アマゾンで電子書籍の販売を行うには、面倒な手続きが必要です。
アメリカの税制が適用されるため、なにも減免措置をとらないと売上利益の30%が源泉徴収されてしまいます。それを避けるために納税者番号(TIN)というものを取得しなければなりません。
納税者番号にもいろいろと種類があり、一番取得しやすいのは雇用者番号(EIN)。私は昨年末に取得しました。
さて、今月になりまして、アマゾンから「必要なアクション: 年末の税報告のための連絡先情報の更新」と題されたメールが届きました。
住所などの個人情報に変更があったら、変更手続きしてください、という内容です。
私は今年引っ越しして住所が変わりましたから、情報修正の必要があります。KDP アカウント (http://kdp.amazon.co.jp) にサインインして、 「税に関する情報」の更新作業を行おうとしたんですね。
住所を新しいものに変更し、そのあと昨年末に取得したEINを入力しようとしたら……入力できません。
「個人の方はSSN、またはITINを入力してください」
ためしにEINを入力しても、形式が違うと警告が出て、入力を受け付けてもらえないのです。
……これは困りました。
例のごとくグーグル先生に質問したのですが、この事実に関する情報がネット上にほとんどありませんでした。いろいろと検索語句を変えて調べた結果、下記のサイトにいきつき……衝撃の事実が判明しました。
★ 個人でも可能な電子出版 誰でもできる電子出版 第三十七回
詳細は実際のKDPヘルプを見ていただくとして、かいつまんで言うと、「個人はITIN(個人納税者番号)を取得し、個人以外はEIN(雇用者番号)を取得してください。取得方法は米国IRSのサイトを確認してね」という感じです。ガーン。
まじかよ、と。つまり、アマゾンは、今まで個人で電子書籍を販売していた人間に認めていたEINを、認めなくなった、ということです。
その代わりに入力しなければならない「個人納税者番号(ITIN)」なのですが、これがクセモノです。取得するためには、
・パスポートのコピー(米国領事館または公証人役場で公証を受けたもの)が必要だというのです。それも、すべて英語で書かれたものを、です。
・前年度の納税証明書
・フォームW-7(米国IRS書類)
前年度の納税証明書を英語で用意したり、パスポートのコピーを公証人役場で英語で公証してもらうなんて、ハードルが高すぎます!
なにかいい方法はないのでしょうか?
この件に関する情報は乏しく、Google先生もあてになりませんね。ようやくこんな抜け道があることを知りました。
★ KDPアカウントで税の優遇措置を受ける方法
受益者の種類として「個人」以外を選択した場合は、米国のTINにEmployer Identification Number(EIN)を利用できます。へ~。
とある。
この「個人授業主」とは、USに会社がある、またはUSで人を雇っている、でなければならないのだ。
なので、ここでは「みなし事業体」を選択する。
それで大丈夫なの? 一気にハードルが下がったんだけど。
でもこれしかないのだろうな、と思い、「個人でも可能な電子出版 誰でもできる電子出版 第三十七回」の著者である林拓也さんにもメールでお知らせしたところ、たいへん丁寧な御返事をちょうだいいたしました。ありがたいですね。
この方はKindle出版講座やiBooks出版講座なども開催されているプロの方でした。最新の情報を常にサイトで紹介されていて、その他の記事も大変役立つものばかりです。電子書籍出版をお考えの方は、この方のセミナーを受講されてはいかがでしょうか。
★ 電子書籍講座
さて、今朝になって、私は再び迷い始めました。
ほんとうに「KDPアカウントで税の優遇措置を受ける方法」で紹介された方法でいいのだろうか? なにか問題があるんではないか……と思いましてさらに調べてみますと、こんな記事をみつけたのです。
★ みなし事業体の税務情報の送信
みなし事業体である単独所有 LLC 所有者の税分類と納税者番号は、以下の 3 通りのいずれかとなります。うーん。すでに個人事業主として生計を立てている方ならばともかく、そうではない個人が電子書籍を出版する場合、上記の三つに当てはまらないような気がするんですよね……。ほんとうに大丈夫なのでしょうか?
所有者が個人事業主の場合: 税分類では個人を選択し、米国社会保障番号(SSN)を記入します。
所有者が法人またはパートナーシップの場合: 税分類では法人またはパートナーシップを選択し、法人番号(EIN)を記入します。
所有者が LLC カンパニーの場合(パートナーシップ、C コーポレーション、S コーポレーションの場合): 税分類で LLC を選択し、法人番号(EIN)を記入します。
実態に合った適切な項目を選択して、税務情報を送信します。
できるだけ、ルールや法律は守りたもの。さてさて。どうするべきか?
いろいろと悩んだ末に、こういうプランで行くことに決めました。
まず、急ぎIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)の住所変更手続き用紙(8822-B)にて郵送で住所変更手続きを行います。
ちなみに、 8822-Bの郵送先は、
Internal revenue Service Centerで送りました(UTはユタ州の略です。海外から送付する場合はユタ州の事務所に送付するようです)。
Ogden, UT 84201-0023
USA
住所変更が行われたら、それで急場しのぎ的に「みなし事業体」として申請を行い、同時並行でITINの取得を目指していこうかと。
そのあとの続報は、追ってご紹介していこうと思います。
それにしてもアメリカの税制は頻繁に変わりすぎです。ネット上の情報が陳腐化するスピードの早いことといったらありません。
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