訳あって賃貸物件の相場を調べる機会が先日あった。
久々に調べて、
「確実に賃貸物件の相場は下落している」
ということを実感した。
昔は敷金2ヶ月の物件が当たり前だったのに、今では敷金1ヶ月で優良物件が多い。家賃も、感触的に5000円~1万円ほど安い値段で同じような物件を借りることができる。
数年前に、投資用マンション購入がブームとなった。あの当時の家賃が、35年間保証されるだろうと予測して購入に走った人々は、少しずつ下落している家賃相場に青ざめているのだろうか。それとも、ゆでガエルのように、危険を感じないまま、
「また家賃が上がるだろう」
と楽観しているのだろうか。
『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』これからオリンピックが始まるので、景気が上向くだろう。だから、インフレも続くために、不動産の相場も一時的に上昇するに違いない。だが、もっと長期的に見たらどうだろうか? 確実に、家賃は下落し続けるのではないか? いや、もともと下落するものがアベノミクスで人為的に上昇させられたとしたら、その分振り幅も大きく、オリンピック後に一気に不動産相場は冷え込み、釣られて家賃相場も大幅にダウンするのではないか?
およそ人間は環境適応能力を持つがゆえに、暫時的な変化は万一それが致命的なものであっても、受け入れてしまう傾向が見られる。例えば業績悪化が危機的レベルに迫りつつあるにもかかわらず、低すぎる営業目標達成を祝す経営幹部や、敗色濃厚にもかかわらず、なお好戦的な軍上層部など。
下記の話を読んで、余計にその意を強くした。
★ マンション業界は確実に衰退する 20年後は9割減の市場縮小も…
現在、マンション購入の「適齢期」と呼ばれる30代と40代の人口は、約3490万人である。10年後は約2980万人にまで減る。減少率は15%。簡単に言えば、お客さんの絶対数が15%減る。これが20年後には2490万人になる。減少率は約29%だ。
するとどうなるのか。実は、今でも日本の住宅は余っている。5年前の統計で、日本全国の空き家率は13%だった。
10年後は、この傾向がさらにはっきりしているだろう。中古住宅の価格や賃料が、今ほど若年層の負担にならないレベルにまで下がっているはずだ。すると、多額のローンを組んで無理とリスクを背負いながら新築マンションを購入することに、多くの人は意味を見いだせなくなる。未来予測はできない、などと言われるが、実は唯一、人口動向に基づいた予測した未来は、大変正確であることが知られている。出生率が急激に上向いたとしても、これから数十年間、労働者人口が減少を続けることは間違いなく、住宅市場が冷え込む一方であることは間違いない。
そうなると、市場の縮小は人口減少率をはるかに上回る規模となる。10年後は今の半分、20年後は9割減でもおかしくない。つまり、マンション業界は確実に衰退することになる。
賃貸派にとって、ますます有利な時代になってくるのだろう。
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