2013年11月3日日曜日

日本の動植物の"力"

ふくやまけいこのマンガ『東京物語』の主要人物である牧野草二郎が漢方薬の元になる薬草を日本で探そうとして、こう嘆息したシーンがあったと思う(うろ覚えだが)。
「大陸に比べると、日本の植物の力は弱い」

漢方は中国が本番だ、それに比べると日本は島国。さもあらん、とそのときは考えたけれども、日本の動植物の持つ潜在能力は、大陸に比べても、決して引けをとらないようだ。

ニホンミツバチの蜂球
よく知られているのはニホンミツバチのスズメバチ退治法だ。日本に古くから生息するニホンミツバチに比べて繁殖力が強いセイヨウミツバチが明治期に導入され、瞬く間に日本の都市部に広がった。
心ある人々は外来種によって在来種が駆逐される可能性を憂いた。しかし農村部や山村へセイヨウミツバチの生息地が拡大することはなかった。最強の害虫とも名高いスズメバチの尖兵を、セイヨウミツバチは退治できずに、生息地を広げられなかったからである。

これに対し、ニホンミツバチは蜂球という方法を使い、スズメバチを圧殺してしまう。
http://eco.goo.ne.jp/business/csr/ecologue/wave35.htmlより
日本のカエルはカビに強い
つい先日の記事で、カビによって両生類が絶滅の危機に瀕していると書いた。

★ 両生類が身をもって、グローバリズムの危険性を訴えている

だが、最近の研究によると、日本の両生類は古くからツボカビと共存していることが分かったという。だから昨今のツボカビ流行によって、日本の両生類が絶滅する危険性は少ないらしい。

★ 新ツボカビ、日本に50種 両生類と共生し進化か

世界に広がる日本由来の外来種
日本初の外来種が世界各地で猛威を振るっているという話もある。アメリカではクズという植物が猛威を振るい、今では南部の風物詩になった。
マンガにもなっているほど
オーストラリアやニュージーランドでは昆布が大繁殖していて、現地の人々が対策に苦慮している。

★ ニュージーランドに日本の昆布が生えて漁業被害 日経新聞より

イギリスではタデが大発生している。どう駆除すればいいのか試行錯誤する日々のようで、未だ解決に至っていない。

★ イギリスにタデ食う虫を輸出


日本は小さな島国だ。住む人種も小柄、大型獣も熊くらいしか生息せず、特有種にも乏しい土地柄ではあるけれども、世界の中で日本の植物はこうして奮戦している。

何か感慨めいたものを、私は感じてしまうのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