2015年1月24日土曜日

裁判所の前でスピーカーで訴えている人に話しかけてみた

知人が雇用問題でもめています。彼になにか助けになれないかと思いまして、代休のとれた平日に、東京地方裁判所に傍聴に行ってきました。

私が傍聴したのは、527号法廷で行われている裁判。「未払賃金支払請求事件」の証人尋問です。医療法人社団T会とU氏との間で争われている事件のようでした。知人の助けになるような知識は得られませんでしたが、面白く、裁判に抵抗感がなくなりました。これから裁判を考えている方、度胸をつけるためにも傍聴はお勧めですよ。

さて、傍聴を終えて東京地方裁判所の門を出ると、スピーカーで司法制度の不当性を訴えている方がいらっしゃいます。それに興味を持ちました。

手渡しされたビラを見ますと、
「集団ストーカー犯罪にご注意を!」
と題され、個人を組織ぐるみで追い込む手口などが書かれています。

たしかにこういうの、実際にあるんですよね。

★ オリンパス敗訴で明らかになった女弁護士のブラック過ぎる手口
★ オリンパス事件は氷山の一角 現役産業医が語る「リアルでブラックなクビ切り術」
悪質な企業では、会社にとって都合のよくない社員に対して『精神的なケアをする』との名目で、会社お抱えの産業医に診断をさせるんです。この産業医が会社とグルで、その社員を『君は精神分裂症だ』『重度のウツなので治療が必要』などと診断し、精神病院へ措置入院させたり、合法的に解雇してしまい、事実が隠蔽されてしまう。
ひどい話です。

もしもビラを配っているこの人が、このような不当な目に遭っていたというのならば話を聞いてみたいと思いました。

でも、統合失調症を患っている方である可能性もあります。集団ストーカーに襲われている、と思い込んでいる統合失調症の患者さんは案外多く、ネット上に多数の動画がアップされていますが、残念ながらほとんどは、彼らの妄想です。

★ 【集団ストーカー】駅前、車内のつきまとい

(この人が精神障害者だったら、話を聞いても無駄だな……)
と思いながら彼の風体を眺めていました。特に服装にだらしなさはなく、挙動不審な様子もありません。

そこで、思い切って話しかけてみました。少し話せますか? と断ったうえで、単刀直入に、
「失礼ですが、精神病院への通院歴はございますか?」
とね。

もう、面倒臭かったんですよ。たしかに大変失礼な物言いです。話は聞きたいけれども時間の無駄は嫌だ、というワガママな思いが、こんな直截な言い方になってしまいました。

それに、いきなりこんなことを聞いたら怒られたり殴られるたりするかもしれないけれども、裁判所の前だからすぐに警察が飛んできてくれる、命の危険もないだろう、という姑息な計算もありました。

ところが、私の大変失礼な質問に対して、ビラ主は怒らず、淡々と、
「いいえ。通院歴はありませんよ。頭がおかしいと思われること、多いんですけどね。集団ストーカーは事実です」
と答えてくれます。

ああ、これはまともな人だな、と最初は思いました。

そこで、興味がずずっと湧きまして、これまでどんな嫌がらせを受けたのか、うかがってみたのです。

彼が集団ストーカーされたのは、S価学会。その職場にはS価学会の会員が多く、ビラ主が勧誘されたのに入会しないのに腹を立てられて、集団で嫌がらせを始められた、というのです。その一環として、盗聴されたのだ、と。

彼らは盗聴をする、と。そして、それを司法に訴えても、司法がまともに取り合ってくれないと。S価学会は司法と裏で取引をしているせいである、と。だから、ここで訴えているのだ……と。なるほど、なるほど。

彼らが通話記録などを盗み出してたことなどは、裁判でも判決として出ているので事実でしょう。

★ 創価学会幹部(当時)らに賠償命令 東京地裁 ドコモの責任も認定

しかし、この眼前の男性の証言が本当だとは限りません。そこで、突っ込んで尋ねてみました。

「あなたは、盗聴器を発見したのですね? それはいつごろでしょうか?」
私の質問に、彼は答えました。
「いえ、残念ながら盗聴器は見たことがありません」

……えっ?

「盗聴器がみつからないのに、なぜ自分が盗聴されていると確信されたのですか?」
「私しか知らないはずの家庭内の会話を、彼らが知っていたからです」

……私の頭の中のアラームが鳴り始めました。

「それだけですか?」

私の疑問に、いや違います。盗聴しているところを見たことがあります、とビラ主は言います。なんだよ、早く言ってくれよ、と思いながらどんな方法か尋ねると、彼は明快に答えてくれました。

「自衛隊の飛行機が、空から盗聴するのです」
「……空から?」
「私が家のドアを開けると、空の上を自衛隊の飛行機が飛んでいたことがありました。彼らは空から指向性のマイクを向けて、私の会話を盗聴していたのです!」
「……ほう」
「それだけじゃなく、私が床をドンと叩くと、それが隣の人間に聞こえているのです。彼は盗聴していたに違いありません!」




……私は、そっとその場を離れました。




1 件のコメント:

  1. 突然申し訳ございません。
    通りすがりの者ですが、こういう場で個人名や企業名を出さないほうがいいですよ。
    ましてや裁判の話ですし。
    老婆心ながら
    コメントさせていただきます。

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