京都大学農学部を卒業後、経営コンサルタントとして活躍。中小企業に絶大な人気を誇り、日本で初めてコンサルタント会社を東証1部に上場させました。
しかし、多くの人に知られているのは、もう一つの顔の方でしょう。
昨今のスピリチュアルブームの先駆けともいえる本を次々と出版。同時に政木和三や森田健(のち喧嘩別れ)などのスピリチュアリストを次々と世に送り出しました。90年代から2000年代初期のころが、この方の絶頂期だったのではないでしょうか。
昨今のスピリチュアルブームの先駆けともいえる本を次々と出版。同時に政木和三や森田健(のち喧嘩別れ)などのスピリチュアリストを次々と世に送り出しました。90年代から2000年代初期のころが、この方の絶頂期だったのではないでしょうか。
ところが、ここ数年、船井氏の名前を聞く事は少なくなりました。
その理由を考える時、私はどうしても、もう1人のユキオ……鳩山由紀夫のことを思い出してしまうのです。 2人のユキオさんの共通点について述べながら、船井氏について少し、振り返ってみたいと思います。
どちらも理系で高学歴
鳩山氏は東大工学部出身、船井氏は京都大学農学部です。日本には理系出身者への信仰があります。文系に比べると、合理的で現実主義という信仰です。そして二人ともに、それを裏切った点で共通しています。
どちらも不思議系
鳩山氏がフリーメーソンという秘密結社の一員であることは本人が公言している事実です。もともとオカルト的な言動が多く、さらには「理系」と言う肩書きを見事に裏切る、斜め上の発言で世間の耳目を集めました。
船井氏も、前述のとおりスピリチュアル系の人物。彼によれば、今世界は大きな変革の時期にあり、経済崩壊後新しい次元へと人々は移り変わりゆく過程にあるそうです。
どちらもイメージと事実が異なっている
鳩山氏は清潔なイメージとは裏腹に、母親から9億円のお小遣いをもらっていたことが明らかになって世間を驚愕させました。その他にも、出てくる出てくる。「献金」を「寄付」として公的に届け出るなどの不正疑惑がたくさん報道されています。
金持ちだから清廉潔白だろう、という世間のイメージと大きく異なっていました。
金持ちだから清廉潔白だろう、という世間のイメージと大きく異なっていました。
船井氏の場合、表では優しい好々爺でしたが、裏ではコンサルタントとして強引なこともやる人物でした。
彼の講演会の定番のネタに、マルイカードの話があります。
マルイが何故あれほど成功をおさめたのか。それはクレジットカードという制度を日本にいち早く導入したから。そして、マルイは学生向けにクレジットカードの発行を積極的に仕掛けた。普通、学生は無担保なので信用がないと言われているが、学生ほど信用できる存在はない。学生の借金は、必ず親が尻拭いしてくれるから。そして、学生時代にカード利用を覚えたら、一生マルイのカードを使ってくれる……。
こういう話を得々と語る船井氏の壇上の顔を見つめながら、私は顔をしかめました。判断能力のない学生を食い物にすることは、自慢することじゃないでしょう。
船井氏は『2009年資本主義大崩壊!』なる本を出しましたが、資本主義は崩壊することなく、再び世界経済は回復へと向かっています。
私、当時「2009年」という具体的な数字が表紙に載った本を書店で見て、
「大丈夫か?」
と危惧したことを思い出します。ここまで年を明確に出して断言する……その年に何か起きればでかいけれども、何も起こらなければ信用を一気に失います。
出版された2008年には、リーマン・ショックがありました。このまま大恐慌が起こると船井氏はふんでいたのでしょうが、残念、翌年にはさほど大きな資本主義悪化を示す事象は起きませんでした。
そこからかな……世間で昔ほどはもてはやされなくなり、影響力という神通力に影が見えるようになったのでした。
マルイが何故あれほど成功をおさめたのか。それはクレジットカードという制度を日本にいち早く導入したから。そして、マルイは学生向けにクレジットカードの発行を積極的に仕掛けた。普通、学生は無担保なので信用がないと言われているが、学生ほど信用できる存在はない。学生の借金は、必ず親が尻拭いしてくれるから。そして、学生時代にカード利用を覚えたら、一生マルイのカードを使ってくれる……。
こういう話を得々と語る船井氏の壇上の顔を見つめながら、私は顔をしかめました。判断能力のない学生を食い物にすることは、自慢することじゃないでしょう。
どちらも大見得を切り、信用を失う
鳩山氏は普天間基地を県外に移設すると約束しましたが、結局空手形に終わりました。オバマに「トラスト ミー」などと言いながら、米国大統領や沖縄県民を裏切り続けた鳩山氏。彼を信用する人は、やがて誰もいなくなりました。船井氏は『2009年資本主義大崩壊!』なる本を出しましたが、資本主義は崩壊することなく、再び世界経済は回復へと向かっています。
私、当時「2009年」という具体的な数字が表紙に載った本を書店で見て、
「大丈夫か?」
と危惧したことを思い出します。ここまで年を明確に出して断言する……その年に何か起きればでかいけれども、何も起こらなければ信用を一気に失います。
出版された2008年には、リーマン・ショックがありました。このまま大恐慌が起こると船井氏はふんでいたのでしょうが、残念、翌年にはさほど大きな資本主義悪化を示す事象は起きませんでした。
そこからかな……世間で昔ほどはもてはやされなくなり、影響力という神通力に影が見えるようになったのでした。
この方は不思議な方でした。経営という勝敗がはっきりした分野で勝負しているので合理的なはずなのに、神秘思想の後押しを続けてきた点。
しかも、もっとまともな霊能力者は大勢いると思うのに、森田健のようなインチキくさいケレン味のある人物ばかりをもてはやしていた点。
鳩山由紀夫ほどの知性が、なぜあのような愚かな政策しか取れなかったのかを不思議に思うように、ビジネス界であれほど成果を上げた人物が何故にあれほど奇妙な言動を続けてきたのかが大変不思議なのです。
オカルトをビジネスと考えていたわけでもなく、ある人に洗脳されたわけでもなく。のめり込むでもなく、離れることもなく。
むしろ「自分は知っているんだよ」という教祖的なたたずまいで、オカルトを真面目に紹介し続けていた稀有な人物でした。
以上、鳩山由紀夫と船井幸雄の両名の共通点を挙げながら、船井氏について思うところを簡単に述べてみました。
船井氏のご冥福をお祈りいたします。
合掌。
合掌。
0 件のコメント:
コメントを投稿