興味はあったものの、そこまで暇でもなく放置していたのだが、先日時間があいたので、ふと思い立って、ネットで調べて高田馬場にある「預言CAFE」へと足を運んだ。
山手線の高田馬場駅の戸山口を右に出て、道路を左側にまっすぐ進むと、通信教育講座で有名なユーキャンのビルが見える。それを通り過ぎると右側に赤い屋根の小さな喫茶店が見える。それが預言CAFEだ。
未来を当てるのは予言だが、このCAFEでもらえるのは「預言」
【預言とは】そう。ここは占い喫茶の体を装いながら、その実キリスト教の布教のために作られた旗艦店なのである。ところが、占いが本格的で勧誘もほとんどされないものだから、いい噂が広がり、人気店となったようだ。
キリスト教で、神託を聴いたと自覚する者が語る神の意志の解釈と予告。また、それを語ること。
――goo辞書より――
平日の昼下がりだったが、店の中にはすでに数十人もの人が順番を待っていた。ノートに名前を書いて、私も椅子に座る。本名を書くのが嫌だから、私は偽名を使った。
1時間近く待っただろうか。ようやく名を呼ばれて席についた。中は小奇麗である。
「お買い求めください」
と書かれていた。アメリカの田舎で生まれたキリスト教のある一派が、日本で布教するにいたったきっかけなどが書かれていた。
注文したコーヒーはすぐにやってきた。 1、2分ほどすると、横に40から50ほどの年齢の女性が座る。それはさきほどまでウエイトレスとしてコーヒーを運んでいた女性である。
(まさかこの女性が占うんじゃなかろうな)
と危惧していたが、案の定、彼女が占い師だった。私は落胆した。
(もっとそれらしくないと、信じられないよ)
私の落胆を尻目に、彼女は淡々として、
「では、始めさせていただきます。よろしいでしょうか」
などと言うので、慌てて私はiPhoneを彼女に渡す。
ここの店は、預言を何度でも反芻できるように、録音機での録音を推奨している。
今では誰もがスマートフォンを持っているので、周りのテーブルでも、それで録音しているのがちらほら見えた。
さきほどまでの雰囲気とは一転、その女性はよどみなく、神様から与えられたという「預言」を語り始めた。その長さ、約4分である。
自分が同じ立場だとして、同じように話せるか、と問われれば自信がない。何かコツがあるのだろうが、面白い。確かに知らない人が見ると、人智を超えた何者かが彼女に憑依しているようにも見える。ユタやイタコもかくや、という代物である。
語る内容にも驚いた。ちょうど私がその時に抱えていた悩みを解決するのにドンピシャなものなのである。喫茶店に入って私は本を読み、誰とも何も語らなかったにも関わらず、私の抱えていた疑問を見透かし、それに合わせた答えをドンピシャと、よくぞ出せるもんだね。
不思議な話だ。占いだから、誰にでも当てはまることを言うもんだと思っていたので、面食らった。
コーヒー1杯の値段が700円とお高いものの、通常あの量のことを語ってもらうならば街角の占い師に3000円払う必要があるのだから、お得だろう。
暇な人は行って損はない。
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