2014年1月23日木曜日

都知事選、小泉劇場の陰にはシナリオがあるのかもしれない

小泉純一郎が脱原発をかかげ、細川護煕が同じく脱原発をとなえて都知事選挙に出馬するという、誰も予想していなかった事態が生じて約2週間。

この構図があまりに不自然過ぎて、呆気に取られていましたが、ここに来て、ようやく彼らの目的が透けて見えてきたような気がします。

宇都宮健児の当選が阻まれる

今回の都知事選挙、細川が出なければ、宇都宮健児が当選するだろうと、私はにらんでいました。

昨年の自民党大勝の後の、久々の大きな選挙です。自民党をあまり調子に乗らせてはいけない、という人々の無意識のバランス感覚によって、宇都宮氏の辛勝となるのではないか、と考えたのです。

ご承知の通り、日本国民のバランス感覚により、与党が大勝した後の選挙では与党が惨敗することが多いです。参議院でも与党がなかなか過半数を取れないなど、権力が集中しないように無意識の内に人々が心がけています。

だから、次は自民党にとっては許されざる人物、宇都宮氏が辛勝する、と考えたのです。

しかし、ここにきて細川氏が立候補。

選挙の行方がわからなくなりました。

細川氏は本当に脱原発なのか

ところがおかしいと思ったのが細川氏の態度。真剣に脱原発に真剣に取り組む様子が見受けられません。公開討論会に欠席し、反原発団体の応援を受けようともしないのです。

もしかして彼には、脱原発をやる気がないのではないか。それならなぜ、脱原発を唱え始めたのだろう。

その内に、一つの仮説が生まれました。細川氏は、反原発の旗頭である宇都宮氏を潰すために小泉氏が送り込んだ「刺客」なのではないのか……。

実利的な面から反原発

考えれば小泉氏、今回の都知事選挙では宇都宮氏さえ落選させれば、どちらに転んでも、メリットばかりです。

舛添氏が勝てば、
「小泉のお陰っで反原発陣営は二分化されて力が削がれた。舛添氏が勝てたのも小泉のお陰だ」
と、自民党から感謝されます。舛添氏の脱原発論なんて、あれは選挙に勝つための詭弁でしょうし。

細川氏が勝てば、その懐刀として顧問などに就任して都政に睨みを効かせることができます。

では、細川氏にとっては刺客となることに、どんなメリットがあるのでしょうか。

たとえば、都知事で名を売り、国会議員に再立候補することを念頭に置いているという可能性は考えられないでしょうか。なにしろ、石原慎太郎という立派なモデルがいます。

民主党はあのざまです。盟友だった小沢一郎も、もはや往年の力はありません。自民党の一党独裁をはばんだ細川氏にとって、現状は大変歯がゆいもののはず。

細川氏のレゾンデートル(存在証明)は、
「自分が55年体制にトドメを刺し、自民党の独裁体制を終わらせたのだ」
というものでしょう。ところが亡霊が再復活し、細川氏らの改革をなかったことにしようとしています。細川氏が、それをはばむのが自分の義務だと考えるのは自然な心情です。老人にとって過去の偉業を否定されることほど嫌なことはありませんから。


太陽の党や日本維新の会をまとめ、自民党に対抗できる勢力を再び自分の手で結集したい、と内心決意したとしても、おかしくありません。

今回の都知事選に勝てば、2年ほど任期を務めた後、
「都知事では国を変えることは出来なかった」
と宣言し、途中で辞任して国政選挙に出れば、当選確実でしょう。

都知事選に負けても、応援組織は残り、名前も売れます。国会議員選挙のための前哨戦と考えるならば、いい準備運動です。

反原発では困る人達

都知事の権力は東京都において、アメリカ大統領に近いものです。一人の人間に大きな権力が集中します。もしもその地位に反原発を固く決意した人物が座るとなると、本当に原発廃止のための改革を断行されかねません。

それは東京電力を始めとする政財界の一大勢力にとって、大変都合が悪いことです。反原発の流れを断ち切るためには、どんな手でも使おうとするでしょう。

しかし、反原発勢力を割ろうとしても、内心を押し隠して反原発の芝居を打てる能力があり、実行に移せるだけの人気がある人物といえば、限られています。小泉氏や細川氏は、そのための人物としては最高の素材です。

彼らが政財界の一部勢力の密命を受け、三顧の礼をもって依頼され、一肌脱ぐことにした……という可能性、考えられないでしょうか。

2 件のコメント:

  1. 同感するところが多いです。「細川でも、舛添でも、どっちへ転んでも、宇都宮さえ落とせばいい」というのが、おそらく小泉の本音でしょう。かつて「自民党をぶっこわす」と言いながら、実は自民党を強くした手法とよく似ていると思います。彼の右翼性をカモフラージュ、見えにくくさせているように思えてなりません。ほんとに悪い役をはたしていると思います。

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    1. あれだけ長く生きて、言いたいことを言ってきた人が、それまで全く主張していなかったことを言い始めたら、何かあると考えなきゃいけませんよね。

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