2014年6月21日土曜日

都議会セクハラ野次議員への追求網が、せばまっている

6/18の東京都議会で、都の結婚・妊娠・出産に対する取り組みについて質問するために登壇した、みんなの党の塩村文夏(あやか)議員に対して、
「そんなことを言う前に、おまえが早く結婚しないのか」
「子どもは産めないのか」
というとんでもない野次が飛んだという事件が起こり、問題となっている

大変卑劣な野次だ。なぜなら、女性全体を侮辱する言葉だからだ。議員に対するものではなく、結婚できなくて苦しんでいる女性、子どもを産みたくても産めない女性全体を傷つける言葉だからだ。野次を発した者は、彼女たちがどれほど苦しんでいるのか、知らないのだろうか? 私はこの種の、抵抗できない弱者を貶める人間は大嫌い。第一報を聞いたときには、腹わたが煮えくり返った。

野次の効用は理解しているつもりだが、差別的な野次は議会の品位を下げるのみならず、民主的な討論の妨げとなるもの。都議会という日本の首都の選良が、議会で発言していいものではない。このまま曖昧にしてはならないだろう。

ところが野次を向けられた塩村議員について調べると、元グラビアアイドルで、『恋のから騒ぎ』で一世を風靡した有名人だという。番組の中で、別れた彼氏から1,500万円の慰謝料をせしめ、それで海外留学を果たしたと武勇伝を語っているというので、少し嫌な印象を受けた。

それは若気の過ちで、許されるものなのかもしれない。

しかし、先々月の17日に発売された「週刊文春」(2014年4月24日号)では、
「渡辺喜美8億円調査担当 みんなの党倫理委員長の不倫疑惑」
という題で、三谷英弘衆議院議員との不倫疑惑も報じられているという。議員になった後に、不倫をしているというのだ。これで、さらに嫌な気分となった。塩村議員へ感情移入することが難しくなった。

彼女は、セクハラ野次に抗議するための錦の御旗として担ぎ上げるに値する女性なのだろうか? 実は信じて後で裏切られて後悔するような相手なのではないか? 実はこの騒ぎも、すべて計算づくなのではないか? セクハラ野次騒動は、彼女の得意な「から騒ぎ」なのではないか?

元芸能人政治家の嫌なところは、メディアとズブズブで、発言の一つ一つが計算に基づいているところだ。

「ちょっと腹立つ! あんな公衆の面前でのセクハラなんて、絶対に許さない!」
といきりたつ議員に対して、メディアの煽り方に詳しい電通あたりの業界人が、
「これを利用してさ。あやかちゃん、いっちょ仕掛けてみる?」
と提案したなんてことはないだろうか。

ちなみに、彼女は2013年6月23日の都議会議員選挙で23,621票を獲得して当選している。世田谷区から立候補したのは14名であり、6名が落選している。落選確率4割。ちょっとした風向きですぐに崖から転げ落ちる可能性がある。

既婚者にとって、不倫女性ほど腹立たしい存在はないという。なぜならイイトコどりをされるからだそうだ。

結婚すると、いろいろと大変だ。親や義理の親との関係をこなし、感情の行き違いを解決しながら子どもを育て、地域とも関わっていかなくてはならない。

ところが、不倫女性は苦労を一切せずに、単純に恋愛だけを楽しむ。妻がいるためにがっつかず、落ち着いた男にはある種の魅力がある。言わば自分が作り上げた男性と不倫関係を結ばれるのは、上澄みだけをごっそりと奪われるのに等しい。この種の身勝手な行動を、既婚女性は大変嫌う。

みんなの党の著名党首が辞任した今、不倫騒動を起こした彼女が次の選挙で当選できるかどうか、難しいところだろう。

ところが今回のセクハラ野次事件で、塩村議員には同情票が集まった。不倫疑惑は影を潜め、結婚できない女性を代表する戦う女性という立場を得た。これは強い。

逆に、野次を飛ばした議員の立場は、たいへん厳しい。

★ セクハラやじ「断じて許さず」=舛添都知事が非難

★ 都議会やじ発言者は名乗り出ろ
自民党の石破茂幹事長は21日の読売テレビ番組で、東京都議会の一般質問中にみんなの党会派の女性議員にセクハラとも取れるやじが飛んだ問題に関し、発言者は自ら名乗り出るべきだと強調した。
セクハラ野次包囲網は、狭まっている。国会議員の重鎮がここまで発言した以上、一都議会議員が対抗できるものとも思われない。

婚活や妊活で苦しんでいる彼女たちすべてを敵に回した以上、名乗りでてなんらかの釈明会見は必要となるのではないか? 下手をすると辞任まで追い込まれる可能性もある。

某サイトでは、声紋分析などから野次の犯人がある程度確定されているようだ。名指しされている議員の選挙区では、強い基盤を持っているようだが、どう行動するかによって、今後の進退が決まる。

ところが、いろいろと考えるにつれて、ピンチをチャンスに変える方法もあるのではないだろうか? と考えるにいたった。

次の記事では、野次を放った議員がどう謝罪をすればいいのかについての、一私案を述べたいと思う。


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