部からの情報詐取に弱い"穴"があるために、欧米の諜報機関では利用禁止の通達が出ていたという。
オーストラリアのメディア「The Australian Financial Review」(AFR)が7月27日に報じた記事が大きな波紋を広げている。「Spy agencies ban Lenovo PCs on security concerns」(諜報機関がセキュリティー上の懸念からレノボのPCを禁止)と題したもので、「オーストラリア、米国、英国、カナダ、ニュージランドの諜報・防衛機関における機密性の高いネットワーク上でレノボ製PCの使用を、『ハッキングに弱い』として禁じた」としている。
セキュリティー面で、レノボ社のものが特別に劣っているという理由がよくわからない。ウイルスの駆除などはウイルスソフトが行うものだから、ハードはそれほど関係ないだろうと思ったのだが、どうやら、ことはもう少し複雑なようだ。
AFRによると、レノボの回路から典型的な脆弱性を超える「悪意ある修正」が発見され、PCの利用者が知らないところで、外部からアクセスされる可能性があるという。いわゆる「バックドア」(勝手口)と呼ばれる手法だ。
首をひねった。いくら中国でも、自国の産業の評判を悪くするような、そんな方法を取るだろうか?
よって、この記事自体ガセなんじゃないかと思ったりもしたのだが、こんな記事が飛び込んできた。
文書・資料やデータをインターネット上で共有できる中国の有力サイト「百度文庫」に日本企業の社外秘資料や内部文書が1、2年前から大量流出し、誰でも見られる状態になっていることが7日分かった。
これで、もしも被害にあった企業がすべてレノボを利用していたらレノボの責任がほぼ確実なのだが、東芝が被害にあったところをみると、このケースを上の記事と結びつけるのは早計かもしれない。
東芝のパソコンは、値段が高いという欠点以外は大変素晴らしいパソコンだ。使いやすく機能が大変高い。あるサイトが重くて固まっていようとも、それ以外のウィンドウを自由に動かすことができる。あんな高機能パソコンを値段を気にせずに購入できる社員ならば、わざわざレノボのパソコンを買うことはあり得ないだろう(とも言い切れないか。人間は全て合理的に行動するわけでもないし)。
いずれにせよ、中国のパソコンメーカーであるレノボのパソコンにはセキュリティーに大きな穴があり、中国人は様々な手をつくして情報を世界中から引き出そうと躍起になっていることが浮き彫りになった。
この2つを因果関係で結ぶ必要はないが、2つの出来事が同時期に報道されたということだけでも、中国製のPCやネット技術自体を今後は信用してはならない、という判断を下すのに十分ではないだろうか?
レノボは確かに値段の割には高性能だ。でも、信用出来ないものを敢えて買う必要もない。他に良いものはたくさんあるのだし。日本もコストパフォーマンスのためだけに中国にソフトウェアの開発を丸投げしていたら、後でとんでもないしっぺ返しにあうかもしれない。
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