CDや雑誌が売れない理由は、IT技術の進歩のせいだと言われている。
たしかにそれは一面の真理だろう。いつでもどこでもネットにつながるようになり、スマフォをいじるのにみんな夢中で、雑誌を読んだり音楽を聴いたりする時間が奪われた。おまけに、ネットで音楽を不正ダウンロードする人も多いに違いない。そりゃ、CD売れないよ。
……と思っていたが、楽曲の不法ダウンロードを厳しく取り締まるようになったにも関わらず、CDの販売高が戻らないという報道を数ヶ月前に読んで以来、考え方が少し変わった。
他に原因はないのだろうか? と思っていたところ、たまたま読んだ本にこう書かれていた。
小説ははなはだ不思議な出現で、貴族生活の糜爛の中に中流階級の清冽な泉が噴きだした時、あたかも地底に埋没した人の声の如くに響きいでたのである。
18世紀末のイギリスの文学の突然の勃興について述べた、イポリット・テーヌの『英国文学史』の中の一節だ。
つまり。
小説のようなコンテンツ産業が隆盛を誇ったのは、中産階級という小金持ちが西欧諸国で増えたから。だから、この階級が没落していけば、コンテンツ産業の元気がなくなるのは当然。小説と同様、CDもまた中産階級が多く消費する。この層の購買能力が下がったことは昨今の格差社会の進展によって明らか。
コンテンツ産業が栄えた理由が中産階級が発達したことならば、中産階級が次々に没落していることのほうが、CD売上激減の酒販としては正しいのじゃないの?
コンテンツ産業が栄えた理由が中産階級が発達したことならば、中産階級が次々に没落していることのほうが、CD売上激減の酒販としては正しいのじゃないの?
学生時代を思い出す。CDを浴びるように聴いている層というのは、(偏見だけれども)クラスの中のヤンキーだとかちょっと遊んでる連中だとかが多かった。偏見ですが。
でも、CDを買っていたのは間違いなく彼らだ。言わば中産階級の底辺層。そこに金が回らなくなったのは音楽業界にとって、大きな痛手だろう。
「不況のせいで嗜好品に回すカネがない」
といった一時的な現象ではなくて、もっと大きな歴史的転換点に私達は立ち会っているのかもしれない。
でも、CDを買っていたのは間違いなく彼らだ。言わば中産階級の底辺層。そこに金が回らなくなったのは音楽業界にとって、大きな痛手だろう。
「不況のせいで嗜好品に回すカネがない」
といった一時的な現象ではなくて、もっと大きな歴史的転換点に私達は立ち会っているのかもしれない。
IT技術の発展と格差社会の進展。この二つが、様々なものを大きく変えようとしている。
本を読みました。
返信削除この嫌な奴が底辺ってブログを書いてるんですね。
ブログじゃいい事書いてるけどすごい嫌な奴ですね。
最後はスカッとしました。
ち、違いますよ~
削除ああ、分かりました。あの前書き自体が「無限の地平はみな底辺」を書いている底辺さんへの皮肉、だと思われたのですね。
まずは、本を読んでいただいたことへ感謝の念を。
ありがとうございます。
そして、前書きが、本意の伝わりにくい文章だったことへの、お詫びを。
申し訳ない。
あの本の元となったことを経験したのは、数年前です。底辺さんのブログに出会ったのはその後。
彼のブログからはむしろ、いろいろなヒントや教訓を得ることができるため、感謝しているのです。