「きんどるどうでしょう」で、管理人zon氏が昨年1年を振り返る記事を書いている。アフィリエイトで大儲けしているそうだ。
★ Kindle本の紹介アフィだけでご飯を食べているわたしの12ヶ月間。
・メディアとしてはまぁまぁ大成功で収益については右肩あがり大成功じゃないですか!
・3年目には有料販売のみで累計100万冊になる
・1年間で194万PV。
・Kindleストアにある本の数が160,755だから約1割は取り上げている
・食うに困らんし多少は国内旅行もできる
・数年頑張ったら中古物件の頭金くらいだせるなっ!というところ
・そもそも在庫ないし、スペースいらねぇし、赤字にならない。無敵感が漂ってる
スゴイなぁと手放しで賞賛すると同時に、猛烈な後悔に襲われる。なぜこれに気づかなかったのだろう? zon氏はみごとにツルハシとジーンズに当たるものを見つけたことになる。
ツルハシとジーンズ
この逸話をご存知でない方のために、かいつまんで説明しよう。1848年、アメリカのカリフォルニア州で金鉱が発見されたことをきっかけに、文字通りの「一攫千金」をねらった人々が多数カリフォルニアに訪れた。――「ゴールドラッシュ」の到来である。私はこの逸話を知っていた。だから、ここ数年、ツルハシとジーンズに当たるものはないだろうか? と探していたけれども、とんだ灯台下暗しだ。KDP(Kindle Direct Publishing)があったのに。
ところがこの時代、一番儲けたのは金を掘った人間ではなかった。金は必ず取れるとは限らない。当たればデカイが、いつまで掘っても見つからずに借金だけが増えていくことも多い。そこで金鉱夫の多くは刹那的な生き方をして、たまに金が取れてもギャンブルと酒で即座に使い果たしてしまうことが多かった。
では誰が儲けたか? 彼らにツルハシを提供した雑貨屋や、ジーンズを売った服屋などだった。ジーンズメーカーとして有名なリーバイ・ストラウスはゴールドラッシュによって大成功をおさめた一人だ。
ここから、「ブームに群がるのではなく、ブームを手伝うビジネスに携わるべきだ」とビジネス啓蒙書などで言われるようになった。その象徴が「ツルハシとジーンズ(またはデニム)」である。
スマートフォンがこれだけ普及し、アマゾンが電子書籍出版に本格的に乗り出したのだ。これから電子書籍利用が人々の間で広がっていくことは間違いない。
電子書籍がゴールドだとしたら、アマゾンや「きんどるどうでしょう」がツルハシやジーンズだろう。
「きんどるどうでしょう」の有料販売は累計100万部だという。仮に一部が300円程度だとしても、4%の利益率があればざっくりでも1200万円になる。すごい数字だと思う。
たとえ分かっていても始められないのは?
電子書籍を紹介するサイトを作ることで、アフィリエイトで一稼ぎできる……これに気づかなかったことがまず悔しい。もっと悔しいのは、一年前にたとえそのことに気づいたとしても、「きんどるどうでしょう」のようなサイトを私は作っていなかっただろうと予測できることである。
なぜ、1年前に「きんどるどうでしょう」のようなサイトを私が作ろうとしないと断言できるのか? 当時思いついたとしても、やらない理由がいくつも思い浮かぶからだ。
1.アマゾンで無料キャンペーンを紹介しているのだから、わざわざ自分のサイトで宣伝する意味ないんじゃないの?
「きんどるどうでしょう」の売りの一つが、Kindle本の無料キャンペーンの告知だ。ところが、そのようなムダなことしなくても、アマゾンのサイトで、「Kindleストア › 無料本」で調べればすぐに無料の本を探せるではないか。母体についている機能をわざわざ自分で作る意味が分からない。大勢の人は、よく知らない個人サイトよりも、アマゾン本体の機能を利用するに違いない。2.興味のないことに取り組まねばならない
書評をしたり、インタビューをしたり……かなり本格的に取り組んでいる。それだけ取り組めば、ページビュー数は増えるだろう。でも、たとえば「アマカナタ」のように、自分の好きな話題だけを扱うわけにはいかない。テーマを限定してしまうと、興味のない話題だとか、面白くなさそうな本なども取り上げねばならなくなる。実際、zon氏もBL本などを悪戦苦闘しながら紹介している。興味のない分野の記事を書くなんて、時間がいくらあってもたりなさそうだ。
3.儲かる気がしない
zon氏が収入を上げている今なら、儲かる道筋が見えた。でも、それ以前に、「無料キャンペーン紹介や割引情報紹介などを中心にすえる」
という戦略が金儲けになると、どうして思えただろうか。
無料キャンペーンを多くの人に宣伝しても儲かるまい。無料だから。割引キャンペーンとかも、数百円から大幅に割引されたら利益なんて微々たるもんだろう。やる意味なんてあるまい、どうせムダじゃないのか?
