その要因の一つに、
「老人は耳が遠いが、そのことを認めたがらない」
という悲しい事実があるように思います。
相手が何を言っているのかはようやく分かるが、誰の声なのかまでは、明確には分からない耳が遠くなれば誰もが通る道ですが、これが電話口ならば、なおさら。そのことを知られるのは、恥ずかしく、愛する子供にもなかなか伝えられないのでしょう。振り込め詐欺犯は、そこにつけこんできます。
身体機能はどうしても衰えるものです。それならば、それを補うハイテク機器で予防する必要があります。そのために最適な製品が、近年販売され、大きな話題となっているそうです。
「通話を録音します」。発信者に音声で事前警告する通話録音装置を固定電話に設置することで、金融投資の押し売りなど悪質な電話勧誘を大幅に減少させられたことが消費者庁の調査で分かった。これはいい発明です。今やどの固定電話にも設置されている留守電には、通話中の音声は録音されません。通話が録音されれば、様々な犯罪の証拠になります。
最近は高齢者を狙った高額投資の勧誘も増えています。それだけではなく、生命保険や家のリフォームなど、老人の貯金を狙ったセールスは頻繁にかかってきます。その際に、録音さえしていれば、後で子供が内容を確認して、文句をつけることだってできることでしょう。
(親のために、いつか買ってやろうかな……)
そう思いながら調べたところ、いくつかの商品がヒットしました。
★ 【警視庁様共同開発商品】振込め詐欺見張隊 たいへんだぁL-FSM-TD
振り込め詐欺防止用に特化して作られた製品です。30時間の通話、あるいは1000件分の通話に対応しています。別売りのSDカードで音声を取り出せますし、フリーソフトで声紋分析も可能です。
これが一番理想的でしょうが、70歳を越えたお年寄り専用かもしれません。よく電話をする話好きなお年寄りにとっては、面倒くさく思えるのではないでしょうか。
友達から、
「あんたのところに電話したいんだけど、録音されていると思ったら電話かけづらいのよ~」
と言われれば、友達を失うのが寂しい老人からこの機械は取り外されてしまうかも。結果、いざというときに役立たなくなる可能性もあります。
★ パイオニア 通話録音装置 ホワイト AF-CR1000-W
安心のパイオニア製です。様々なメーカーの電話機にとりつけることが可能で、10000件近くの通話を録音可能です。
この機械は事前に警告されるわけではないため、前述の製品に比べると、予防としては弱いかもしれません。逆に、相手に気取られずに録音できるという点で、相手を油断させることが可能ですし、友人間の無用なトラブルを生むことはないでしょう。
こそっと録音しておいて、なにか問題が生じたときに、
「これまでの通話は、すべて録音しています」
と言えれば、大きな切り札となることでしょう。
地縁血縁が薄くなっている昨今、社会から引退した老人にとって、頼れる人が遠方にしかいない、というケースが増えています。通話録音装置は、これからの社会の必需品になっていくかもしれません。
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