http://www.blue-style.com/index.htmlより |
ところが、マンションのスラム化が進んでいるという。特に、高層マンションのような大規模マンションのスラム化が今後大きな問題となっているらしい。
★ マンションのスラム化データ(賃貸化率・空室率)を可視化してみた
上記ブログによると、大規模マンションは次の6ステップでスラム化していくそうだ。
- 少子高齢化によるマンション需要の縮小で空き住戸が増加する。
- 空き住戸の増加と共に、住民の高齢化や賃貸化が進み、大規模なだけに合意形成が困難で、管理組合が機能不全になる。
- 管理組合が機能不全になると、適切な維持管理ができなくなるので、経済的に余裕のある人は二束三文で住戸を売却して出ていく。そしてマンションのスラム化が進む。
- 二束三文でマンションを手に入れた住民と、脱出しそびれた住民には、もはやマンションを再生する力はない。
- 物理的な耐用年数が経過したマンションを住民だけの力で、再生できないことはもちろん、撤去・更地にすることさえできない。
- 倒壊の危険があっても、住民に代わって、朽ち果てていくマンションを撤去・更地にする財政的な余裕は自治体にはないであろう。
需要縮小による空き部屋増加とう順番で大規模マンションのスラム化が進んでいくという。
↓
住民の高齢化、貧民化が加速
↓
住民の合意形成困難
↓
マンション劣化、補修困難
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質のいい住民の退去加速
↓
マンションスラム化
これって、まるで現代世界を見ているようじゃありませんか?
たとえばヨーロッパ共同体。
EUは、国同士の紛争に嫌気が差し、またアメリカやソ連という超巨大国家に対抗するために誕生した。最初は、地域統合によるメリットばかりがもてはやされた。巨大マーケットの誕生、世界に与えるインパクト、などなど。これは超高層マンションの売り言葉とどこか似ている。「巨大な住宅街が新しくここに誕生」とかね。
また、彼らは移民の自由を掲げた。高齢化が進み、出生率の低下が問題になり始めていた数十年前の先進国では、国力が落ちていくのを避けるため、地域統合と並行してアフリカや東欧からの移民を受け入れた。
その結果どうなったか? 大きくなりすぎた共同体は合意形成が困難となったし、多くの移民を抱え込んだ地域では治安が悪化し、解決の目処がたっていない。光り輝くようだった10年前のEUへの憧れは、今はもうない。
グローバリズムは無責任主義、というのが私の持論だ。ボーダーレスとなると、責任の所在が曖昧になる。マジメにルールを守っていた者が損をして、宣伝をして短期的利益を上げて売り逃げた者が得をするようになる。誰か1人が世の中をよくしようと立ち上がっても、もはや世界が大きくなりすぎて、少数の力では社会を変えることができなくなってしまう。
ボーダーレス化、拡大化が進むのはEUだけではない。TPPを推し進める米国だとか、東南アジア諸国を半植民地化しようとたくらむ中国だとか、市場を拡大しよう、国家の枠組みを解体しよう、というグローバリズムが昨今は跋扈している。
でも、現在進行形で進む大規模マンションのスラム化が、世界の行く末を暗示している。
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