未だ人気を維持している物語。作品放送時には秋葉原のラジオ館とコラボしてこんな大掛かりな企画も行われた。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1110/28/news045.htmlより |
(以下、ネタバレあり)
↓ ↓ ↓
実は第三話か四話辺りで観るのを一度止めている。
話にリアリティーを感じ取れずに作品に没頭出来なかったからだ。
今振り返れば、それが何故なのか自分でも不思議だが、その要因をなんとか思い浮かべてみると、登場人物の設定に不自然さを感じたことが一番の影響のように思う。
主人公は思春期特有の妄想癖――いわゆる「中二病」をこじらせた大学一年生。
その友人はデブのキモオタでサブカル好きの、2ちゃん用語を駆使するコンピューターの天才。
幼なじみの天然系の美少女がいて、それにアメリカからやってきた天才美少女や巫女さんの格好をした美少年がからむ。
「詰め込みすぎだろ?」
と突っ込みたくなる出来過ぎた設定にまず、呆れた。
それに、彼らが事件に巻き込まれるのは、彼らが偶然発明したタイムマシンが原因というのだから、荒唐無稽と言う他ない。
荒唐無稽であっても地に足の着いた描写の積み重ねで真実に思えることはあるだろうが、主人公やその友人たちの会話の一つ一つが痛々しく、日常から浮いていた。
2ちゃんねる用語を日常会話でこれだけ多用することはまずなかろう。
このようなわけで一度は『STEINS;GATE』を観るのをやめたのだが、その後ネットでこの作品に関する話題に接するたびに、落ち着かなくなった。
何しろファンが熱い。彼らはシュタインズ・ゲートに対する惜しみない愛を語り、その魅力について解説する。
(これだけ世間の人が面白いと思うのならば)
私は考えた。
騙されてもいいから、最後まで観てみよう、と。
この考えは間違っていなかった。
第10話近くまで途中を飛ばしながら観ていたが、段々と話が深刻になるにつれて、
(もしかして、これは面白いかもしれない)
と思い始めた。
そして、第12話から物語は大きく動き出す。
ヒロインの1人が死んでしまうのだ。
そして、主人公はその死を食い止めるために、タイムマシンを駆使して過去へ何度もタイムリープすることになる。
ここからの展開は怒涛のようだった。
いくら戻っても過去改変できないという事実。
次第に明らかになってくる敵の姿。
登場人物の心情のヒダを描き、過去を描くことで明らかになった彼らの振る舞いの理由。
逆転につぐ逆転劇。
ここから数話に関しては、途中で観るのをやめることが出来なかったのである。
至福のときを過ごした。
最後まで観た時に、この作品が私の中で大切なものとなったことが分かった。
観る価値があると思う。
是非観て欲しい。
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