4.やりとりが面倒そう
作者とのやり取り……一見楽しそうだが、作家を目指す人々なんて、自意識過剰で面倒くさい人間が多いはず。個性的な人々が多いから、彼らとのやりとりは面白い反面、一度ドツボにはまるとものすごく面倒くさいことになるだろう。zon氏、私のお礼にもこうしてこまめに返事をくれている。
@amakanata はーい。ブログに頂いたコメント載せ忘れていたので再掲載しました。たぶん一晩で百数銃〜数百は増えるとおもいますよー。
— きんどるどうでしょう (@kindouzon) 2013, 11月 27
一記事ならばこれでいいけれども、何十という記事が貯まると、それぞれに新たにコメントが集まる。これといちいちやり取りしていたら、それだけで一日が終わってしまいそうだ。5.紹介するのが大変そう
「きんどるどうでしょう」の一番古い記事は、★ 【新着】本日発売のKindle本 2012年11月1日
である。Kindle本の著者名、値段、冊数などをまとめる作業、イチオシの本を取り上げて一言感想を書く手間……これが一年続くと考えただけで嫌になりそうだ。
以上となる。
結果が異なっていたのは御存知の通り。
上記の、一年前に私が思いついたであろう予測は、その後の「きんどるどうでしょう」の快進撃でことごとく否定された。
1'.大手では出来ないことができる
アマゾンの中心はあくまで有料販売だから、有料本の宣伝を差し置いて、無料キャンペーンを大々的に取り上げたりしない。ところがお金がない本好き層にとってはそこが一番知りたい情報。関係各所にのことを考えなければならない大企業とは違い、個人事業主は小回りがきく。だから、Kindle本を、アマゾン本体を差し置いて人々に紹介するサイトを立ち上げる価値は、間違いなくある。
2'.嫌なことでも金儲けなら大抵のことは我慢できる
zon氏は今は「きんどるどうでしょう」専業でやっているという。仕事なんて嫌なことでもやるものだ。仕事をすればそれは全て自分の儲けにつながる。自営でやっていこうと思えばたいていの苦悩は乗り切ることが可能だ。3'.人を集めれば、儲けは後からついてくる
無料キャンペーンで読者をつかめば、彼らはサイト内をいろいろと散策するだろう。いいなと思える本を見つければ、それが有料だとしても、気軽にダウンロードすうようになる。儲けはあとからついてくるもの。現に私の書籍の有料販売は、どうやら「きんどるどうでしょう」経由が一番多いようだ(私のサイト経由で買ったら、Amazonで確認できるのに、確認できないんだもん)。
サイトの中で、あれだけいろいろな本が紹介されていると、目当ての本を無料でダウンロードしただけでは物足りず、有料のものも一冊くらいダウンロードしてもいいかな、と思う。これは理の当然だった。
4'.やりとりは選んですればいい
zon氏、ブログへのコメントには基本返信をしてない。私が二回ほどコメントを書いたが、返事がなかった。これは賢い判断だ。コメントの中で読者同士が議論を始めたりすることもある。そこに下手に割り込めば、時間だけが無為に過ぎる。コメント欄は読者同士のやりとりにまかせることに決めているのかもしれない。ところがtwitterで呟いたところ、即座にzon氏は返信してくれた。こういうメリハリで、ムダな時間を随分短縮しているのだろう。
5'.慣れれば簡単
zon氏、どうやらフリーの編集者らしい。編集者は普通、数百ページもあるような本を一年に数百冊読む。それに比べれば、キンドル本を一日に数冊読むくらい、どうってことない。慣れれば簡単だ。
それだけではなく、有名になれば作者が勝手に本の紹介を投稿してくれる(私もそうだった)。大きくなればなるほど創業者の作業は楽になる。様々なビジネスと同じだ。
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ただ、分析をして分かったことがある。zon氏がサイト作りを続けてこれたは、それが好きで、得意な分野だったからだ。儲けられるかどうか分からないままやってこれたのは、書評サイト作成がzon氏にとって、何よりも面白いことだったからだろう。
……そう考えると、私は無理だな。私は編集者よりも、ライターが性に合っている。文章を書くのが好きなのだ。
うらやましいと思うあまり自己の本分を見失ってはならないね。
それにしても、だ。電子書籍紹介というのはまだまだ大きな可能性がある。これから取り組んでも充分間に合うだろう。興味があるなら、電子書籍紹介サイトを立ち上げてみることをお勧めしたい。2ちゃんまとめみたいに大化けするかもしれませんよ?
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ただ、分析をして分かったことがある。zon氏がサイト作りを続けてこれたは、それが好きで、得意な分野だったからだ。儲けられるかどうか分からないままやってこれたのは、書評サイト作成がzon氏にとって、何よりも面白いことだったからだろう。
……そう考えると、私は無理だな。私は編集者よりも、ライターが性に合っている。文章を書くのが好きなのだ。
うらやましいと思うあまり自己の本分を見失ってはならないね。
それにしても、だ。電子書籍紹介というのはまだまだ大きな可能性がある。これから取り組んでも充分間に合うだろう。興味があるなら、電子書籍紹介サイトを立ち上げてみることをお勧めしたい。2ちゃんまとめみたいに大化けするかもしれませんよ?
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